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嫁と料理中に話した昔と今が結構ちがっていて驚いた話
「嫁ちゃんはさ、子供のころどんなだった?」
「子供のころ?小学生低学年くらいの話?」
「そうそう、そのあたり」
「そうだねー、私本ばっか読んでた子かな」
「へえ。外で遊ばない子だったの?」
「まあ、なんていうか、私悟ってたのよね」
「悟ってた?」
「私はね、足が遅かったんだよ」
「ほう」
「子供って、足が速いと人気者じゃない?」
「そうだね、ヒーローだね」
「私はヒーローじゃなかったんだよね」
「そうか、モブだったのか」
「そうそう、私なんて通行人Bよ」
「そんな自虐的な」
「モブには日の当たる所がまぶしくてね」
「だから家で本を読むようになったの?」
「そうだね。だって運動じゃ勝てないもん」
「ふーん、でもさ」
「うん?」
「今、嫁ちゃん、運動できるじゃん」
「まあね」
「結構外にも出かけるタイプじゃん」
「まあね」
「そこがわかんないんだよなー」
「どこが?」
「昔は超インドアだったんでしょ。
でも今はアウトドアもOKじゃない」
「そうだね」
「どこで、外の世界に目が向いたの?」
「んー?そうだね、どこだろ」
「今の嫁ちゃんはすごく活発だからさ」
「んー、いろいろきっかけはあったけど」
「うん」
「高校の頃かなあ。ターニングポイント」
「なんかいいことあったの?」
「私の周りにリア充が多かったのよ」
「リア充がそんなにいたのか(笑)」
「陰キャの私にもすごく良くしてくれてね」
「へえ」
「強制しないっていうか、責めないっていうか」
「いい人たちだね」
「そーなのよ。いい人たちが多かったのよ」
「うん」
「その人たちの前だとこう…なんかね…」
「自分が出せる?」
「そうそう。自分が出せてね、楽しかった」
「そりゃ良かった」
「うん。気の合うヤツもいたし」
「ああ、〇〇ちゃん?」
「そうそう、〇〇。よく一緒にいたなあ」
「仲いいもんね、〇〇ちゃんと」
「まあね。腐れ縁だね・・・ところで」
「うん?どうしたの」
「なんでまた、昔のこと聞いたの?」
「なんでって、料理煮込んでて退屈だし」
「まあね」
「それに、なかなかいないと思うんだよね」
「なにが?」
「嫁ちゃんみたいなタイプは」
「どういうこと?」
「陰キャが社交的になるタイプよ」
「ああ、そういうこと」
「陰キャはずっと陰キャの道じゃない?」
「うーん、どうなんだろね」
「陽キャは陰キャになることもあるけどさ」
「うーん、そんなこともあるの?」
「陰キャから陽キャになるのは珍しいなあと」
「私さすがに陽キャではないよ」
「パリピじゃないけど陰キャには見えないよ」
「そうかな。ちょっとは変わったのか」
「昔の嫁ちゃんは見てないから知らないけど」
「うん」
「今の嫁ちゃんはいいんじゃない。面白いし」
「あはは」
「お、煮込み終わったね」
「よしごはんにしよう」