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経営者/リーダーを癒す技術 癒してもらう技術

はじめに

こんにちは、コーチェットでコーチ・カウンセラーをしている森山です。
残り3週間ほどで2022年もおわりますね。

みなさんのいまの心の状態は、何点くらいでしょうか。
この1年、働く人の多くがたくさんの業務に取り組み、まわりと関係性を築きながら、目標に向かってストレッチされたと思います。
(…ほんとうにお疲れさまです)

年末年始は「1年の疲れを癒したい….」と考える方も多いのではないでしょうか。

負荷の高い毎日によって、緊張でかたくなった心をやわらげることは、心の状態を高めるうえで非常に重要です。

みなさんには、ぜひ年末年始のおやすみに心が「ほっとすること」とりいれ「癒やされる」体験をしてほしいと思っています。
(わたしは温泉に行って癒されたいと思っています😌 )

わたしの願いを伝えたところで、そろそろ本題に「経営者/リーダーを癒す技術 経営者/リーダーが癒してもらう技術」について。

わたしがこのテーマを選んだ背景には、以下の3つの経験が影響を与えています。

サービスを通じて経営者/リーダーの伴走を支援してきた経験
自社の経営者メンバーと関わってきた経験
マネージャーとしてメンバーに癒してもらった経験

これらの実体験をまじえながら、経営者/リーダー、その方々を支えたいと願いメンバーに向けて記事を書きます。

多くの人のお役に立てますように。

(このタイトルを考えついたあと、尊敬するの大先輩の臨床家、東畑先生の新刊とタイトルが似ていることに気づきました。意図せずでしたが、無意識的に引用した可能性があるのでご紹介させていただきます🙏)


経営者/リーダーの癒しの重要性

さて、なぜ「経営者/リーダーの癒し」のテーマに着目する必要があるのでしょうか。
その理由について考えてみましょう。

一般的に、経営者/リーダーは複雑性の高い課題解決に取り組むことが多く、高いストレスにさらされています。こうしたストレスが蓄積すると、心の状態が低下してしまいます。

心の状態がよくないとき、当然ですが、パフォーマンスに影響が生じます。

たとえば、思考がせばまったり偏ったりして意思決定をあやまる/感情のコントロールができずにメンバーにネガティブなインパクトを与える/積極的な行動がおきず、現状維持にとどまるなどが考えられます。

このような状態が長期化すると、事業の持続性に大きな影響を与える可能性も出てきます。

だからこそ、深刻化する前に経営者/リーダーが「癒やされる体験」をえて、心の状態を健全にたもつことが大切です。

このように、重要度が高いテーマにもかかわらず、経営者/リーダーのメンタルヘルスは自己責任とされ、組織の課題として取り組む企業は少ないのではないでしょうか。

弊社に相談に来てくださる経営者/リーダーの方々も、心の状態をくずしたことを「こんなことになって申し訳ない」「誰にも言えず苦しかった」とお話しされることが多いです。

「高いプレッシャーのなか、心をゆるめることができず、新しいプレッシャーがかかり続ける」ことが、まだお会いしたことのない「経営者/リーダー」のみなさんにも起こっているかもしません。

一方、ともに働くメンバーのなかには「経営者/リーダーの心の状態が心配」と気遣う人がいてくれることも事実です。

わたし自身、一緒に働く経営メンバーの心の状態が下がっているとき、なにかサポートをしたいと強く思いますし、ご相談に来てくださるマネージャー職の方々からも「社長がしんどそうで話しを聞いてあげたいです」という声をよく耳にします。

経営者/リーダーにとっても、メンバーにとっても望まぬ結果をうまないために、このテーマを深めること大切なことだと思っています。

「技術」の紹介の前に

「ではみなさん、心を癒すことを意識してくださいね」といっても「どうやってやるんだ?」と困ってしまいますよね…
目に見えない心を扱うことはむずかしく感じられると思います。

このさきは、癒しのためできることを「技術」として具体的な方法をご紹介しますが、その前にひとつだけ注意事項があります!

「癒し」というと、人によっては「心の傷が緩和される」というニュアンスを受けとるかもしれません。

しかし、「傷」をケアすることは簡単ではありませんし、よかれと思ってケアしたことが実際には傷を深めるリスクもありますので、「心の傷」については専門家に任せることをお勧めします。

ここで使う「癒し」とは「心がほっとできる・ゆるむ体験」と考えてくださいね。

経営者/リーダーが癒してもらう技術

では、まず組織内でできる「経営者/リーダーが癒やしてもらう技術」から。

なぜ「癒してもらう技術」をさきに取りあげたかというと、これができていないとメンバーが癒すための行動が起こしにくいからです。

心の状態がとよいときに、経営者/リーダーのみなさんからぜひ行動してみてくださいね。

ご紹介する内容は、コーチ・カウンセラーとしての経験、わたし自身がメンバーに癒してもらった経験にもとづいています。

日頃からお互いの状態を自己開示しあう

心が疲れきってから、自分の状態を開示するのはハードルが高いことです。状態が下がる前に「心の状態は何点?」とやりとりできると、いざ調子が悪いときに伝えやすくなります

弊社ではチェックインや日報でお互い開示する機会があります。状態を開示できるだけでも癒しにつながりますし、状態が数値化されて捉えられることで、回復するために必要な支援をしやすくなります

ストレスが大きい出来事を知ってもらう

人はさまざまなストレッサーを受けますが、同じ出来事でも人によってストレス度合いが違います。自分の心に影響が出やすい状況や要因をシェアすることで、ストレス自体の回避、ストレス軽減のサポートをしてもらいやすくなります

先日、チーム内で得意なこと/苦手なことを共有して相互理解を深めました。苦手なことはストレスがかかる、かつ生産性も低いことが多いです。苦手なことを知ることで支援し合えることは癒しにつながります

癒しの行動リストを共有する

「サウナに行く」「映画をみる」「音楽を聴く」など、心のゆるみが何によって起こるかは人それぞれで、周囲は把握しにくいものです。心が疲れているとき、このリストをメンバーが知っていると癒しのために必要な情報を経営者/リーダーに提供しやすくなります

わたしのリストのひとつに「ふわふわの哺乳類をみる」があるのですが、それを知っているメンバーがコアラに関する投稿をしてくれて、とても癒されたことがあります

癒しのために動いてくれたことに感謝を伝える

メンバーが癒しのために、なにかを伝えてくれたり、なにか動いてくれたりしたときには、そのことに丁寧に感謝を伝えましょう

近年の研究では、「感謝する/されること」の両方にストレス低減効果があることがわかってきています

経営者/リーダーのみなさんのなかには、「こんなことをしたら弱いリーダーだと思われるかもしれない」と抵抗感をもつ人もいるのではないでしょうか。

責任感がある人ほど、人として当然にある弱いところや、苦手なところを否定して、自分の心の不調に気づいたり、癒したりすることが遅れてしまいます。

また「弱いチームになってしまうのではないか」と懸念をいだく人もいるかもしれません。

しかし、「心の調子がよくないときには、誰にでもある。早く回復できるように支援してもらおうよ」と支え合えるチームの方が、安定して高いパフォーマンスを発揮しやすいです。

経営者/リーダーを癒す技術

では、次にコーチ・カウンセラーとしての経験、経営メンバーと関わってきた経験、わたし自身がメンバーに癒してもらった経験から、組織内でできる「リーダーを癒す技術」についてご紹介します。

経営者/リーダーを支えたいと願うメンバーのみなさん、ぜひ参考にしてみてくださいね。

見えたもの・聞こえたものを伝える

調子がよくないときには、とくに自分の様子に気づけないことがあります。表情や口調、声色など、いつもと違う様子に気づいたら、勇気をもって言葉にしてみましょう

わたしも最初は少し勇気がいりましたが「伝えることで役に立てるかもしれない」と思い伝えると、対話が深まり気づきを提供できた経験があります

またコーチングでは、相手の様子を伝えることを「反映」と呼びます。反映を活用することで、経営者/リーダーは立ち止まったり、気づいたりできるのでとても役に立ちます

日頃のリーダシップを承認する

心の状態がすぐれないときは、自己効力感(「自分にはできる」という自己認知)が下がります。そんなときには、近くで経営者/リーダーの活躍をみていたメンバーの承認が心の疲れを癒します

事業を推進したときの行動、その人にしかない才能や強みなど、具体的に伝えることが大事です

サポートできることはないか聞いてみる

たとえ心の状態がすぐれない場合でも、経営者/リーダーはみずから支援を申し出ることをためらいがちです
調子が下がっていることに気づいたり、聞いたりしたときには、「支援できることがないか」伝えてみましょう。その声かけがあるだけで、経営者/リーダーの心がゆるみます

体調がすぐれないときには心のエネルギーも低下しますが、そんなとき、わたしもメンバーから「いつも元気をもらっているので、しっかり休んでください。何か手伝えることはありますか?」と声をかけてもらい安心して休むことができました

癒し行動の促進を支援する

心の状態がよくないと視野がせまくなりがちで、自分を癒すための行動を思いつきにくいことがあります。そこで、癒しの行動リストに関連する情報をそっと伝えてみるのも有効です

癒しの行動が「一人になって本を読む」という人だったら、落ち着いて本を読めるカフェをおすすめしてみるのもよいかもしれません

心の健康をたもち支え合える組織をめざして

経営者/リーダーの癒しの重要性を書いてきましたが、「メンバーの癒し」も組織にとっては重要で、メンバーが高ストレス状態を維持しつづけることでも、パフォーマンスの低下や他のメンバーへの影響が起こります。

お互いストレスで心が疲れる生き物だからこそ、組織内で相互に「心の癒し」をサポートし、メンタル不調を未然に防ぐコミュニケーションが大切だと考えています。

弊社は「すべの人が、互いを生かし、育て合う社会をつくる」をいうビジョンを掲げていますが、生かし育て合うためには、経営者/リーダー・メンバーが立場や役割を超えて「心の状態を健全にたもつ」ための支え合いが必要なのでないかと感じています。


おわりに

「経営者/リーダーを癒す技術 経営者/リーダーが癒してもらう技術」はいかがでしたか?
使いながらご自身の組織/チームにあった方法を整えていってくださいね。

私たちの組織/チームはこんな技術を活用してます! というアイディアがあればぜひシェアしていただけるとうれしいです。

癒される体験が、経営者/リーダーのパフォーマンスの安定や向上につながり、みなさんの組織/チームがますます活躍されることを心から応援しています😊


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