【創作短歌まとめ】11/3~11/9
11月に入り、年末に向け忙しくなってきましたね。こんにちは! 生きづらい社会の中で、心がスッとラクになる「言葉のお守り」をお届けするつくだ@書籍編集×作家です。
今週もX(旧Twitter)やネットの歌会サイト「うたの日」などで短歌を詠みました。よかったら、楽しんでいってくださるとうれしいです(お題の横の数字は、「うたの日」に歌を投稿した結果です)。
11月3日(日)
お題「来」 ♪1
時は来た げに衰えし輩は
(完)と綴るもペンをば置かん
老作家が長年を費やして書いた作品を脱稿した瞬間の心情を描いた歌です。
「輩」はやつがれと読みます。現在ではあまり使われていない言葉ですが、輩とは自らの呼称です。「余」や「小生」などに比べると、少し砕けた呼称で同時に少し傲慢なイメージを与える言葉です。
衰えはすれどもなおも精力的に執筆をつづける気難しい老作家、そのイメージに「輩」という呼称はぴったりだと当初は「輩」にしていました。しかし発表する段になり、言葉の意味がわかってもらえないのではないかと気になり、最終的に「老いぼれ」に変えました。
ですが、いま振り返って考えてみると、「老いぼれ」と「輩」はニュアンスがまったく違います。「輩」とは傲慢ではあるかもしれませんが、老いぼれてはいません。しかも「老いぼれ」に変えたことで「衰えし」と意味が重複してしまい、言葉のリズムも悪くなってしまいました。
そこで、このnoteに公開するときに元の「輩」に戻しました。
11月4日(月)
お題「繕」 ♪2
絆をも繕うことができるのは
君の笑顔とまっすぐな夢
とびきりの笑顔とまっすぐな夢をもっていれば、ほころびた絆も繕うことができるんじゃないか。そう思って詠んだのがこの歌です。自分が繕うとすれば何を繕うだろうと考えて、絆を選びました。
11月5日(火)
お題「々」 ♪2
酉の市 将来の夢かたりては
人々の福 熊手にあつめて
毎年11月の酉の日に関東地方を中心に、全国各地で行われているお祭りが酉の市です。商売繁盛を祈願し、主に鷺神社や大鳥神社で行われています。神社の境内に飾られている大きな熊手や賑やかな出店を思い浮かべるかたも多いのではないでしょうか。
11月5日はちょうど一の酉でした。そこで、酉の市をテーマに詠んでみました。友とともに夢を語り商売繁盛を祈る。それは楽しいものです。そんなしあわせなイメージが伝わると幸いです。
11月6日(水)
お題「夢」 ♪5
「夢でよかった」「夢ならよかった」
思い決して目をあけてみる
月曜日から「夢」が続いていますが、今回の夢はちょっと怖い夢です。はじめに浮かんだのは「夢でよかった」「夢ならよかった」という相反する言葉。それを頭の中で転がしているうちにサスペンス・スリラー映画みたいな歌がおりてきました。
真夜中あなたが目を覚ました先に見える景色は、どっちの景色ですか?
11月7日(木)
お題「寓話」 ♥1 ♪5
枕元 母が寓話を読みおりて
子が眠る前に母は寝落ちぬ
昨日が少し怖い歌だったので、心温まるしあわせな情景を詠んでみました。
子供を寝かしているつもりが、先に寝落ちしてしまう。ありますよね~。
11月8日(金)
お題「北」 ♪4
北風が山茶花あかく花垣を
ゆらし花散り大地をば染む
「冬の季節で美しいものって何かな」って考えたときに真っ先に浮かんだのが山茶花です。あかい山茶花の生け垣ってきれいだなと思って詠んだのがこの歌です。
11月9日(土)
お題「車」♪2
東京へ深夜バスにて車中泊
走るリズムに夢うつつかな
深夜バスというと、なんとなく青春のイメージがあります。そこに東京に向けて深夜バスで向かう人を登場させて、夢へと向かう人のために詠んでみました。下の句の描写をイメージしながら読むと、夢みることのしあわせさが伝わってきます。
今週は、7首発表できました。
自作3000首チャレンジ16日目
発表した歌229首
3000首まであと2771首
今週は、短歌の新連載をはじめたこともあって、
あまり数を詠むことができませんでした。
来週は諸事調整してがんばります。
新しいことに挑戦し、歌に磨きをかけつつも、詠むことを楽しみ、一歩ずつでも前に進んでいきたいと思います。
これからも、短歌を通して、皆さんの心に寄り添い、明日を生きる力となるような言葉をお届けしていきます。
この歌たちが、あなたにとって一つのお守りになってくれますように。
そして、みなさんにとって明日がよい日でありますように✨
皆さんのスキやフォローには、いつも励まされています。
本当にありがとうございます!
X(旧Twitter)のフォローもお待ちしています! https://x.com/toto_books
皆様にとって、「心の疲れを癒やし、再出発を応援する場所」と、このnoteがなりますようにこれからも尽力していきます。どうぞよろしくお願いします🙇
最後まで読んでくださりありがとうございました。
10月の自選5首をまとめています
現代短歌を千首読んで自分なりに読み解いていく新連載をはじめました
いま、こんなチャレンジをしています。応援していただけると嬉しいです
ちょっとサボり気味ですが、Xでこんな試みもはじめました
わたしの短歌の根本にある考え方を説明しています
短歌1カ月めの感想と言葉を紡ぐことについて考えたことを紹介しています
読書好き・短歌好きの方に向けて、いま私が注目していたり、読んでいる本についてまとめています。