【26】 自己イメージがコンフォート・ゾーンを決める
今回は、コンフォート・ゾーンについて、自己イメージや創造的無意識との関連から考えていきます。
私たちの創造的無意識は、無意識の自己イメージを維持するように認識や行動を制御しています。
「自分はこういう人間である」という自己イメージや「ものごとはこうあるべきだ」というリアリティを維持するように働いています。
もし現状が自己イメージから離れたら、創造的無意識は現状を自己イメージと一致させるように行動を促します。
ただし、現状は自己イメージと完璧に一致していなければならないわけではなく、ある程度の許容範囲に収まっていれば「問題」とはなりません。
この許容範囲のことをコンフォート・ゾーンと言います。
現状がコンフォート・ゾーンから外れたとき、創造的無意識は現状をコンフォート・ゾーンの範囲に修正するように働きます。
このメカニズムは、サーモスタットにたとえられます。
たとえば、エアコンで設定温度を20度に設定したとしましょう。
このとき、エアコンは室内の温度を完璧に設定温度に合わせようとしているわけではありません。
室内が22度より暑くなったらスイッチがオンになって室温を下げ、20度を下回ったらスイッチがオフになり、
逆に18度より寒くなったらスイッチがオンになって室温を上げ、20度を上回ったらスイッチがオフになる、といった動き方をしています。
この設定温度が自己イメージに、18度から22度の範囲がコンフォート・ゾーンに相当します。
このたとえは、人間にもそのまま当てはめて考えることができます。
たとえば、試験の成績が80点であるという自己イメージを持っていて、成績が75点から85点の間であれば「自分らしい」と感じ、居心地よく感じる人がいるとします。
もし60点をとったら、それはコンフォート・ゾーンの外です。
そのため、自分が慣れ親しんだ80点前後の状態に慌てて戻ろうとします。
そして、創造的無意識がエネルギーと創造性を生み出し、次の試験で80点を取るように行動を調節します。
このメカニズムは、現状がコンフォート・ゾーンより良すぎるときにも生じます。
もし90点をとったとしても、なんとなく居心地の悪さを感じ、80点前後の状態に戻ろうとします。
そして、創造的無意識の働きで、勉強しない言い訳を創造的に思いつき、勉強以外のことをさせるエネルギーが生じます。
この現象は、創造的回避(creative avoidance)と呼ばれます。
このように、自己イメージがコンフォート・ゾーンを決めています。
現状より高いゴールを達成するには、自己イメージをゴールを達成している自分に置き換え、コンフォート・ゾーンを移行させる必要があります。
アファメーションやヴィジュアリゼーションは、ゴールを達成している自分を自己イメージにし、コンフォート・ゾーンを移行させることで、ゴールを実現させていく技術なのです。
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