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大人にとって効果的な学習とは?|問題解決につながる学習目標を考える

前回は「学習とは何か?」について、「学び」と対比して考えてみました。
「学び」とは目標を”明確にしない”知識や経験の習得と位置付けたのに対して、「学習」とは目標を”明確にした”知識・スキル習得と定義しました。

では、大人にとってはどのような目標を掲げると効果的な学習につながるのでしょう??


問題解決につながる学習目標の設定する

例えば、以下の3つの学習目標を比べてみてみましょう。
①英語を上達させる
②TOEICで800点以上を取る
③アメリカ人の部下と1対1で面談ができるように、英語力を習得する

①の学習目標は曖昧ですが、②の学習目標は具体的です。しかし、知識習得自体が目標となっているため、このままでは効果的な学習目標とは言えません。
③の学習目標はゴールを「アメリカ人の部下と1対1で面談ができるように」という問題解決をターゲットにしていることで効果的な学習につながる学習目標であるといえます。

問題解決につながる学習目標の例

問題解決につながる学習目標とは、具体的な課題や問題に対処するために設定される目標のことを指しています。言い換えれば実務に応用しやすい目標設定と考えると分かりやすいかもしれません。

では、問題解決につながる学習目標にはどんなものがあるでしょう。

・売上データの分析のために、データ分析ツールを習得する
・業務での時間効率を上げるために、タイムマネジメントを習得する
・部下面談の質を向上させるために、コーチングスキルを習得する
・家計の収支を改善させるために、家計簿アプリの使い方を習得する
・子どもに学習習慣を身に付けさせるために、教育心理学の基本を習得する
・収納スペースを効率化させるために、整理整頓メソッドを習得する

どれも学習の目的が日々の困り事を解決することにつながっていて、学習の目標が明確になっています。

なぜ問題解決につながる学習目標が効果的か

学習目標を設定する際に、具体的な課題や問題を明確にすることで効率的に学習ができます。

例えば、「英語力を学習する」という目標であれば、読む力、聞く力、話す力のどの力を伸ばすべきなのかが曖昧になってしまいます。学習する対象も広くなり、効率的な学習が難しくなります。学習目標を「アメリカ人の部下と1対1で面談ができる」と設定すると、聞く力と話す力を伸ばすべきだと分かります。これにより、学習する対象が明確になり、効率的な学習につながります。

また、仕事や日常生活で即時活用が可能なので、フィードバックサイクルを回しながら学習を継続できます。実際に学習した英語力を活用して日常的にアメリカ人の部下と会話することで、聞き取れない英単語や伝えられなかった英文を学習することができ、効果的に習得できます。

まとめ

学習目標を設定する際には、具体的な問題解決を目指すことが効果的です。目標を明確にすることで、学習の方向性が定まり、効率的な学習が可能になります。これは自分自身の学習目標を設定する場合だけでなく、部下や他のメンバーの学習目標を設定する際にも有効です。

次回は、学術的な観点からも問題解決につながる学習目標を設定することが効果的である理由について、さらに深く学んでいきたいと思います。


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