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【少年少女発明クラブ応用コース】本日の工作は「天体望遠鏡(ケプラー式)」

4月からオリジナル工作に取り組んできた応用コース(小学校5-6年)は,9月末~10月初めの発明くふう展への出展と見学で前半の活動を終えた。

今日(10月5日)から来年3月までは,指導員が用意した様々なテーマに取り組む。その第一弾は「ケプラー天体望遠鏡(倍率=17)」の工作。上の見出し画像は私が予備的に作ったものと,今日,子供たちを指導しながら一緒に作ったもの。

本来なら,レンズや筒(厚紙)などは100円ショップで買うべきところ。新しいテーマのため準備が間に合わず,通販でキットを調達した。

発明くふう展で頑張った子供たちへ,私からのささやかなプレゼント。予算管理で苦労している事務局のAさん,ゴメンなさい。来年から安く作ります。

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今日の工作は,凸レンズを2枚使ったケプラー天体望遠鏡の原理の講義からスタートした。その原理や工作手順についてはHPや動画サイトなどで簡単に見ることができる。以下の説明はそれらを参考にしたので,私のオリジナルではない(引用先は多数のため省略)。

一般的に,手元にあるものを拡大して見るときは拡大鏡を使う。それは中心部がふくらんだ凸レンズで出来ているのは誰でも知っている。

ただし,拡大した像が見えるのはレンズに近いエリア(焦点の内側)だけで,遠くを見ると上下・左右が反転した小さな像が見える。これは家にある拡大鏡を使って確かめることができる。

この凸レンズの二つの性質を使うと望遠鏡ができる。ケプラーは1611年に自身の著書「屈折光学」でそれを紹介した(下の図)。

ケプラー望遠鏡は凸レンズを2枚使う。一つは遠くの物体(図のA)を焦点の近く(図のB)に結像させる対物レンズである。物体からの光はレンズでクロスするので上下・左右が反転する。

もう一つの凸レンズ(接眼レンズ)を像Bから焦点距離の内側に置くと,近くのものを拡大した像(正しくは「虚像」)C を見ることができる。

つまり,対物レンズで反転した像を作り,接眼レンズでそれを拡大して見ている。前述の凸レンズの二つの性質をうまく利用していることが分かる。

ちなみに,ガリレオは像が反転しない望遠鏡をほぼ同時期(1609年)に発明している。

望遠鏡の倍率は二つのレンズから像を見たときの角度の比 θ2/θ1 で定義される。点Bの像の高さを h とすると,h≒θ1・f1≒θ2・f2 となる(扇型の弧の長さの定理)。よって,倍率 θ2/θ1= f1/f2 となる。

中学1年で習う内容なので子供たちの理解度は今一つだったが,今日は全員出席でみんな最後まで完成できた。今年度後半の最初の工作が無事に終わったので,それで良しとしよう。

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ところで,発明くふう展の優良賞の2作品は全国発明くふう展の県代表に選ばれた。一人は去年も全国大会に出展した。

ご両親の驚きと喜びは如何ばかりか?

少しだが,それをサポートできたのは望外の幸せ。自分の落選(まだ言っている!)など,どうでもよくなった。

全国大会の申込書には小学校の担任と校長のサインが必要。それらの教員が発明工夫というマイナーな活動を理解してくれることを切に願う,,


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