ミィミたんのクロニクル〜性転換前夜、恋愛感情に絆され〜
急に思い出した。
それは2年前の秋のこと。
記憶が定かならば
2019年10月13日だったと思う。
当時ネットで出会って仲良くなっていた女の子と、
『会いましょう』って話になった。
わたしとしては、
絶対に不可能なもの以外は、
彼女の望みはぜんぶ叶えるつもりでいたので
彼女が会いたいというなら、
わたしの答えは
『会いましょう。』
わたしは東京に住んでいて、
彼女は地方在住。
こんどの冬休みに上京するから、
そのときに会ってください、
『会いましょう。』
そこまで答えたあとで、
『これ、どうすればいいの』────??
人生ぜんぶを
直感と成り行きだけで運営している
わたしとしては、
『彼女の望みはぜんぶ叶える』方針なので、
この場面でも、
断わるべき理由はない。
でもさ、、、、
これはいったい、どうしたら??
あたしは女の子としてネットデビューして、
この子と仲良くなって、
彼女のほうから
『会いたい』って
言ってくれて。
ふつうに考えて、
これは名誉なことだと思う。
彼女と出会ったSNSアプリで、
ふたりでたくさん話をして、
たいていは彼女が何か質問をしては
わたしが即答する。
何を聞かれてもだいたい即答できた。
かなり踏み込んだ話題も出たけど、
わたしとしてはすべて、
100%の本音で答えて。
だからね、
おどろくべきことに、
彼女に対してわたしは100%
『女性として通用していた』し、
そんな自分に、
わたし自身も驚いてもいた。
なのに、、、
直接会うって??!?
そうです。
この時点ではわたしは
ネット上では100%女性でも、
現実世界でのニンゲンとしての姿は
100%男性。
えーっ?どうしたらいいの??
この顔で彼女と会うのか??!?
『絶対に不可能なもの以外は』
『彼女の望みはぜんぶ叶える』
────その後の展開は、なかなかすごい。なにかの事故のような形で、なぜかお互いに告白した/されたかのような展開になってしまって。そしたら彼女『私は異性愛者です』『世の中にLGBTの人がいるのは構わないけど』『自分は断じてそうではない』とか何とか言って、一方的に絶縁宣言。
さすがにいきなり絶縁宣言なんかされたら、あたしもショックを受けるけど。同時に、
助かったぁε-(´∀`*)💦
それはそうだ。絶縁するなら、会う話も無くなるし、それであたしは『現実世界では男性』というサイアクの事実を彼女には打ち明けなくて済んだのだった。
『これ、どうしたらいいの??』
否、
────その話は勝手に無くなった!!!
それと同時に思ったのは、
ここまで彼女が強く拒絶するということは、
よほどの図星で、
なおかつ、
絶対に認めたくないことなんだろうな、ということ。
何が、って。
もちろん『女性を好きになってしまった』ことですよ。
もしくは、自分が女性同性愛者であることそのものを。
(※わたしに対して初めて感じる感情だったのか、それともすでに女性を好きになる傾向を薄々感じていたのかまではわかりません)
後から振り返れば、
この体験は重要だ。
彼女はわたしのことを
1ミリも疑うことなく
『女性である』と信じていて、
わたし自身も疑われる余地なく
『女性として振る舞う』ことができていた。
そうして、
いざ『会いたい』と言われて
『会いましょう。』と答えてしまったあとで
強く思ったのは、
この子と会いたがっているのは、
女性のわたしであり、
彼女が会いたいと望んでいるのも、
女性のわたしだ。
そのことはあまりにも明白だったので、
『じつは男性』だと打ち明ける、
という選択肢は無かったし、
せっかく『わたしは女性なのに』
現実世界で会ってしまうと男性としての姿が彼女の目に映ってしまう、という事実に、わたしはひどく追い詰められてしまった。
解決不能な問題が、
結果論から言えば勝手に解決してくれたので
彼女の一方的な絶縁宣言を聞いて、
むしろホッとした部分もあったのだが。
彼女があまりにも激烈に『わたしはレズビアンなんかじゃない』『女性同士で付き合うつもりもない』ということを(手紙で)熱弁するので、
わたしのなかでは生まれて初めて、
『レズビアン:女の子同士で生きてゆく』
という選択肢が生まれたのです。
後から振り返ってみれば、
これがあたしの『性転換前夜』だ。
『絶対に不可能なもの以外は』
『彼女の望みはぜんぶ叶える』
────彼女からすれば、わたしはもともと女性なのだから、わたしとしても、いまから性転換しまーす💖などと宣言することはできない。
とはいえ、
『彼女がわたしを女性だと思っているから』
現実に、
そのとおりになるために、
わたしは女性化を始めた。
女性化が進行中、ということを打ち明けることは一切できないものの。
女性化があまりにも急激に進展して、見える世界があまりにも急変してしまい、ほとんど気が狂いそうになっていた2020年10月。彼女は毎晩、話し相手になってくれた。
『女性として』わたしをこの世界に出現させたのは、まぎれもなく彼女であるし、
『女性として』生まれ落ちるため、もっとも過酷な時期を立ち合ってくれたのも彼女。
あたしは彼女に望まれて女性の姿になり、
だからこそ熱烈に彼女を愛している。
いま思い出すと、
話が出来すぎていてフィクションみたいだ。
もともと子宮と卵巣を保有していた、
ということも含めて、
『女性になる』ことに関して、
これほどまでに恵まれていた例は、
ほかに無いのでは??!?
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