【医療コラム】 男子校出身の医学生のトンデモおしゃれ
私は中高一貫の男子進学校に通っていました。そのため、平日は制服で、休日は適当に着られる服があればいいと思っていたため、特に服装には気を遣っていませんでした。しかし、大学生となるとそうはいきません。大学には制服がないため、毎日私服で登校する必要があるからです。
■「これで明日からお洒落に」
ブランド店で買いあさったものの…
大学に入学し構内を見渡してみると、みんながとてもお洒落に見えました。私はどこで服を買っているんだろうと考え、いわゆる「お洒落な洋服が買える」とされるブランド店やセレクトショップに行ってみることにしました。そして店員にすすめられるがままに、服を買い集めました。これで明日からはお洒落な自分になれる…そう思い、親から送られた大事な仕送りを洋服につぎ込んだのです。
しかし、買った服を家で改めて見てみると、それほどいいようには見えません。お店ではお洒落に見えたのに。実際に大学へ来ていくと、周りから「そんな服どこで買ったんだよ?」と笑われてしまいました。
当時の私は知りませんでしたが、アパレルショップは在庫を抱えているので、すすめたモノを買う客だとみられると、多少似合っていなくてもおおすすめしてしまうお店もあるようです。もしかしたら、私はいいカモとして見られていたのかもしれません。
買ってしまった服を捨てるわけにもいかず、私は着続けました。中にはすすめられるがままに購入したのではなく、私自身が選んで買った服もありました。しかし、その服に対し「パジャマで大学に来たのか?」と言われた時には、本当にショックでした。私には服選びのセンスがなかったのです。それでも、大学は毎日ありますし、毎日着るものを選ばなくてはいけません。地獄のような日々でした。
■“地獄”から這い上がるために
センスを磨いた結果…
その後どうしたかというと、ストリート雑誌を見たり、街中を行きかう人の服装を見て、自分に合うものはどれなのかを考えたりして、コーディネートを私なりに学んでいきました。
あれから2年が過ぎ、私は自分に合う服を選べるようにまで成長し、だいぶお洒落になったと思います。周りからも、家族からも見違えたと言われるようになりました。
もともと服選びのセンスがある人もいるかもしれませんが、すすめられるがままにお金を使うのではなく、自分で考えて勉強しないと、自分に合う服というのはわからないものだと実感しています。一人暮らしなので、気に入った服は、自分で丁寧に洗いアイロンをかけたりもしました。
自分の場合、どうしたらちょっとでもお洒落にみえるのか創意工夫していくなかで、コーディネートについて勉強することができたのだと思います。
やはり、お気に入りができるには、勉強が必要だと思います。何ごとも経験ですね。20歳の私ならではの話でした。