思い込みでもいいから、「好きなこと」にぶつかってみる/編集者の言葉#18
浅井茉莉子さんといえば、又吉直樹さんの『火花』や、村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を担当された編集者です。この言葉は浅井さんが、就活生が読者対象のインタビューで語った言葉の中にある一節です。
好きではじめた仕事なのに、思い通りにいかない。「好きだ」というのと「向いてる」というのは違うのだろうかなどと、後ろ向きな思いがさらに後ろ向きな思いを呼んで、つらくなってしまうことが誰にでもあります。
そんなとき浅井さんのストッパーになっているのが、おそらく「(この仕事を)好きでいたい」という気持ち。とはいえ「好きでいたい」という気持ちには、後ろ盾になるものが必要です。
だからこそ、浅井さんは思い込みでもいいから、そのとき好きだと思えることにぶつかっていきます。
そこで得られる気づきは、おそらくさまざま。
「やっぱり、自分はこそ仕事が好きだ」なら、ますます仕事が楽しくなるでしょうし、「やったことはなかったけれど、案外好きかもしれない」なら、仕事の幅が広がったり、新たな方角に興味が向いていきそうです。
そうやって自分の「好き」を確認して、「好きでいたい」という意志を持ち続けることで、今日までやってこられたと浅井さんは言います。
ところで、いまの若い方のなかには「自分のやりたいことがわからない」という方もたくさんいます。「思い込みでもいいから、やってみる」は、そんなときにも有効です。
もし1ミリでも、好きかもと思うことがあったら即座にやってみる。「これは好き」「これは苦手」。何度もやっているうちに、自分がやりたいことと、そうでもないことが見えてきます。
そのうえで、就活や転職、或いは異動願いや、思い切って起業をすれば、「こんなはずじゃなかった」という可能性を下げることができるでしょう。
「好きを仕事に」が大事だと思ってきましたが、その仕事を続けていくには「自分がその仕事を好きであり続けられるかどうか」という意志が大事なんですね。浅井さんの言葉に「好きであり続ける」という意志の大切さを学びました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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