[エッセイ]「あの世」って、どんなところ?ー水木サンと私
私にとって水木サンは、物心がついたときから知っている身近な存在だった。
水木サンの作品と初めて出会ったのはおそらくアニメ版の「ゲゲゲの鬼太郎」第3シリーズ、80年代後半に放送されていた、いわゆる「3期」だったと思う。1984年生まれの私にはこの頃の記憶は薄いが水木サンワールドに魅了されていたのは確かだ。
私が幼い頃に使っていた枕の柄が鬼太郎だったのを覚えている。青を基調とした明らかに男児向けのデザインだったが、それを私は気に入っていた。
他にも覚えているのは、鬼太郎の迷路の絵本も持っていて、何度も飽きることなく読み返していた。
幼少の私は、妖怪の世界に魅了され、鬼太郎とその仲間たちをどこか頼もしい存在だと感じていたのかもしれない。家族から聞いた話では、当時の私は妖怪のことを「おーさん」と呼び、少し恐れつつも、どこか親しみを持っていたようだ。ちなみになぜ「おーさん」なのかは不明だ。
水木サンといえば「あの世」や妖怪の世界を描くことに並々ならぬ情熱を持った人物だ。その影響なのか、私も幼い頃から「あの世」への興味を強く抱いていた。
死後の世界や人の生死に関する問いが頭を離れず、子どもなりに「あの世とはどんな場所なのか?」と考えを巡らせることがあった。そしてその思いが強すぎたあまり、ある時、自分の首を締めて「あの世」に行ってみようとしたことがある。
我ながらアホとしか言いようがない行動だ。幸いなことに、ただの好奇心からだったため軽く首の皮膚を傷つけた程度で済んだが、その経験は今でも鮮明に覚えている。
子どもの好奇心とは時に大人が考える以上に危険な行動に繋がることがあると痛感する。
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