繭玉
幼い頃、
まだ弟が生まれる前のこと
川の字で寝ていた真冬の早朝
お尻がひんやりするので
目が覚めて、
怒られないようにそっと
パンツとズボンを脱いだ
濡れたそれらを足で放おって
横を見た
右の布団は畳まれていて、
左の布団は起き抜けで
大きな抜け殻がそこにあった
小さな身体は温もりを求め
迷わずもぞもぞと潜り込んだ
木のような父親の香りと
毛布の肌触りに安心しながら
『がんこちゃん』の時間まで
そのまま眠った
繭に抱かれながら夢を見て
寒い日も気持ちいいなぁと思った
幼い頃、
まだ弟が生まれる前のこと
川の字で寝ていた真冬の早朝
お尻がひんやりするので
目が覚めて、
怒られないようにそっと
パンツとズボンを脱いだ
濡れたそれらを足で放おって
横を見た
右の布団は畳まれていて、
左の布団は起き抜けで
大きな抜け殻がそこにあった
小さな身体は温もりを求め
迷わずもぞもぞと潜り込んだ
木のような父親の香りと
毛布の肌触りに安心しながら
『がんこちゃん』の時間まで
そのまま眠った
繭に抱かれながら夢を見て
寒い日も気持ちいいなぁと思った