詩「魂中の私」
ざわざわする
鼻はいつもより効かない
何がしたい
何が言いたい
魂中の私は人生幾度目か
肉体はあっさりしていて
思っていたよりすぐに灰となり
生命去りし跡の人骨は虚しい
なぜ私に肉体を施したのか
顔や手や脚や
複雑な動きを私に与えたのか
四六時中
物事を思慮し
新しい誰かと出会うのは
煩わしくなり
身体が逃げていく
魂中の私は何がしたい
どこへ行きたい
今の私の自我は失われつつある
何度となく人道を生きた
私の中のあなたは
嘲笑しているだろうか
もっと私は世渡り上手だったと
ちょっと不器用なんじゃないかって
たまに慰めてくれているのか
妙に虚しくなる
魂中の私は一体何人ほどだろうか
私とあなたの境目を
いとも簡単に引き裂いて
私の人格はあなたに成りつつある
あなたは誰ですか
一人二人とどんどん増えていく
私という肉体は
本日をもって幕を閉じ
魂中の私と入れ替わる
私はあなたの一部と化し
明日を迎える
明日の朝は
どんな気持ちでしょう
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