魅力あるコンテンツは「事実×文脈」で生まれる!/編集者の言葉#25
はじめまして。そして、いつも読みにきてくださってありがとうございます! 今回は株式会社インフォバーンの創業会長であり、雑誌「WIRED」日本語版の創刊編集長、そして雑誌「サイゾー」の創刊にも携わった、小林弘人さんの言葉から、編集者という仕事のヒントを学んでいきたいと思います。
「文脈づくり」こそが編集者の仕事
小林さんの述べるように、価値を揺さぶり、価値を変えていくにはどうすればいいのでしょう。
書籍にしても、Webや雑誌の記事にしても、事実と重ね合わせる文脈づくりをしっかりやることです。
文脈とは「社会の文脈を読む」などと使われます。つまり、物事の筋道や脈絡、背景のことです。世の中には情報があふれていますが、事実だけ発信しても読者の印象には残りません。だからこそ、読者の共感を呼び行動を促すような文脈づくりが必要なのです。
それがつまり、小林さんの述べる「新しい価値を発見する旅、提案する旅」なのだろうと理解しました。
そのためには、人よりも多く情報を入手しておくことが必要だと、小林さんは述べています。そこで必要なのは好奇心と観察力です。
観察力といえば、コルク代表の佐渡島庸平さんが「クリエイターにとって重要な能力」としてあげていました。
こうした観察力を持ちインプットの質を高めながら、感性を高めていくとアウトプットの質が圧倒的に変わっていきます。
「なんでも面白がれる力」の重要性
好奇心についてはまさに小林さんが述べる通りで、『なんでも面白がれる力』が必要です。
私は編集者をやる前は、求人広告やスクール広告の制作をやっていたのですが、このときさまざまな業種のコピーライティングや制作ディレクションを経験しました。
そのおかげで好奇心が鍛えられ、編集者になってからも「守備範囲の広い編集者」として仕事をすることができ、フリーランスになってからもすべてを面白がる好奇心が役に立っています。
ところで、上記の言葉は株式会社インフォバーンさんのこの記事を拝読して、「これは面白い」と思って皆さんにシェアしたくご紹介したものです。
小林さんは、この勉強会で編集者にとって大事なことをもうひとつ述べています。少し長いですが、引用しますね。
クリエイティブの現場では、さまざまなハプニングが起こることがあります。このとき慌てずに、その現場をどう活かせるかを考えるかが大事です。
その人の「いちばんいいところ」をいかに引き出すか
そして、編集者とは、基本的にその人のいちばんいいところを引き出して、最高の結果を導き出すのが仕事です。
たとえば、ライターさんでも編集者さんでも「なんでもやります」という人がいます。仕事をお願いする立場としては、「といわれても……」と困ってしまうことがありませんか?
その場合は、なかでも特にその人が得意なことを、私ならお願いします。あるいは「浅く広く知っている」という「素人感覚からの視点」を活かした案件をお願いすることがよい結果を招くでしょう。
私の場合もビジネス書から小説まで手がける分野は広いです。
しかし、いちばん自分の力を活かせるのは「読む人を優しい気持ちにさせる本」だと思っています。
ですからエッセイにしてもビジネス書にしても、「読む人が元気になる」「優しい気持ちになる」内容の書籍であれば、俄然やる気がふつふつと湧いてきます。
以上をまとめると、次の3つになります。
編集者の存在意義とは、ユーザーが持つ価値観を揺らがせる文脈づくり
そのためには、観察力と好奇心を駆使して幅広く情報のインプットが必要
著者やクリエイターのいちばんいいところを引き出すのが編集者の役割
以上、小林さんの言葉から感じた編集の要諦について考察してみました。最後に、記事を参考にさせていただいた株式会社インフォバーンさんに、お礼申し上げます。
「編集者の言葉」シリーズで人気のある記事を挙げておきます。よかったらご覧いただけると嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
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