たった5分の調理時間をもったいないと思う日本人。
昨日の朝の番組で、現代日本の問題を解決するようで悪化させている商品を報道していた。
その名は「タイパ飯」。
時間が無い働く人が、インスタント麺を作る時間を少しでも短縮させようと、レンチンと容器をシェイクするだけで調理が完了する画期的な商品が誕生したんです。
…と報道されていたが、私は逆にショックを受けてしまった。
「インスタント麺を作るたった5分の時間ももったいないと思うのか…」
「ご飯を作ったり食べる時間を短縮してまで仕事をこなさないといけない社会って明らかにおかしくないか?」
ニュースキャスターが試食をしてニコニコしているのを私は冷ややかな目線で見ていた。
これを開発した人は
「これでご飯を作る時間が減って時間を有効活用出来る人が増えるぞ!」と
喜び、やりがいに満ちているかもしれないが、私はその行動が日本社会の過酷な労働を支持し加速させているのではと思う。
新しい商品を作って、人を喜ばせることはとても素晴らしいことだ。でも、たった5分の調理時間を短縮したところで、労働効率は果たして良くなるのだろうか?
「料理を作る時間、食べる時間がもったいない」と思っている時点で、その人が抱える仕事量は明らかに許容量を超えている。
普通は「仕事持ちすぎ。休みなさい」と言うべきだが、タイパ飯ができたことで「さあ、もっと仕事をこなしなさい」と拍車をかけているように思えてならない。
日本社会は、会社は、この商品の誕生を悲観的に見なくてはならない。
労働者には人権がないのか?
ご飯を作り、味わう時間さえ奪われ働かなくてはいけないのか?
これは明らかにおかしいと、私は主張したい。
私は、働く人が余暇の時間を十分に楽しめる社会を望み、作っていきたいと思っている。
料理を作り、味わう時間。
本を読み、新しい知識を得る時間。
旅行へ行き、知らない文化に触れる時間。
そんな時間がないと、人間らしくない。
ただ働くためだけに生きているのなら、機械で事足りる。
余暇の時間を楽しむ時間さえ許されない劣悪な日本の労働慣習を変えるにはどうしたらいいのか、私たちは真剣に考える必要がある。
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