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怜梨 欠
2021年12月13日 17:25
午前二時、息苦しさに目が覚める。 月明かりで満たされた、青い青い夜、 大好きな音楽が脳を焼き焦がして、 美しい思い出だけを狂ったように再生し続けるせいで、 僕の喉はくしゃくしゃに、 丸めた紙屑を飲み込んだみたいに、ざらついて、痛む。 痛む。 白い錠剤を、生温かい、水道水で、飲み下す。頭が痛い。頭が、重い。僕はいつからこんな人間になってしまったのだろうか。そう思い起こそうとしても、
2021年12月13日 00:59
つう、つつう、つう。 ハロー、ハロー。 こちら、しがない人間もどき。 聞こえますか。 僕はいま、成層圏二万マイル、 酸素と窒素の、海底にいます。 つうつ、つう、つう。 辺りはいちめん、夜のいろ。 タイヤの砂利を踏む音が、いたずらに鼓動を早め、 粘ついた吐息が戸惑いがちに、空へと昇る。 ええ、ここは、地獄です。 風も光も届かない、地獄の底でございます。