手に入れたレコードが可愛いので紹介する【第2回】
クラシックレコードの醍醐味は沢山あるけれど、探していていちばん楽しいと感じるのは、知っている曲や知っている演奏者の録音であっても、どんなデザインのジャケットに出くわすかは全く予想が付かないところ。
前回に引き続き、今回もデザインの素敵なクラシックレコードを3つほどピックアップして紹介しようと思う。ジャケットベースでの紹介なので録音にはあまり触れていなくて、あくまでもソフトではなくハードの(?)紹介だと思っていただければ。
1枚目はベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。フランスのヴァイオリニスト、ジノ・フランチェスカッティが独奏をつとめている。黄色い背景に赤の帯の構成が、一昔(どころではなくかなり)前のハリウッド映画のポスターのような佇まいをしているし、弦楽器の弦と駒をあしらったデザインにも一目惚れをした。それにフランチェスカッティの名前を全面に押し出しているのが面白い。そりゃ独奏だけれども、パッと見では何の曲なのかも誰の指揮なのかもあまり分からないじゃないか。それだけフランチェスカッティの名前を出す方が売れたということなのかな。そして重量盤レコードの重いこと!このレコードがいちばん持って帰ってくるのが大変だった。
レコードの音源が配信にあったので載せておく。しかも2021年にリマスターされている。ジャケットの色味はかなり違うけど、もしかしてレコードの方は僕の手元に来るまでの間に色褪せたのだろうか。ちなみにフランチェスカッティはこのベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を10歳のときにすでに演奏していたよう。オーマンディ指揮のこちらとは別に、ブルーノ・ワルター指揮で共演したものも録音があるそうなので、聴き込んでから探してみたい。
2枚目はストラヴィンスキーの『春の祭典』『ペトルーシュカ』。先ほどのベートーヴェンと同じくオーマンディの指揮するフィラデルフィア管弦楽団。「春」の祭典なのにやたら秋っぽい配色だなあと思ったけど、これは衣装の色合いに合わせているのだね。ちゃんと顔まで書いてあるのが可愛くて、これはほぼジャケ買いと言って良い。ストラヴィンスキーは結構好きで『ペトルーシュカ』はこのレコードを含めて3枚あるけど、『春の祭典』を手に入れたのはこれが一枚目だった。ちなみに『春の祭典』の解説は、この動画が面白くてわかりやすかったので載せておく。
こちらも配信されている音源があった。『春の祭典』は第一部と第二部でそれぞれまとめて一つのトラックにするスタイル。ストラヴィンスキーの不協和音には独特の中毒感がありますね…
3枚目はワーグナーの楽劇の序曲集。Vorspiele zu opern von Richard Wagner が「ワーグナーのオペラの序曲」だと分かるくらいの程度のドイツ語力。序曲なのでオペラが始まる前、ということで舞台の幕が下りているデザイン。同じ作曲者の曲が収録されたレコードは、その人の肖像画やあるいは指揮者の写真が使われたりするものが多いけれど、序曲であるところに注目して幕を使用するアイデアが良い。ワーグナーの人間性は一切好きになれないので、肖像画のジャケットだったらよほど貴重な録音ではない限り買わないかもしれない。
シュターツカペレ・ドレスデンとはドレスデンの歌劇場(ゼンパー・オーパー)専属オーケストラのことで、リヒャルト・シュトラウスのオペラを初演したり、1843年から1848年までワーグナーが首席指揮者をつとめていたりと、かなり歴史のあるオーケストラ。収録曲は違うけど、ゼンパー・オーパーの華やかなホールがジャケットになっている序曲集を載せておく。
今回もレコードコレクションの一部を覗いていただきありがとうございます。この特集は僕の持っているレコードが尽きるまで続けていくつもりなので、次回も読んで貰えると嬉しいです。
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