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【顔汗に悩む方へ】かいた汗の適切な対処法と上手な汗のかき方を解説!

COCO.libraryスタッフの中では一番(といっても過言ではない)
暑がりで汗っかきなゆうくです!

夏になると、出社しただけで髪がびしょ濡れになり、
「汗、大丈夫??」
と心配されるくらい顔汗をかいてしまい、
毎年、顔のべたつきや汗疹のような肌荒れに悩まされています。

そんな悩みをなんとかしたくて、
「顔汗 止める」と検索して出てくる方法を色々と試しましたが、
完全に止めるなんてやっぱりできないし、この生理現象を止めても大丈夫なのか?心配になりました。

そこで、今回は僕と同じように悩む方に向けて
顔汗を止めずとも、肌を綺麗に保つための秘策をまとめてみました。
最後まで読んでいただき、参考にしていただけると嬉しいです。


汗をかくことは肌に悪い?

実は、汗をかくことが「肌に良い影響を与える」こともあります。
そもそも「汗をかく」というのは体の体温調整や、免疫にとって重要な役割を果たしています。
その中でも、汗腺から分泌された汗に含まれる水分が、「角層(肌表面にある層)」に浸透すると言われており、角層水分量を維持する役割もあります¹⁾。

また、汗をかかずに角層の水分が減少すると、「肌の炎症(接触性皮膚炎)が起こりやすくなる」ということも報告されています²⁾。
これを順を追って説明すると、以下の様になります。
・角層に水分が満たされている状態だと、接触性皮膚炎の原因物質である「アレルゲン」が皮膚に侵入しにくくなる。
・発汗量が減少すると「汗が出る⇒水分が角層に浸透される」という循環がなくなり、角層内の水分も減少する。
・角層水分量が減少することで、アレルゲンが皮膚内部に侵入しやすくなる
・接触性皮膚炎が起こりやすくなる

汗が減少することで、アレルゲンが肌内部に侵入しやすくなる。
引用:汗をかかないとアレルギーになる, 塩原 哲夫, 67巻(7), 923-926 (2018)

他にも、発汗量が減少すると「汗腺」が委縮し、肌の内部に空洞ができることで「肌のたるみに影響する」ことが報告されています³⁾。
このように顔に汗をかくこと自体は悪いことではなく、むしろ良い影響をもたらしています

では、汗はたくさんかいた方が良いのか?といわれると、
悪い影響を与えることも分かっています。

汗がもたらす顔への「悪い影響」

肌荒れを引き起こす

特に「汗疹(あせも)」と呼ばれる肌の炎症を引き起こすことがあります。
その原因としては、以下のような流れが考えられます⁴⁾。

1.肌にある「汗腺」という器官から汗が大量に排出される
2.汗に含まれる「塩分やミネラル」などが汗腺内に詰まる
3.汗が汗腺内部で溜まることで、かゆみを引き起こす
4.その箇所を掻いてしまうことで炎症が起きる

夏場に小鼻のあたりや、髪の生え際などで痒みや赤みができることが多い人は、これが原因の可能性があります。

毛穴を目立たせる

夏の季節になると「毛穴の開き」を気にする方が多くいます⁵⁾。
これにも、汗が影響している可能性があります。

かいた後の汗に紫外線が当たることで、汗に含まれるたんぱく質が「糖化」と呼ばれる反応を起こし、最終的に「毛穴の開きやたるみ」に影響することが報告されています⁶⁾。

汗に含まれるタンパク質が糖化してできたAGEsが毛穴トラブルに影響する
引用:汗の成分が糖化することを新たに発見,
ポーラ・オルビスホールディングス, ニュースリリース

日焼け止めや化粧などを落としてしまう

顔汗の嫌なところを調査したところ、ベスト1位は「化粧崩れ」でした⁷⁾。
肌への直接的な影響ではないですが、ウォータープルーフであったとしても、汗をたくさんかいたり、ふき取ることで化粧崩れが起こる原因となります。
朝、しっかり化粧をしたのに、会社に着くころにはもう崩れてる…なんてことは夏のあるあるですよね。
また、化粧崩れにより、肌への紫外線のリスクが大きくなりますよね。

汗の適切な対処法と上手な汗のかき方

良い面も悪い面もある汗。では、顔の汗トラブルを抑えるためにはどのようにしたら良いのでしょうか?
それは、かいた汗の「対処方法」が重要になります。
また、「汗のかき方」にも工夫ができるので、これらについて詳しく紹介していきます!

汗の適切な「ふき取り方」

汗をかいた後で、乾いたティッシュやハンカチで拭いている方を多く見かけます。
しかし実は、「濡れているティッシュやタオル」で拭く方がトラブル予防に効果がある可能性があります!
その理由は主に以下の2つあります。

1.汗に含まれる「肌に悪影響を与える成分を除去できる」
汗は、体内の血液の成分から作られます。
その際に、血液中の「塩分やミネラル」なども一緒に排出されることがあります。
(汗が目に沁みたり、しょっぱかったりするのはこれが原因です)
汗を拭かずに放置したり、乾いたハンドタオルでふき取るだけではこれらや、糖化した汗の成分が肌に残り、汗腺を詰まらせたり、肌荒れを引き起こす可能性があります。
そのため、ハンドタオルを少し湿らせてから、しっかり汗の成分を除去することが重要です。

2.体温を下げて「発汗を抑えることができる」
暑い環境や運動後などで、体温が上昇すると、汗が作られます。
そして、水分が蒸発する際の「気化熱」によって体温を下げています⁸⁾。
そのため、乾いたハンドタオルなどでふき取ると、うまく体温を下げられなくなり、逆に発汗量が増加する可能性があります。
なので、この場合もハンドタオルを少し湿らせてから汗や汚れをふき取り、その濡れた状態での気化熱を利用してみましょう。そうすると、体温が低下し、効率よく発汗を抑える効果が期待できます。

とは言え、メイクをしているとなかなか濡れたものでふくのは難しいですよね。
番外編ですが、以前、皮膚温度をすぐに下げる実験をしたので、ぜひこちらの記事も参考にしてください!

綺麗な汗をかけるように「暑熱順化」を試してみよう!

上記で説明したように、汗にの中に含まれる塩分が悪さをすることが分かっています。なので、塩分の少ない汗をかくことができれば多少のトラブルは避けられると推測できます。
また、汗に含まれる「塩分」は、普段から汗をかいていないと多くなることも分かっています⁹⁾。
暑さに慣れて汗をかく能力を鍛える「暑熱順化」という方法は、汗の塩分濃度を低下させる効果が期待できます¹⁰⁾。

具体的な方法の一つとして、手足温浴法という入浴方法があります。
これは、「42度のお湯の中に手首と足首だけ浸けて30分入浴する」という方法です。
これを2週間以上続けることで、べたつきの少ない汗へと変化していき、肌荒れリスクも抑える効果が期待できます!

普段はオフィスワークで、出勤時以外に汗をかくことがない、という方はぜひ試してみてください!

一時的に汗を抑える

出勤時のわずかな時間だけでも、汗を抑えて化粧崩れをなんとかしたい!
という方は「制汗成分」の入った商品をお試しください!
代表的な成分としては、以下の3つがあります。

・塩化アルミニウム
・クロルヒドロキシアルミニウム
・ミョウバン

これらは、実際に汗腺に蓋をするような役割を果たして汗を一時的に止める効果が期待できます。

顔汗をかいても、清潔感のある印象に

以上のように、汗をうまくコントロールしたり、適切に処理することで顔の肌の状態を良好に保つことができます。
今年の夏は、記事で紹介した方法を試して、汗とうまく付き合っていただけると幸いです。


■参考文献
1) 意外な汗の免疫機能とその制御, 室田 浩之, 67巻(6),  747-750 (2018)
2) 汗をかかないとアレルギーになる, 塩原 哲夫, 67巻(7), 923-926 (2018)
3) たるんだ肌の内部には、空洞があった!?, 株式会社資生堂, 研究/サプライネットワーク, (参照:2024/8/2)
4) 汗疹(あせも), 第一三共ヘルスケア, ひふ研, (参照:2024/8/2)
5) 【今夏のお肌悩みに関する調査】トラブルがあった方は6割以上!原因や対処法とは, 株式会社フォーチュン, プレスリリース, (参照:2024/8/2)
6) 女性の”顔汗”に関する意識調査, 株式会社マンダム, プレスリリース, (参照:2024/8/2)
7) 汗の成分が糖化することを新たに発見, ポーラ化成工業株式会社, ニュースリリース, (参照:2024/8/2)
8) ヒトにおける発汗調節の末梢メカニズム, 藤井 直人, 日本生気象学会雑誌, 59巻(1), 3-13 (2022)
9) 運動時の体液変化とその循環および体温調節への影響, 岡崎和伸, 循環制御, 39巻(2), 82-90 (2018)
10) 「汗」のトリセツ, NHK, あしたが変わるトリセツショー, (参照:2024/8/2)

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