いつき、お弥彦様に会いに行く。
昨日は父と母を連れ出して弥彦周辺へお出掛け。
父は身体を壊してからというもの、外に出る事も困難になってしまった。
病気を起因にして感情や、それに伴う声の我慢が苦手になってしまった父を連れ出すのは、お店でも観光地でも人の少ない平日じゃないとなかなか難しい。
梅雨入りして生憎の空模様。
でも、
父の体調も比較的良くて、母の気力も残っていて、私も介助を助けられる平日。
このチャンスは逃せないと意気揚々と出発した。
元々は、私と同じで晴れた日には外に出るのが大好きな父だったから、今回のお出かけをとても喜んでくれた。
向かったのは私も行ったことが無くて気になっていた新潟市西蒲区にある『お杉バラ園』。
地域の方々が丹精込めてお世話をされていて、無料で開放してくださっているバラ園で、
時期にはとても美しいバラたちが楽しめると知り合いからもおすすめされていた場所。
成り立ちを聞くだけで、優しい空間なんだろうなぁと以前から行ってみたかった場所でした。
到着すると、しっかりとした駐車場。
清潔感のある身障者用トイレ、きれいな芝生の広場にはベンチのある藤棚があってとても素敵な場所だった。
地域の方々が作られていると聞いていたので、民家の畑やお庭的なものを想像していたので意外だった。
観光地として、市としても整備しているという感じのしっかりした公園だった。
世界の有名品種を揃えて、660種、1,350株が植えられていて、5月下旬~11月末頃まで順次咲き続け、訪れる人を楽しませてくれるそうです。
主な見ごろは、6月上旬・8月上旬・10月中旬ということで、今回はちょっとタイミングがズレていたようでバラはチラホラ。
でも、開花しているバラは少なくてもひとつひとつが可愛らしくて。
風が吹くと良い香りがしました。
長閑な場所で、トイレの心配もなく。
身体の不自由な父も、気兼ね無く自然を楽しめる場所だったので、またお出掛けの際には一緒に訪れたいと思いました。
本来は父もすぐに疲れてしまうので、バラ園のみで帰る予定だったのですが。
バラがちょっとしか咲いてなかったのと、外出が嬉しそうな父の様子にすぐに帰るのも勿体なくなり。
雨予報で諦めていた彌彦神社まで行ってみることにしました。
と、言うのも。
道中、今にも振りそうな空模様にもかかわらず、弥彦山に向かう途中にある大鳥居に向かうにつれて厚い雲に晴れ間が差して。
頭に厚い雲をまとった弥彦山がより神秘的に見えて、まるで弥彦の神様に親子で歓迎してもらっている気持ちになったからです。
そんな直感も背を押して、雨が降ったら帰れば良いと神社へ向かうことにしました。
大変ありがたいことに、弥彦駅の近くにある観光案内所では無料で車椅子を貸して頂けます。
以前もお借りしたことがあったので、今回もお借りすることにしました。
ただ、
弥彦神社は弥彦山の麓にあり、弥彦駅から表参道、そして彌彦神社の境内までは、中々の距離があり、その道中は緩やかな登り坂になっています。
健常者には何ともない道のりも、電動では無い簡易車椅子では中々ハードな道のり。
ひぃひぃ言いながら、時におじちゃんに
『頑張れよ!!』
と声援を貰いながら登りました。
おじちゃんありがとう、私頑張ったよ(笑)
こういう時、馬力の出せる逞しい我が身を有り難く思ったりします←
頑張って境内に到着して。
本来なら正面から入らなければ行けないところを、本来帰る道からお邪魔することを心の中でお詫びして。
きっと無礼も、小さい頃から見てくれてるお弥彦様なら許してくれると勝手に結論づけて、参拝させて頂きました。
彌彦神社は人生の節目節目で、親子で訪れた大切な場所です。
毎回、父を実際に連れて境内まで上がれるのは今回が最後かなと、そんなに気持ちがチラリと過ってしまう場所です。
だから今回も、
父と母とまた3人でその地に立ちたいという気持ちが強く、汗だくで根性出しました。
実際に、境内まで階段の無い裏道的な道を選んで遠回りして向かうにしても、アスファルトの継ぎ目や、傷んでひび割れた部分、砂利道や側溝を車椅子で超えるのは難しく。
父が車椅子から補助付きで立ち上がって、何とか少しの距離なら歩けるからこそ協力して行ける場所です。
年々、バリアフリー化は進んでいるようですが、実際に必要な身としては、まだ完全なバリアフリーとは程遠いという印象です。
今回も、実際に車椅子がハマってしまい困っているのに気付いて、手を貸して下さった優しい方がいらっしゃって本当に感謝でした。
身内が身体を壊す前の若い時、大阪城のエレベーターを見た時には、まず景観の面が気になってしまった事もありました。
今思うと、
人間、時を重ねる程に自分で再び見たい風景、大切な人に見せたい風景というものがそれぞれに生まれて。
その場に実際に立てることの喜び、というのはとても大きいものだと思います。
例え写真やTV映えしない、芸術面や歴史面での景観を損なうものであったとしても。
その場に時間とお金を使ってでも実際に足を運んで、その景色を見たいと望む人がいるならば。
例え、身体が不自由でもその場に行けるようにする。
そういう、バリアフリー化が進んでくれたら嬉しいと、強く思うようになりました。
そんな思いたちもあり、
彌彦神社を父と一緒に訪れられることは、毎回自分にとってとても価値のあるものになっています。
一緒に境内に上がれる身体の状態を保ってくれている父と、それを近くで献身的に支えてくれている母に感謝です。
今回も無事目的を達して、帰りは幾分楽な下り道です。
存分に、弥彦グルメとお土産物色を暇そうな父を横目に母と楽しみながら帰りました(笑)
雨の合間の今回の弥彦旅、
写真ではうまく伝わらないけど、雨に洗われたような澄んだ空気感と鮮明な山肌、立ち籠めた霧がいつも以上に神秘的な雰囲気を醸し出していました。
最後まで晴れてくれて、とても嬉しかった〜
運転と車椅子押すので体力使い切って、自宅に戻って即気絶状態。
翌朝まで寝倒したのでした(笑)
今回は、いつきがお弥彦様に会いに行った話。