ポエム「想い出の四季~秋」
🖊【晴天の樹々の間に燃ゆる秋】
🖋【君想う片割れ時の天空に星の瞬き残光に映え】
貴方は、御忘れになられたでしょうね
季節の終焉を迎えようと
山々が秋の彩りを装い
通り抜ける風は
最後の温かさを含む
落葉の山道を行く
滑りそうな坂道では
貴方は手を差し伸べ
気遣ってくださいました
あの時の手の温もりは
未だ忘れがたく
愛しく思い出します
冬の陽射しは仄暖かく
貴方の眼差しのようでした
心は貴方に寄り添い
歓びに溢れていました
夜は、暖炉で燃える
炎の舞いの美しさを眺め
一晩中、寄り添い
毛布に包まり朝を迎えました
早春の山道はひんやりと
歩を進める道端には
様々な山野草が咲き始め
菫を見付けて歓ぶ私を見つめる貴方
貴方は何時も微笑みの
眼差しを注いでくださいました
写真嫌いの私を御存じでしたのに
山ツツジを背景に撮影されましたね
あの写真は如何されましたかしら
処分されましたか、良かった…❗
夏の終わりの片割れ時
夕凪の砂浜を歩きましたね
あの時、貴方は
遠く水平線を望みながら
密かに吐息をつかれました
貴方の横顔からは何故か
哀愁とは別のものを感じ取り
不安が過る私でした
幸せな日々は
貴方の心に招じた誤想により
別れが訪れて...
貴方の最後の言葉は
「御幸せに❗ でした
それは無情な響きを含み
心深くに突き刺さる棘となり
傷ついた心から滲みだした血は
涙と変わり流れて行きました
そして今、晩秋の風は冷たく
湖面を渡る風は
急かすように小波をたてる
私は新たなる決意を胸に
渡り鳥の如く旅立ちます
さようなら!の言葉もなく...
立ち去られた貴方は今.....
さようなら! 愛しい貴方.....
🖋【君はいま何処におわす 思い出の姿おぼろげ 残照に消え】
🖋【思い出は夜の帳に秋侘し】
以前、別のSNSで4年前に投稿致しました
【若き日の思い出詩集】の中の一つ。
前年の秋から翌年の秋までの恋を描いた作品で
加筆修正したものです。
最後まで、有り難う御座いました。