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安全な場所ではなく、行きたい場所へ〜『グリックの冒険』を読んで〜
『冒険者たち』を読んで面白かったので、同じシリーズの1作目『グリックの冒険』を読んでみました。『冒険者たち』はシリーズの2作目になります。時間軸は2作目→1作目です。
ちなみに、『冒険者たち』の感想はこちら。
内容
飼いリスのグリッグは、あるとき鳩のピッポーから北の森で自由に暮らすリスの話を聞き強い憧れを抱く。ドブネズミのガンバに助けられ、動物園で知り合ったリスの「のんのん」と一緒に北の森を目指す!
居心地が良い。でも……
動物園のリス達が冒険の話には興味を持つけど、冒険しようとはしない。なんなら足を引っ張ったりもする。これは人間世界か!?と思うくらいリアルでした。危険を冒さないようにという、無駄な親切心と自分が影響されたくないという葛藤が根本にあるかも。あとは、したいことを封印してるからストレス溜まっているのも挙げられるな。
ぐっときた「のんのん」がお母さんから聞いた一言。
そこには、危険もたくさんあるけれども、そのかわりに自由があり、冒険があるって。その二つがなければ、どんなに食べ物がたくさんあったって、ほんとは生きていることにはならないんだって、そういったのよ。
自由と冒険はセットなんだなとしみじみ。食べ物ないと生きていけないけど、食べ物だけあっても満たされないんだよね。これって一歩踏み出そうとしてできないのに似ているかも。
みんながみんな冒険しなくても良いけど、他の人の足を引っ張るくらいストレス溜めるなら動いた方が良いかも。とりあえず、人間である以上グリックよりは条件は良いと思います。(比べるとこじゃないけど)
ガンバが良い
今回も思ったけど、ガンバが人間だったら彼の部下になりたいです。すごく勇気があって周りを見てフォローする、でしゃばらない、理想の上司です。そんでもって論理的に物事を進めるので勉強になります。でも、あくまで人間だった場合ね。ネズミは無理……。
『冒険者たち』のあとがきで「ガンバの物語」を書いてほしいとリクエストがたくさんあったとあり、わかるな〜と思いました。少しの出演(?)でも存在力すごかったもん。リクエストの中には、「先生が書かないなら、自分が書く!」といった脅迫めいたものもあったそう。その子が作家してたら面白い。
まとめ
改めて児童文学は、子どもだけのものじゃないなと思いました。なんなら、ビジネスにも応用できるのでは?と感じます。この本は厚めで字も小さいので大人向けのボリュームです!迷って答えを出せない人はこの本を読むとヒントがもらえると思います。