[エッセイ]残飯で育った犬たち:昭和の犬の飼い方、本当に間違いなのか?
たかぎなおこの『うちの犬、知りませんか?』を読んで、昭和の犬の飼い方について考えさせられた。
著者であるたかぎさんは昭和49年生まれ、私が昭和59年生まれであるため、ちょうど10歳の年齢差がある。私も小学5年生から15年間、犬を飼っていた。その間の経験を振り返ることで、当時の飼い方が本当に間違っていたのか、自分なりの考えを整理してみたい。
たかぎさんの犬、ムクのように、私が飼っていた犬も外飼いであり、主食は残飯だった。確かに、現代の基準から見れば、犬に残飯を与えることにはリスクが伴う。
特に、中毒や塩分過多など健康への影響が懸念される。しかし、残飯だからといって「悪」と決めつけるのは果たして正しいのだろうか。実際、私が飼っていた犬は長生きし、元気に過ごしていた。たかぎさんのムクだって、そうだ。
犬にとっての幸せとは何なのか、今一度考えてみたい。
現在では、ドッグフードが犬の主食とされるのが一般的である。しかし、ドッグフードだけを与えられている犬が本当に幸せなのかは疑問だ。
もちろん、犬の健康を守るために栄養管理は重要だが、果たしてそれがすべてなのか? 犬は元々雑食性の動物であり、さまざまな食材を摂取することが可能である。残飯を与えることも、犬にとっては一つの食文化であり、必ずしも「駄目」とは言えないのではないだろうか。
また、外飼いについても考える必要がある。現代では、犬は室内飼いが絶対とされているが、その基準は都会の住宅事情に由来しているのではないか。
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