人生を変えた一冊
Q.「人生を変えた一冊といえる本はありますか?」
A.「あります。その本を読んでから,私は木曜日にココアを飲みます。」
私の人生をかえた一冊は
青山美智子さんの「木曜日にはココアを」だ。
私は一人旅をするとき,本屋で1冊,目についた本を買うことをルーティンにしている。
一人旅は大抵電車で移動するため,その移動時間に読めるぐらいの文庫本を探す。
その日も本を探していて,たまたま「ココア」という字が目についた。
私は甘党で,ココアは大好きな飲み物の一つだ。
「なんかおもしろそう」
本を買う理由なんて,わたしにとってはこれでいいのだ。
電車の中で,涙をこらえるのに必死だった。
本にここまで心を揺さぶられたのは,これが初めてだった。
本の中の世界がちゃんとあって,そこにいる人がちゃんと書かれている。
そこに,人間がちゃんといた。
そして,そっと寄り添ってくれた。
一文一文の言葉選びも綺麗で,素敵で,もっと読みたいと思った。
青山美智子さんの他の作品を読んでさらに驚いたのは,世界がつながっていたことだった。
青山さんのなかの世界はひとつで,それを何冊にも渡って紡いでくれて,伝えてくれていた。
感動した。
ほんとうに。
心が洗われる。
迷ったとき,悩んだとき,苦しいとき,泣きたいとき。私はこの本を開く。この本に,私の思いを聞いてもらう。
この本は,そんな思いにそっと寄り添ってくれる。
だから私は,また頑張れる。
青山さんの「赤と青とエスキース」という最新刊は,本屋大賞にもノミネートされている。
素敵な作品なので,是非青山美智子さんの作品を読んでほしい。