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【生成AI入門】ビジネス活用例、やってはいけない4つのこと

皆さまこんにちは。2020年に新卒として株式会社コンピュータマネジメントに入社し、Webマーケティングを担当している入社4年目のMです。

前回記事では、従来のAIと「生成AI」の違いや、生成AIの種類および代表的なサービスについてお伝えしました。

・「従来のAI」と「生成AI」の決定的な違いは、「AI自身が新しいオリジナルコンテンツを生成できるか否か」にあること
・生成AIの種類には、「テキスト生成」「画像生成」「動画生成」「音声生成」の4つがあること

今回は、前回記事では書ききれなかった「生成AIのビジネス活用例」と、「生成AIでやってはいけないこと」についてご紹介できればと思います。


生成AIのビジネス活用例

生成AIは、業務効率化やクリエイティブ業務のサポートなど、アイデア次第で様々なビジネスシーンに応用することができます。

ここでは、生成AIの具体的なビジネス活用例を6つご紹介します。

キャッチコピー作成

商品やサービスのキャッチコピーが思い浮かばない時は、テキスト生成AIにアイデア出しをお願いしてみましょう。

自社商品・サービスの特長を生成AIに伝えるとともに、複数の案を提示するようプロンプトに入力すると効果的です。

生成AIが提案してくれたキャッチコピーの案をベースにして、人間の手でよりブラッシュアップすれば、ゼロからアイデアを考えなくても、短時間で質の良いキャッチコピーが出来上がります。

ChatGPT-3.5

外国語の翻訳や長文の要約

テキスト生成AIは、翻訳や長文の要約も得意です。

外国語で書かれた文章を入力して「日本語で短く要約してください」と指示すれば、翻訳に加え長文の要点をくみ取ってコンパクトな文章にまとめてもらえるので、情報収集や調査が効率的に行えます。

ただし、出力された情報に誤りがないかどうかは慎重に検証することが大切です。

ChatGPT-3.5
Bing AIチャットなら、指定されたURLに直接アクセスして翻訳・要約が可能

プログラムのコード生成やデバッグ

テキスト生成AIでは、プログラムのコード生成やデバッグを行うこともできます。

コードを新たに生成する際は、どんな動作を実現したいのかできるだけ詳細に入力すると、コピペするだけですぐに使用できる精度のコードを生成してくれます。(※生成内容によっては修正が必要な場合も)

ChatGPT-3.5で、マウスホバー時に画像が少し透明になるCSSを書いてもらう
試してみたところ、実際に動いた

また、記述済みのコードが動作しない時は、「原因を教えてほしい」と指示するだけでコードの誤っている部分を指摘してくれるため、デバッグにも役立ちます。

ChatGPT-3.5で、C言語のコードレビューを依頼

データからの傾向分析

ExcelやCSVなどに入力されたデータなどをテキスト生成AIに貼り付ければ、その内容を細かく分析し、傾向や特徴を説明してもらうこともできます。

試しに、アイルランド発のアクセス解析サービス「StatCounter」が公表している世界のブラウザ市場シェア(2022年9月 - 2023年9月)のCSVデータをChatGPTに貼り付け、分析をお願いしてみました。

出典:Browser Market Share Worldwide Sept 2022 - Sept 2023(StatCounter)

各ブラウザのシェア率とその変動について詳細に分析してくれているほか、最後には総括も書いてくれており、データの傾向や特徴が瞬時に把握できるようになっています。

デザインのラフ案作成

画像生成AIでは、入力されたキーワードから全く新しいオリジナル画像を作り出すことができます。

新しいデザインのラフ案を画像生成AIに作ってもらい、人間の手でさらに完成度を高めていけば、白紙の状態からデザインの方向性を考え始めるよりも具体的なイメージが湧く分、作成にかかる時間やコストを削減できます。

試しに、「人間と仲良くしているAI」というテーマで、Microsoftの画像生成AI「Bing Image Creator」と、Canvaの画像生成AI「Text to Image」に作成をお願いすると、10秒ほどでそれぞれ4枚の画像を生成してくれました。

Microsoftの「Bing Image Creator」
Canvaの「Text to Image」

ただし、生成AIが作成した画像を自身のコンテンツに利用する場合は、他の作品の著作権を侵害していないか、しっかりと確認することが大切です。
類似した作品を見かけた場合は、使用を控えるようにしましょう。

会議音声の文字起こし

「Whisper」などの文字起こしAIに、会議の内容を録音した音声データを入力すると、音声の内容を自動的にテキスト化することができます。

Whisper:
OpenAIが開発した、音声認識モデルを活用した自動文字起こしAI。
2022年9月からオープンソースとして無料で一般公開され、日本語や英語などの音声を精度高く文字起こしできるツールとして知られる。

議事録やインタビュー記事の作成など、これまでは音声データを聞き返しながら手動で文字起こしを行っていた作業を自動化できるため、業務効率化にはうってつけです。

生成AIでやってはいけないこと

生成AIは便利なツールですが、使い方を間違えると思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。

ここでは、生成AIを利用する際に「やってはいけないこと」を4つまとめました。

NG①:生成AIの回答を鵜吞みにする

生成AIは完璧ではありません。

真偽が定かでない情報や、市場の現状・トレンドに即していない古い情報、倫理的に問題のある表現や差別的な思想が含まれる情報が出力される場合もあるため、回答内容は必ず人間が最終チェックを行い、必要に応じて調整を加えることが大切です。

NG②:著作権に抵触するコンテンツを使用する

特に、画像生成AIや音声生成AIにおいては、著作権に細心の注意を払うようにしましょう。

著作権に抵触しない全くオリジナルのコンテンツを生み出す分には問題ないものの、あるイラストレーターが作成したイラストを無断でAIに学習させ、似たような絵柄の作品を量産するような行為は、著作権に抵触するため絶対にしてはいけません。

NG③:企業秘密や個人情報を入力する

企業秘密や個人情報といった機密情報を生成AIに入力すると、第三者に漏えいしたり、AIの学習データとして二次利用されたりするリスクがあります。

そのため、機密情報を含むデータを取り扱う場合は、生成AIのプラットフォーム側へのデータ提供をオプトアウトするか、法人向けのプランにグレードアップして、セキュリティ上安全な環境で利用するようにしましょう。

NG④:悪意のあるコードや文章を生成する

当たり前のことですが、生成AIの高度なテキスト生成能力を悪用して、フィッシングメールの文面を作成したり、システムの脆弱性を突くようなサイバー攻撃用のプログラムを生成したりしてはいけません。

生成AIは倫理的・道徳的判断力を持ち合わせていないので、人間側が良識に基づいて適切に生成AIを使いこなしていく必要があります。

まとめ

今回は、「生成AIのビジネス活用例」「生成AIでやってはいけないこと」についてお伝えしました。

生成AIは、業務効率化やクリエイティブなコンテンツ制作を促進するための便利ツールとして、昨今様々な分野で注目を集めています。

その反面、偽情報の拡散や機密情報の漏えい、著作権侵害といったリスクも持ちうることから、生成AIの出力内容をビジネス等に活用する場合は、良識のある使い方を心がけたいところです。

それでは今回はこの辺で。次回のnoteもお楽しみに!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!


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