『いつか月夜』寺地 はるな
しんとした静けさの中に温かみを感じる作品だった。
主人公は印刷会社に勤務する實成冬至。
亡き父が生前何度も口にしていた「善く生きろ」の言葉をモットーにしつつも、そうなれない自分と葛藤している。
私も善人でありたいと思いながら、なれない自分に苦悶しているので共感しかなかった。
ひょんな事から始まった夜の散歩。
深夜の散歩メンバーは一人、また一人と増えていく。
この距離感が絶妙で互いを尊重している感じがいい。
皆、何かしらの不安や悩みを抱えているけれど誰かが傍にいる事が支えとなる。
自身を見つめ直す啓発本のような優しい作品。
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