終わりの始まり

さあ、明日から３学期の授業が始まります

人が集まって　集団をつくると
不思議なことに、
目になる人
口になる人
耳になる人
手になる人
細胞になる人、
教室全体が　まるで
一匹の　大きな生き物のようになる

１学期のはじめ、
わたしが行く　４つの教室は
まだ、正体知れない巨獣
一応のコミュニケーションはできるけれど
その表情は　遠慮しているようであり
その発言は　突然の吠え声のようであり
わたしはおそるおそる
鼻先に　手を差し出してみる

２学期のはじめ、
正体知れない巨獣は
それぞれの個性を
のびのびと表現して
人なつっこい巨獣となる

巨獣Aは　素朴で素直。
なんにも知らずに
授業にやってきたわたしに
扉の後ろから、
「わっ！！」
子どものような親しみやすさで
つきあいやすさ

巨獣Bは　ワイルドで元気。
授業開始直前の教室は　もはやジャングル
ぐちゃぐちゃのゴミ箱
お弁当のおいしいにおい
ターザンの雄叫び
机を鳴らしての　追いかけ合い
やれやれ　声が届かないよ。

巨獣Cは　クールでスマート。
やることは正確かつ緻密
字がきれいで　口数少なめ
顔にはあまり　出ないけど
聞いていなさそうで　ちゃんと聞いている
テストの誤植は　素早く指摘。　（すいません！）

巨獣Dは　おしゃれでダイバーシティ
学年一賢い人もいるが、学年一アウトローもいる
女子も複数人　
おしゃれなのに　坊主の野球部？
凸凹だけど　なぜだかちゃんと１つの教室

さて、３学期……。
３学期は、別れの予感

１月はもちろん、２月、３月も
さらさら過ぎていくでしょう。

３月なんて　学年末テストも終わっているから
ふつうに授業はないですね

そしたら、その後は？

みんなはとっても若いから、
高校の、それも公共の、それも非常勤の教員の授業なんて
全部忘れてしまうかな？

「さみしいね？サッちゃん　♪」。

バナナとか、試合の前とか、食べていそうだしね？
絶対全部食べるんだろうけどね。