母よ (詩のようなもの)
ずいぶんと痩せてしまったね。
手を握ったとき、
肩に触れたとき、
感じたその頼りなさに、
柔らかな果敢なさに、
私はどきりとしてしまった。
だんだんと細く
か弱くなっていく、あなたを、
私はただ見守るしかない。
月並みになっていく、
私の言葉は、
私の動揺を潜ませている。
母よ、
そんなふうに
心の中で呼びかける日が来るなんて
考えていなかった。
母よ、
年老いていくとは、
どういうことなのかを
…私に見せながら。
母よ、
あなたは、厳しく現実を知り、
私たち姉妹のために金策ばかり話した。
苦労をしないわけにはいかなくても、
少しでも楽になれるように、
お金は大事なのだとそればかり気にした。
私たちは、金儲けに興味がなく、
あなたの言葉を気にかけなかった。
それはあなたの優しさだと
分かっていながら、やはり興味がなかった。
母よ、
あなたは、
子のない私の行く末を心配し、
姪に私を頼むと声をかけて、
私たちを失笑させた。
鬱陶しいけど、でも、
分かっているよ。
あなたにとって、
未熟児で産まれた私は、
いつまで経っても、
きっと、頼りない、
支えてあげなきゃならない存在なのだよね。
だから、
自分がそんなに細くなっても、
それでも、
心配してくれるのだよね。
母よ、
あなたは、無意識なのだろうけど、
私の「守り神」でいたいのだよね。
ありがとう。
もう少し、生きてください。
私よりずっと細くなっても、
あなたは、私の「守り神」。
大切な「守り神」。