家族大好きサラリーマンによる絵本レビュー『わたしとなかよし』
どんなものからでも学びを得ることはできます。
子どものものと思いがちな絵本からだってそう。
今日は素敵な学びを得た絵本「わたしとなかよし」をご紹介します。
この絵本の主人公はブタさんの女の子。
絵本はブタさんのこの言葉からはじまります。
そう、自分には自分という友だちがいると言うのです。
なんというポジティブ思考。この一言でグッと世界に引き込まれます。
ブタさんはどんなときでもひとりぼっちではなく、いつもわたしという友達が一緒という考えを持っています。
「人は1人では生きていけない」
この言葉、よく耳にするし確かにそのとおりだと思います。
では、1人とはどんな状態をいうのでしょうか?全世界、宇宙にも他者は存在せず自分だけ、こういうことを指すのだとわたしは思います。
でも、ブタさんはわたし(=自分)があたかも他者であるかのように、素敵な友だちだと言うのです。
もし、そう考えられるなら絶対に1人になることはなく、仮に本当に世界でたった1人になったとしてもわたしという友だちが一緒にいてくれるのです。
自分が自分の友だちである、という視点を今まで持ったことがなかったわたしにとってこのブタさん的な思考はすごく新鮮、かつめちゃくちゃアリだと思いました。
他にも、
と言って、ブタさんは友だちとしてのわたし(=自分)を大切に扱います。
面白い本を読んであげ、歯を磨き、お風呂で身体をキレイにするのです。
通常、本を読むのは「自分が読みたいから」が理由だと思いますが、大切な友だちのために何かするというこの感性を持てたとしたら、普段の何気ない生活・行動もとても意味のある良質なものになるのではないでしょうか。
最後に、ブタさんはこんなことを言います。
はい!まったくもってそのとおり!すてきです!最高!!
他者を愛することは大切です。
ただ、何よりもいつも一緒にいるわたしを愛すること、これが1番大事なのだということをブタさんはにこやかに、そして軽やかに教えてくれます。
絵はポップで可愛らしく、優しい言葉が短く散りばめられているので、子どもに読み聞かせる絵本本来の役割は十分に果たしてくれます。
そして、どんな自己啓発本にも敵わない自己肯定感の上げ方をブタさんが優しく授けてくれます。
ふとした時に読み返しブタさんに元気をもらいたいと思った良書でした。
では、また!
▼ 今回ご紹介した本