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10歳から大河ドラマを観てきた私が、21世紀に放送された幕末大河を振り返ってみた。


新しい大河ドラマ「青天を衝け」(せいてんをつけ)が始まりましたね。奇しくもバレンタイン大河となりました。

物心ついた時から 大河ドラマを観てきましたが 前年の大河ドラマが年を越えて放送されるのを観たのは生まれて初めての経験でした。

さて 今年の大河ドラマ「青天を衝け」は、日本資本主義の父と称された渋沢栄一の青春時代が描かれます。

2024年には 渋沢栄一がデザインされた新一万円札が登場する予定になっており とてもタイムリーな放送だと思います。

幕末から明治にかけて 様々な人々との出会いを通して描かれることになるのでしょう。

そこで 今回のnoteでは 2001年以降に放送された 幕末から明治にかけての同時代を描いた幕末大河をメインテーマを中心に振り返ってみることにしました。

放送年の古い方から順番に「新選組!」「篤姫」「龍馬伝」「八重の桜」「花燃ゆ」「西郷どん」の6作品です。

新選組!


第43作「新選組!」
放送期間:2004(平成16)年1月~12月
作:三谷幸喜
音楽:服部隆之
主な出演者:香取慎吾 佐藤浩市 江口洋介 藤原竜也 山本耕史 ほか
【あらすじ】
新選組を結成し、局長として幕末の6年間を駆け抜けた近藤勇と仲間たち。京都の治安を守り、時代に翻ろうされながらも最後まで未来を信じて生きた幕末の志士たちの青春を描く。https://www.nhk.or.jp/kirin/taiga/より引用

歌詞入りのオープニングテーマは珍しいです。
後半部分で三谷幸喜作詞の「いとしき友はいずこに この身は露と消えても 忘れはせぬ 熱き思い 誠の名に集いし遠い日を あの旗に託した夢を」(歌唱 ジョン・健・ヌッツォ)という重厚な歌声が流れ とても盛り上がります。
〈第31作の「琉球の風」でも谷村新司の「階(きざはし)」が流れていました。〉

堺雅人演じる山南敬介の切腹シーンや 沖田総司(藤原竜也)の殺陣のシーン 最終回の近藤勇(香取慎吾)の斬首シーンなどが印象に残っています。

また、近藤亡き後のスピンオフ作品「新選組!! 土方歳三最期の一日」が放送されたことでも有名です。「麒麟がくる」の続編を望む声も多い中 良い前例となりそうです。

篤姫


第47作「篤姫」
放送期間:2008(平成20)年1月~12月
原作:宮尾登美子
脚本:田渕久美子
音楽:吉俣良
主な出演者:宮﨑あおい 瑛太 松坂慶子 高橋英樹 堺雅人 北大路欣也 ほか
【あらすじ】
薩摩・島津家の分家に生まれながら薩摩藩主・島津斉彬の養女となり、徳川13代将軍の正室となる篤姫。夫・家定の急死、公武合体、倒幕と時代の渦に巻き込まれながら、江戸城を無血開城に導いた波瀾万丈の生涯を描く。https://www.nhk.or.jp/kirin/taiga/より引用

グスタフ・クリムトの「接吻」をモチーフにしたオープニング。一説によると、彼はパリ万博に出展された日本の屏風や絵画などからも影響を受けていたそうです。

薩摩の島津分家にうまれ 島津斉彬の養女となり 将軍家定の御台所となった一人の女性の波乱万丈の一生がよく表現されているメインテーマだと思います。作曲は 鹿児島出身の吉俣良氏。

家定(堺雅人)が亡くなった時に 棺に取りすがって泣くシーンとか 「明治前夜の再会」で、幼馴染の小松帯刀に「もし斉彬様からの養女のお話がなければ私と一緒になってくださいましたか」と尋ねられて「亡き夫家定に相談いたします」と答えるシーンとか キュートな宮崎あおいの魅力があふれていた大河ドラマでした。

北大路欣也は 「青天を衝け」にも徳川家康役で登場。渋沢が徳川の家臣であったことを強調していました。 


龍馬伝


第49作「龍馬伝」
放送期間:2010(平成22)年1月~11月
作:福田靖
音楽:佐藤直紀
主な出演者:福山雅治 香川照之 大森南朋 広末涼子 寺島しのぶ ほか
【あらすじ】
幕末、日本の夜明けを夢見て東奔西走し、薩長同盟や大政奉還の立役者となった坂本龍馬。その33年の生涯を後に三菱財閥の創始者となる岩崎弥太郎の回想として描いた。https://www.nhk.or.jp/kirin/taiga/より引用

出だしの女声パートが「煮込みラーメン」と歌っているように聴こえると話題になったドラマです。言われてみれば たしかに(笑)。
土佐藩における上士と下士の苛烈な身分差別とか 武市半平太(大森南朋)の切腹シーンなどが印象に残っています。

とりわけ 最終回のクライマックスである龍馬暗殺の場面で まさかの選挙速報テロップが流れ 龍馬(福山雅治)の顔に被るという珍事が発生(笑)
さすが 龍馬の夢見た議会制民主主義の発現だとの肯定的な捉え方もあり なるほどなぁ そういう見方もあるのかと感心しました。

「青天を衝け」のメインテーマの作曲も佐藤直紀氏ですね。


八重の桜


第52作「八重の桜」
放送期間:2013(平成25)年1月~12月
作:山本むつみ
テーマ音楽:坂本龍一
音楽:中島ノブユキ
主な出演者:綾瀬はるか 西島秀俊 長谷川博己 綾野剛 西田敏行 ほか
【あらすじ】
幕末、会津・鶴ヶ城から最新のスペンサー銃を手に新政府軍に奮戦、「幕末のジャンヌ・ダルク」と呼ばれ、維新後はアメリカ帰りの新島襄の妻となった新島八重。「ならぬことはならぬ」という会津武士道で、生涯自分の可能性に挑み続け、すべての人の幸福を願った八重とその仲間たちの愛と希望の物語。https://www.nhk.or.jp/kirin/taiga/より引用

坂本龍一の作曲です。序盤 重苦しい雰囲気で始まり 後半長調に転じて 希望を感じる終わり方です。初めて聞いたとき なんて暗くて地味で盛り上がりに欠けるな曲だろうと思いました。


しかし それはとりもなおさず 会津藩のおかれた状況そのものでした。会津戦争の際の「焼玉押さえ」(着弾を冷やして不発にするため、濡らしたふとんや着物を被せる戦法)などは、こわくて絶対にできません。

でも、当時の女性達は行っていた。1ヶ月の猛攻に耐えた会津若松城のいびつな姿には胸が痛みました。

花燃ゆ


第54作「花燃ゆ」
放送期間:2015(平成27)年1月~12月
作:大島里美 宮村優子
音楽:川井憲次
主な出演者:井上真央、大沢たかお、伊勢谷友介、高良健吾、東出昌大 ほか
【あらすじ】
萩の貧しい武士の家に生まれた少女・文。吉田松陰という破天荒な兄を愛し、支え、時にはぶつかり合いながらたくましく成長した文は、強い絆で結ばれた久坂玄瑞、高杉晋作ら松下村塾の塾生たちや家族とともに、幕末の動乱を強く生き抜いていく。https://www.nhk.or.jp/kirin/taiga/より引用


母親の胎内に満ち溢れている 透き通る温かい羊水のような
柔らかな女声のパートで始まります。男声パートの歌詞も素晴らしいです。

愚かなる 吾(われ)のことをも 友とめづ人は わがとも友(ども)と、
吾(われ)をも 友とめづ人は わがとも友(ども)と めでよ人々、
吾(われ)をも 友とめづ人は わがとも友(ども)と めでよ人々   燃ゆ

愚かな私のことを友達として愛してくれる人がいるなら
私だけでなく私の友達のことも愛してほしい

安政の大獄によって断罪される直前の松陰が 松下村塾の門下生のことを想って詠んだ和歌

愚かなる吾(われ)をも友とめづ人はわがとも友(ども)とめでよ人々

が元になっています。

西郷どん


第57作「西郷どん」
放送期間:2018(平成30)年1月~12月
原作:林真理子
脚本:中園ミホ
主な出演者:鈴木亮平、瑛太 ほか
【あらすじ】
極貧の下級武士にすぎなかった素朴な男・西郷隆盛(西郷どん)が、南国奄美で愛に目覚め、勝海舟、坂本龍馬ら盟友と出会い、揺るぎなき「革命家」へと覚醒し、やがて明治維新を成し遂げていく物語。https://www.nhk.or.jp/kirin/taiga/より引用

軽快で心浮き立つようなメインテーマです。主人公の西郷隆盛は 西南戦争で非業の死を遂げますが 曲の明るさが「暗」を引き立たせています。


まとめ


大河ドラマの好きな母の影響で 進学のために家を出るまで 我が家の日曜夜8時のテレビはNHKの大河ドラマと決まっていました。

今回6作品を振り返ってみて 不要論とかいろいろ言われていますが 続いていって欲しいなと思いました。

また 6作品中 半数の3作品(「篤姫」「八重の桜」「花燃ゆ」)が 女性の主役だったことも特徴的でした。



長々と最後までお読みいただきありがとうございました。

感想やあなたの好きな大河ドラマなど教えていただければ 幸甚に存じます。

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