世界初の有機還元葬(30日で骨まで分解)が未来の葬儀の常識を変える。量子脳と自然経葬による人間の進化(SDGsの葬儀基準の立法と宇宙)
死んだ後、自分の体がどのように扱われるか考えたことがあるだろうか。日本では多くの場合、遺体は火葬され、残った骨は墓に納められる。一部の人は宗教的な理由で土葬を選ぶかもしれない。
世界でも火葬と土葬の2種類が主要な葬送方法となっているが、人間の遺体を栄養豊富な土に生まれ変わらせる「堆肥葬(有機還元葬)」が新たに始まる。ワシントン州における人間の遺体をコンポストする法案が、2019年4月に可決され2020年5月から施行されるのだ。
そんな中、アメリカ・シアトルで施設の準備を進める企業「RECOMPOSE(リコンポーズ)」が、堆肥葬を実用化させた。RECOMPOSEが2021年にオープンを予定している施設は、世界初の堆肥葬を行う場所となる予定だ。より環境負荷の低い葬送方法として台頭する堆肥葬はどのようにして生まれたのだろうか。そして、RECOMPOSEが目指す未来はどのようなものなのだろうか。
Natural organic reduction
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RECOMPOSEが行う「堆肥葬」とは?
「ナチュラルでオーガニックな還元(Natural organic reduction)」と名付けられた堆肥葬は、人間の死体を自然な形で生分解して堆肥に変え、養分として新しい命へ循環させる葬送方法だ。
死後、遺体はオーガニックなウッドチップで敷き詰められた再利用可能なモジュール式の棺に収められ、遺族や友人との告別式が執り行われる。式が終わると遺体はオーガニックな素材を被せられ、棺ごとコンポストを行う専用のカプセルに収容される。その後、落ち葉が土に戻っていくように約30日間かけて骨や歯までもがゆっくりと土に還っていく。容器内は微生物やバクテリアが活動しやすい環境に整えられており、より効率的な分解が促される仕組みになっている。
分解後は、1立方ヤード(0.76立方メートル)ほどの豊穣な土に変わる。遺族や友人はこの土を持ち帰って通常の土と同じように植物を植えるのに使うなど再利用することが可能で、持ち帰らない場合はRECOMPOSEが提携している森林の育成に使用される。これにより、人間は死後、自然の一部として循環することが可能になる。
RECOMPOSE
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堆肥葬では、遺体を焼くプロセスが必要ないため、火葬と比較すると8分の1のエネルギー量しか使わず、1人につき1平方メートルの二酸化炭素の排出が抑えられる。また、遺体や遺骨を保存する必要がないので墓を立てる必要もなく、地球上にスペースを取らない。使われる素材もオーガニックで、コンポストに使用される棺も使い捨てではなく、再利用される。今までにも遺体を自然に還す方法として、遺体を木の根元に植える「樹木葬」や火葬した遺灰を海や山に撒く「散骨」など方法はあったが、堆肥葬は環境を汚さないという点で新たな選択となりえるだろう。
遺体に含まれる物質が環境汚染に繋がるのではないかと懸念する人もいるかもしれないが、ペースメーカーなどの金属製の不純物はコンポスト前に取り除かれ、抗生物質などの医薬品もコンポストを通して分子レベルで分解されるので土壌を汚染する心配はない。また、カプセル内は120〜160度まで熱されるため、有害な病原体のほとんどはこの段階で滅せられる。ただし、クロイツフェルト・ヤコブ病やエボラ熱などは病原体の分解が確約できないため、今のところ対応していないとのことだ。
死んでもなお人間は有害?火葬・土葬の問題点
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