
【バードボイルド小説】例の女刑事モノのダイジェスト版
(※ 例の『女刑事 泣き虫冴子の捕り🐦物帳』のダイジェスト版が手に入った。1から順に粘って手に入れたつもりだが、途中でシーンが抜けていたら、誠に申し訳ない!)
【Scene 1】
冴子は、FBI研修も経た捜査一課の女刑事だ。
彼女は遂に男を追い詰めた。
「観念しなさい、男!」と、冴子が叫ぶと、男はニヤリと笑って言った。
「ふふふ、観念しないと言ったらどうする?」
(つづく)
↓
【Scene 2】
冴子は迷わずに答えた。
「それなら、無理やりにでも連れてゆくわ。あなたがどれだけ抵抗しようとも正義は勝つ。必ずね!」
男は一瞬戸惑いの表情を浮かべたが、次の瞬間、冴子に襲い掛かった。
冴子は男の攻撃をかわし、素早く男の足を払って、その手に手錠をはめた。
倒れる男に向かって冴子は言った。
「法の裁きを受ける覚悟を決めなさい!」
男はニヤリと笑って言った。
「覚悟を決めないと言ったらどうする?」
(つづく)
↓
【Scene 3】
冴子は、男の言葉に一瞬うろたえたが、その目はなおも鋭く男を見据えていた。
「覚悟を決めないのなら、それでもいい。だけど、法の前では言い訳は通用しない!」
男は嘲笑を浮かべ、起き上がろうとした。
冴子は、男の顔面に思い切り拳を叩き込んだ。
男は顔面から血を流し、その190cmを超す長身が再び地面に沈み込む。
「う……分かった。もう終わりだ」
その声には、疲れ切った様子が漂っていた。
冴子がひと息吐いた次の瞬間、男がニヤリと笑って言った。
「いや、やっぱり終わりじゃないと言ったらどうする?」
(つづく)
↓
【Scene 4】
冴子は、今度はその言葉に少しも動じなかった。
「それでも、あなたを止めるために全力を尽くさなくてはならない。ここで1つの幕を下ろさなければ」
男は再び立ち上がろうとしたが、冴子は男の顔を拳で再び殴り付けた。
男は地面に倒れ込み、「分かった……」とつぶやいた。
冴子が黙って男を見つめると、男がニヤリとして言った。
「いや、やっぱり分からないと言ったらどうする?」
(つづく)
↓
【Scene 5】
冴子は冷たい笑みを返した。
「それなら、もっと暴力を振るうだけよ」
そう言って、再び拳を男の顔面に叩き込んだ。
男の顔面は血だらけになった。
「もういい。諦めるよ……」と遂に彼は観念した。
そう思った次の瞬間……。
「いや、やっぱり諦めないと言ったらどうする?」
(つづく)
↓
【Scene 6】
冴子は、「それなら、私も暴力をやめないわ! もう正義がどっちかだなんて関係ない! 私は、あなたのために、そして私のために、あなたの顔面を殴り続ける!」
冴子は、男の顔面に立て続けに拳を放った。
男の顔面は、もうグチャグチャである。
「あなたが諦めない限り、私も諦めない。さあ、もう終わりにしましょう!」
「ああ……本当に終わりだな……いや……やっぱり……本当には終わらないと言ったらどうする?」
(つづく)
↓
【Scene 7】
冴子は、何も言わず、無言で男の顔面を殴り続けた。
「そして、もうやめて! 誰か、私を止めて!」と誰に言うでもなく、懇願し始めた。
男は言った。
「分かった。いったん終わりにしよう」
冴子は冷めた目で男を見る。
「いや、やっぱり……」
(つづく)
↓
【Scene 8】
冴子は「あなたは、そう言うと思ってたわ」と言い、拳を男の顔面に叩き込んだが、拳が痛くて仕方がない。
冴子はいったん男の手錠を解き、手錠で男の顔面を何発か殴った後で、男の手に再度手錠をはめた。
「これで、本当に終わらせてちょうだい。私……本当にお願いするわ」
「分かった。これで終わりだ……」
冴子は、何か拳の代わりになるものが無いものか、辺りを探した。
「いや……」
(つづく)
↓
【Scene 9】
「正義はこっちだ!」と、男は違う展開を予測させることを言った。
冴子の心は一瞬揺らいだが、その瞳の炎は消えてはいなかった。
「あなたがそう思っているのなら、その証拠を見せて!」
男は再び立ち上がり、「その証拠を見せてやる!」と敵意を燃やした。
冴子は、男の太ももに強烈なローキックを見舞った。
男は倒れ、「この戦いに終わりはない……」とつぶやいた。
(つづく)
↓
【Scene 10】
「嘘だよよよよ~ん!」と、男は急にふざけ始めた。
「あ……あなた……ふざけてるの?」と、冴子は信じられないような表情で男を見た。
「でも、あなたがどんなに嘘を吐こうとも、正義は曲げられない!」
冴子は、素早く男の手錠を解き、手錠で再度軽く男の顔面を1発殴り、また男に手錠をはめた。
しかし、何と、実は男は手錠抜けの名人だった!
(つづく)
↓
【Scene 11】
男は笑みを浮かべ、「俺を捕まえるのは、一筋縄ではいかないぞ!」と言った。
そう言って、男は手錠を外し、女刑事に反撃のローキックを見舞った!
(つづく)
↓
【Scene 12】
女刑事、冴子は男のローキックを脛でカットし、再び拳を男の顔面に放った。
「あなたの攻撃は読めているわ」
冴子は冷静に言いながら、倒れゆく男を地面に押さえ込み、再び男に手錠をはめた。
しかし、男は関節を外して、するりと逃げ出した。
(つづく)
↓
【Scene 13】
女刑事は、男を追いかけ、袋小路に追い詰めた。
「観念なさい、男!」
「女刑事……お前の勝ちだ!」
女刑事は、男に再び手錠をかけた。
(つづく)
↓
【Scene 14】
男はまた手錠を外して逃げ出した。
「学習能力の無い奴だ! バーカ! バーカ!」
男は毒付いた。
女刑事は泣きながら男を追った。
腹いせに手錠を男の頭目掛けて投げたら、これが見事に男の後頭部に命中し、男は倒れた。
女刑事は再び男に手錠をかけたが、男はまた手錠を外して逃げ出し、女刑事は自分のバカさ加減に号泣し始めた。
(つづく)
↓
【Scene 15】
女刑事は、またもや男を捕まえ、手錠をかけようとしたが、自分のバカさ加減を思い出し、また逃げられたら立ち直れないと思い、モジモジしている。
結局、女刑事は男を逮捕できない!
……すると!
女刑事の足元が急に崩れ、彼女は落とし穴に落ちてしまった!
(つづく)
↓
【Scene 16】
「バカな奴だ!」と男は穴の上から女刑事を覗き込んだ。
「そこで頭を冷やせ!」
しかし、女刑事は、必死の思いで壁を伝い、穴から這い出て来た。
「まさか……本当に這い上がって来るとは……」
男は驚いた表情で女刑事を見つめる。
……すると!
急に2人の足元が崩れ、今度は2人とも落とし穴に落ちてしまった!
(つづく)
↓
【Scene 17】
今度は、2人揃って穴に落ちた。
女刑事と男は、予期せぬ出来事に一瞬驚いたが、先に男がニヤリと笑った。
「お前が、ここまで来るとは思わなかったな」
「来たのは……むしろ、あなたじゃない!」
女刑事が、拳を男の顔面に叩き込んだ。
そして、冷静さを取り戻して言った。
「これで終わりよ」
そこに急に2羽のウザいピンク鳥🐦🐦たちが落下してきた!
(つづく)
↓
【Scene 18】
急に落とし穴の中に2羽のウザいピンク鳥🐦🐦たちが落下してきて、女刑事と男たちは驚いた。
鳥たち🐦🐦がバサバサと羽ばたきながら、騒いでいるのを見つめる2人。
「何なんだ、この鳥たち🐦🐦は?」
男が困惑しながらつぶやいた。
鳥たち🐦🐦は、落とし穴の中で騒ぎ続け、女刑事と男の戦いの行方をさらに複雑なものにした。
「ピヲ~ッToT🐦🐦」
(つづく)
↓
【Scene 19】
「いったん停戦としよう!」
男は提案し、女刑事も同意した。
「分かったわ。まずは、この鳥たち🐦🐦をどうにかしましょう」
2人は協力して、ウザい鳥たち🐦🐦を捕まえようと奮闘した。
鳥たち🐦🐦は、落とし穴の中でバサバサと飛び回り、2人を困らせた。
「捕まえたぞ!」
男は1羽(ToT🐦)を捕まえ、ほどなくして女刑事ももう1羽(ToT🐦)を捕まえた。
2人は、2羽🐦🐦を落とし穴の外に放り投げた(ToT🐦 & ToT🐦)。
「これで問題が1つ解決したな」と男が笑う。
「そうね。でも、ここからが本番よ!」と女刑事が男を睨む。
そこに……さっきの鳥たち🐦🐦が、また落下してきた!
「ピヲ~ッToT🐦🐦」
(つづく)
↓
【Scene 20】
鳥たち🐦🐦が、また落とし穴の中に落下してきて、男と女刑事はまた驚いた。
「またかよ!」と男が辟易しつつ、また鳥🐦たちを捕まえようとした。
女刑事は、鳥たち🐦🐦を見つめながら、冷静さを取り戻して言った。
「この鳥🐦たち、何か意味があるのかもしれないわ!」
そして、冷静に拳を男の顔面に叩き込んだ。
ついでに、2羽のピンク鳥たち🐦🐦の頭をぶっ叩いた(ToT🐦 & ToT🐦)。
2羽🐦🐦は男に小声で「この女刑事は、ちょっと性格が悪いと思います。ピヲピヲ🐦🐦」と囀った。
男は「いや、これでちょっと優しい一面もあると思う」と女刑事をかばった。
(つづく)
↓
【Scene 21】
男は、女刑事に殴られた顔面を押さえながら、再び1羽(ToT🐦)を捕まえた。
女刑事も、もう1羽(ToT🐦)を捕まえ、ズルそうな顔で男に提案した。
「ねえ、この鳥たち🐦🐦……食べない?」
(つづく)
↓
【Scene 22】
男は一瞬目を丸くして女刑事を見た。
「冗談は、よし子さんだぜ。こんな状況で飯だなんて、考えられないぞ!」
「冗談よ。あなたを殴るのにも飽きてきたからね」
2人の間の緊張が一瞬解けたような気がした。
落とし穴の中で、ピンク鳥たち🐦🐦が急に静かになり、微妙な静寂が広がった。
(つづく)
↓
【Scene 23】
「ピヲピヲ🐦🐦 いい考えがあります🐦🐦 ピヲピヲ🐦🐦」
2羽のピンク鳥たち🐦🐦は、2人に向かって囀った。
しかし、2人は完全に2羽🐦🐦を無視した(ToT🐦 ToT🐦)
(つづく)
↓
【Scene 24】
「ピヲピヲ🐦🐦 ボクたちの羽に捕まってください🐦🐦 一緒に穴から脱出しましょう!🐦🐦 ピヲピヲ🐦🐦」
2羽のピンク鳥🐦🐦たちは、なおもしゃしゃり出て、2人はしぶしぶ2羽🐦🐦のピンク羽に捕まった。
2羽🐦🐦はパタパタし、2人の体が宙に浮いた。
次の瞬間……2人の重みによって、2羽🐦🐦のピンク羽は、半分から折れ曲がってしまった。
「ピヲ~ッToT🐦🐦」
(つづく)
↓
【Scene 25】
女刑事と男は、2羽🐦🐦の痛みを感じ取った。
そして、2羽🐦🐦を食べることに決めた。
「すまない……」女刑事はつぶやいた。
そして、「いただきまーす!」と2人が同時に言った。
(つづく)
↓
【Scene 26】
鳥たち🐦🐦は、思い詰めた様子で2人に懇願した。
「我々の願いを叶えていただけませんか?ピヲピヲ🐦🐦 我々は、どうしても『焼き鳥』になってみたいのです!ピヲピヲ🐦🐦」
女刑事は驚愕した。
「そのようなかたちで、鳥たち🐦🐦の命を終わらせることはできないわ。もっと慎重に考えて!」
……しかし、その直後……
「……本当に……なりたいのね……焼き鳥に?」
鳥たち🐦🐦は、真剣な表情で答えた。
「はい、ぜひ焼き鳥になってみたいのです。ピヲピヲ🐦🐦」
その強い願いに、2人は心を動かされ、鳥たち🐦🐦の願いを叶えてあげることにした。
そこに2人を追ってきた警部と50人の警官隊がやってきた。
「やっと見つけたぞ、2人とも!」
そこで足元が崩れ、警部と50人の警官隊が全員、落とし穴に落ちてしまった。
「ピヲ~ッ !」
(つづく)
↓
【Scene 27】
女刑事と男と2羽のピンク鳥🐦🐦と警部と50人の警官隊は、落とし穴から出る方法を考えた。
そこで、女刑事は急にバック転をした!
他の全員が冷めた目で女刑事を見た。
「こんな狭い穴の中で、そういうことはやめていただきたいです。TPOをわきまえていただきたいです」と何人かが抗議したが、女刑事は被害者ぶって、メソメソ泣き出した。
そして、自分だけが壁を伝って、落とし穴の外に出て、他の全員を見下ろした。
「私を悪者扱いするからよ!」
女刑事は、冷笑を浮かべて、落とし穴の中の面々に言った。
次の瞬間、女刑事はバック転をして、再び落とし穴の中に飛び込んできた!
(つづく)
↓
【Scene 28】
女刑事が再び落とし穴の中に飛び込んできたため、全員が度肝を抜かれた。
いつしか皆、落とし穴から抜け出すことを諦め始めた。
「いっそのこと、ここで暮らしませんか?」と、警官隊の1人が提案すると、皆同意した。
こうして、落とし穴の中で奇妙な共同生活が始まった。
(つづく)
↓
【Scene 29】
落とし穴の中での共同生活を開始し、既に約1年が過ぎた。
ある日、人間たちが2羽の鳥たち🐦🐦に言った。
「落とし穴のスペースには限りがあります。鳥たち🐦🐦には、空があるんですから、空に帰ったらいいではないですか!」
鳥たち🐦🐦は囀り返した。
「ピヲピヲ🐦🐦 これまで1年もの間、一緒に落とし穴の中で暮らしてきたのに、急に羽を理由に空に帰れとは、あまりにも冷淡ではありませんか。今の時代、多様性を尊重しないと、時代に取り残されますよ。そうなったら、いよいよピヲピヲですよ🐦🐦ピヲピヲ🐦🐦」
人間たちは反省した。
(つづく)
↓
【Scene 30】
反省した人間たちは、せめてもの罪滅ぼしにと、鳥たち🐦🐦に相応しい名前を付けてあげることにした。
全員で考えに考えた挙句、2羽🐦🐦を「穴鳥🐦🐦」と名付けた。
鳥たち🐦🐦は喜んだフリをしたが、この「穴鳥🐦🐦」という名前が全然好きになれなかった。
そして、人知れずピヲピヲToT🐦ToT🐦と泣いているところを、女刑事に見られた。
女刑事は同情し、次の日、他の人間たちに「鳥さんたち🐦🐦の自主性を尊重しましょう! もっと満足していただける名前にしましょうよ!」と提案し、皆が同意した。
(つづく)
↓
【Scene 31】
人間たちは、鳥たち🐦🐦のために一生懸命にカッコイイ名前を考えた。
そして、遂に1つの名前が選ばれた。
女刑事は、鳥たち🐦🐦を呼び、人間たちが付けた名前を進呈した。
「鳥たち🐦🐦よ! 我々はご飯も食べずに1日中議論し、あなたたちのために素敵な名前を考えました!」
鳥たち🐦🐦は、ワクワクして女刑事の話に耳を傾けた。
「あなたたちを今日から『穴鳥🐦🐦』と名付けます!」
2羽🐦🐦は、人間たちの好意に大きく感動した。
(つづく)
↓
【Scene 32】
鳥たち🐦🐦は、人間たちに嫌われたくない一心で、いったんは喜んだフリをしたが、自分たちに付けられた名前が、またもや「穴鳥🐦🐦」であったために、嘆き悲しんだ。
そして、人知れずピヲピヲToT🐦ToT🐦と泣いているところを、女刑事に見られた。
女刑事は同情し、次の日、他の人間たちに「鳥さんたち🐦🐦の自主性を尊重しましょう! もっと満足していただける名前にしましょうよ!」と提案し、皆が同意した。
(つづく)
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【Scene 33】
人間たちは、今度こそ鳥たち🐦🐦に喜んでもらおうと、1日中、ご飯も食べないで一生懸命にカッコイイ名前を考えた。
そして、遂に1つの名前が選ばれた。
女刑事は、鳥たち🐦🐦を呼び、人間たちが付けた名前を進呈した。
「鳥たち🐦🐦よ! 我々はご飯も食べずに1日中議論し、あなたたちのために素敵な名前を考えました!」
鳥たち🐦🐦は、ワクワクして女刑事の話に耳を傾けた。
「あなたたちを今日から『穴鳥🐦🐦』と名付けます!」
2羽🐦🐦は、人間たちの好意に大きく感動した。
(つづく)
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【Scene 34】
鳥たち🐦🐦は、人間たちに嫌われたくない一心で、いったんは喜んだフリをしたが、人間たちに何度相談しても、「穴鳥🐦🐦」にされてしまうので、もう人間たちに相談するのをやめた。
そして、人知れずピヲピヲToT🐦ToT🐦と泣いているところを、女刑事に見られた。
女刑事は同情し、「私がこの場で、あなたたちに素敵な名前を授けます。あなたたちを『空からの仲間たち🐦🐦』と名付けました!」と言い、2羽🐦🐦は大いに喜んだ。
しかし、女刑事が早速、「では、穴鳥🐦🐦さんたち、これからもよろしくお願いします!」と言ったため、2羽🐦🐦は抑うつ状態になってしまった。
(つづく)
↓
【Scene 35】
「こんな羽のようなものが有るから、いけないのです! どうかお願いです、人間さんたち! 我々のピンク羽を切ってください!ピヲピヲ🐦🐦」と2羽🐦🐦は懇願した。
女刑事と男と警部と50人の警官隊は、2羽🐦🐦の決断に大いに驚いた。
「何て大胆な決断だ! 本当に後悔はしないのかね?」と、警部は念を押した。
「はい、慎重に考えた結果です。バッサリといってください。ピヲピヲ🐦🐦」と、囀り終わるか終わらないかの瞬間、女刑事が大バサミでバッサリと2羽🐦🐦分、一気にいった。
「ピヲ~ッToT🐦ToT🐦」
(つづく)
↓
【Scene 36】
いきなりの羽カットに、2羽🐦🐦は驚いて女刑事を見た。
2羽🐦🐦は、「あの女刑事は、やっぱり少し性格が悪いと思います。ピヲピヲです🐦🐦」と囀ると、他の皆は無言で軽く頷いた。
そして、全員が恐る恐る女刑事の方を見た。
女刑事は、暫く全員の視線を受け止めた後……バック転をした!
しかし、タイミングが悪く、みな白けてしまった。
しかし、女刑事は、またもやふてぶてしくバック転をした!
他の全員は、女刑事がまた被害者ヅラしてメソメソすると面倒だと思い、嫌そうな顔をしながらも渋々、一斉に接待用のバック転をした!
2羽🐦🐦は、失ったピンク羽の貴重さを今さらながら思い出し、さらなる抑うつ状態になってしまった。
↓
【Scene 37】
抑うつ状態の2羽🐦🐦を見かねた心優しい警官隊の1人が提案した。
「ピンク羽のなくなった2羽🐦🐦さんが、とても可哀そうです! 羽こそ無いですが、クレヨンで肩と背中に羽を描いてあげましょう!」
皆が感動して泣いた。
女刑事はバック転をした!
他の全員も、落とし穴の中にもかかわらず、一斉にバック転をした!
……と思ったら、警官隊の1人がサボってバック転をしていなかったことに皆気付き、皆でその警官を責めるようにジロジロと見た。
その警官は、最初は知らんぷりをしてその場をやり過ごそうと思ったが、皆の視線があまりにもしつこいので、やれやれと肩を竦め、ふてくされた表情で実に愛想のないバック転をした。
その後、皆で代わる代わる、2羽🐦🐦の肩と背中にクレヨンで羽の絵を描いた。
落とし穴の中が和やかなムードに包まれたと思ったそのとき、「そんなもんじゃ、全然ダメなんじゃ!」と、警部が全員を一喝した。
(つづく)
↓
【Scene 38】
「お言葉ですが……」と、女刑事が言い終わらぬ内に警部は「そんな羽の絵なんかじゃダメなんじゃ! 亀の甲羅を括り付けてあげなさい!」とさらに声を荒げた。
探してみるものである。
落とし穴の中にも、亀の甲羅は有るものである。
皆は協力して、2羽🐦🐦の背中に亀の甲羅を括り付けてあげた。
亀の甲羅を背負った2羽🐦🐦は、もはや鳥か亀か見分けの付かない得体の知れない風貌になり、それはどちらかというとグロテスクに見えた。
警部の提案に従いはしたが、皆、何と言っていいか分からなかった。
そして、皆で一斉にバック転をした!
(つづく)
↓
【Scene 39】
皆が落とし穴の中で楽しそうにするのを見て、ある日、落とし穴の向こうから怪しい者がやってきた。
怪しい者は女刑事に話し掛けた。
「女刑事さん、私の名前は『血みどろ』です! 私は、この名前のせいで差別をされ、友達ができません! あなたも私を名前で差別しますか?」
女刑事は、『血みどろ』を不憫に思い、「あなたを名前で差別なんかするもんですか! 私たちは今日から友達よ!」と言うと、『血みどろ』さんは大いに喜んだ。
(つづく)
↓
【Scene 40】
次の日、落とし穴の向こうから怪しい者がやってきた。
怪しい者は女刑事に話し掛けた。
「女刑事さん、私の名前は『血だらけ』です! 私は、この名前のせいで差別をされ、友達ができません! あなたも私を名前で差別しますか?」
女刑事は、『血だらけ』を不憫に思い、「あなたを名前で差別なんかするもんですか! 私たちは今日から友達よ!」と言うと、『血だらけ』さんは大いに喜んだ。
(つづく)
↓
【Scene 41】
次の日、落とし穴の向こうから怪しい者がやってきた。
怪しい者は女刑事に話し掛けた。
「女刑事さん、私の名前は『死にかけ』です! 私は、この名前のせいで差別をされ、友達ができません! あなたも私を名前で差別しますか?」
女刑事は、『死にかけ』を不憫に思い、「あなたを名前で差別なんかするもんですか! 私たちは今日から友達よ!」と言うと、『死にかけ』さんは大いに喜んだ。
(つづく)
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【Scene 42】
次の日、落とし穴の向こうから怪しい者がやってきた。
怪しい者は女刑事に話し掛けた。
「女刑事さん、私の名前は『危険な犯罪者』です! 私は、この名前のせいで差別をされ、友達ができません! あなたも私を名前で差別しますか?」
女刑事は、『危険な犯罪者』を不憫に思い、「あなたを名前で差別なんかするもんですか! 私たちは今日から友達よ!」と言うと、『危険な犯罪者』さんは大いに喜んだ。
(つづく)
↓
【Scene 43】
次の日、落とし穴の向こうから怪しい者がやってきた。
怪しい者は女刑事に話し掛けた。
「女刑事さん、私の名前は『人を殴るのが大好きな野郎』です! 私は、この名前のせいで差別をされ、友達ができません! あなたも私を名前で差別しますか?」
女刑事は、『人を殴るのが大好きな野郎』を不憫に思い、「あなたを名前で差別なんかするもんですか! ……でも、私たちが友達になるのには条件があるわ。わたくし……やっぱり、暴力はいけないと思うんですの。ですから、今日から決して暴力はやめると誓ってほしいんですの」と言うと、横から男が「どの口が言っている?」と言った。
2羽🐦🐦は「そうだそうだ! ピヲピヲだ!」と囀った。
警部も「そうだそうだ!」と加勢した。
50人の警官隊も律儀に1人ずつ順番に「そうだそうだ!」と加勢したので、結構時間がかかった。
女刑事は、「『人を殴るのが大好きな野郎』さん、今日から私たちは友達よ!」と言うと、その場にいた全員に強烈なローキックを見舞った。
『人を殴るのが大好きな野郎』さんもローキックを喰らったが、大いに喜んだ。
女刑事は、バック転をした!
『人を殴るのが大好きな野郎』さんもバック転をした!
ローキックを喰らったその他全員も、一斉にバック転をした!
(つづく)
↓
【Scene 44】
「さあ、女刑事さん! 今一度、あなたの大切な友達の名前を全員呼んであげてください」と冒険好きな警官が言った。
「ええ、もちろんよ。『血みどろ』さん、『血だらけ』さん、『死にかけ』さん、『危険な犯罪者』さん、『人を殴るのが大好きな野郎』さん、あなたたちはみんな、私の大切な大切な友達よ!」
実は、女刑事はその性格の悪さから、生まれてこの方友達なぞ、できたことがなかったので、奇抜な名前の友達たちができて、内心嬉しかった。
女刑事は、バック転をした!
その他全員も落とし穴の中で、一斉にバック転をした!
亀の甲羅を背負わされた2羽🐦🐦は、「バック転ばかりして、いったい何だっていうのさ?ピヲピヲ🐦🐦」と言って、バック転をした!
(つづく)
↓
【Scene 45】
女刑事は、ひとしきりバック転をした後で、急に懐から取り出したビール瓶で自分の頭を叩き気絶してみせた。
すると、警官隊の1人と『血みどろ』さんが、「何て素敵な人だ!」と同時に言い、女刑事に恋をした。
(つづく)
↓
【Scene 46】
落とし穴の中で、皆でバック転ばかりする毎日を送ってきたせいで、女刑事も男も2羽🐦🐦も警部も50人の警官隊も奇抜な名前を持つ女刑事の友達たちも、みな「空中50回転」をマスターした!
空中で50回転する間、皆は約1分弱、宙に浮いたままの状態でいることが可能になった。
「皆さん、落とし穴の中で生活するにも、少し懐が寂しくなってきました! いったん地上に出て、見世物になることに甘んじて、私腹を肥やしましょう!」と、1人の腹黒い警官が言った。
(つづく)
↓
【Scene 47】
口八丁な警官のお陰で、皆はメディアに注目され、1億人の観客を収容可能な世界一大きな屋外スタジアムが、どこかの国の領土である離島に建設され、皆で「空中50回転」を披露することになった。
(つづく)
↓
【Scene 48】
1億人の観客を前に、女刑事と男と2羽🐦🐦と警部と50人の警官隊と奇抜な名前の女刑事の友達たちは「空中50回転」を披露した。
1億人の観客たちは驚き、全員が隣の人の肩に両手を置いて、電車ごっこの恰好をした。
そして、1億人の電車の一番最後尾の1人が前の人の耳元に口を近付け、何かを囁いた。
ヒソヒソ声が、どんどん前の方に伝染していった。
(つづく)
↓
【Scene 49】
1億人の伝言ゲームが終了するのに、計38年の歳月を費やした。
最後尾の1人が38年前に言ったことは、「なぜ、この人たちは、こんなに目付きが悪いんでしょうね? 私は空中50回転なんかできたって、絶対にこの人たちの隣には住みたくないわ」だったのだが、38年後に1億人の一番先頭の1人が言った台詞は「夜が来ない夜というのは、結局は夜にあらずということだ。従って、人が訪ねて来ない人というのは、結局は人にあらずということだ」という妙ちくりんなもので、1億人は38年の労力が、こんな浅はかな結果に終わったことで、軽い抑うつ状態になった。
そして、1億人の観客の最高齢者は、既に132歳に達していた。
伝言ゲームにより、世界の平均寿命が延びたことに多くの人が驚いた。
国籍不明のインタビュアーが、132歳の人にインタビューした。
132歳の人は、何も言わずにバック転をした!
(つづく)
↓
【Scene 50】
1億人の観客は驚いた。
そして、1億人の観客は一斉にバック転をした!
皆がみな、口を揃えて言った。
バック転ばっかりしてて何か世界が変わるのか?
「合わせましょう!」と誰かが言った。
1億人の観客たちは同意し、それぞれ心の中で「3……2……1」とカウントし、同時に「バック転ばっかりしてて、何か世界が変わるのか?」と合わせて言った。
「そもそも、バック転が悪いのではないか!」、「そうだ! バック転は不誠実な奴だ!」と1億人が、口々にバック転を糾弾し始めた。
そこに「バック転」さんが現れた。
(つづく)
↓
【Scene 51】
バック転さんは、「何でもかんでも私のせいにしないでください!」とうんざりした調子で言った。
1億人は心の中では不満があったが、1億人で一斉にバック転さんを責めるのもアンフェアな気がした。
伝言ゲームの先頭から508番目に並んでいた少年が無邪気に言った。
「バック転してみせてよ!」
しかし、バック転さんはバック転ができないのであった。。。
(つづく)
↓
【Scene 52】
1億人は、モゴモゴするバック転さんに対し、「バック転もできないのに、偉そうにバック転を名乗るな」と言いたかったが、武士の情けと思って言わなかった。
1億人は皆、「武士」が何たるかを知っていた。
バック転さんだけを残し、1億人は再度、一斉にバック転をした!
地球が少し揺れたが、「地球さん」は案外気にしていなかった。
「いやいや、皆さん、賑やかで結構結構」と、地球さんが気さくな感じで皆の前に現れた。
1億人の多くは、地球さんに合えて光栄に感じた。
その喜びが伝わったのか、地球さんは上機嫌になり、バック転をした!
↓
【Scene 53】
1億人は、地球さんがバック転をしたことに衝撃を受けた。
世界の各地で地震が起こり、昼と夜が急に逆転するなどの異常事態が起こったが、皆は本能的に、地球さんの機嫌を損ねるのは得策でないと考え、とりあえず全員で苦笑いをした。
そこに「宇宙兄さん」が現れて言った。
「地球弟よ! 何を浮かれておる! たわけ者め!」
一瞬、1億人の間に緊張感が走った。
地球さんはバツが悪そうにしており、1億人は自分たちが住む地球さんが宇宙兄さんに責められているのを見て、同じくバツが悪い思いをした。
そこに、あの空気を読まない性格の悪い女刑事が立ち上がり、宇宙兄さんにつかつかと近付いて行った。
そして、女刑事は「宇宙兄さん」に強烈なローキックを放った!
(つづく)
↓
【Scene 54】
1億人は、女刑事のあまりの傍若無人ぶりに目を覆いたくなったが、宇宙兄さんは「やめてくださいませ! 私は、膝が弱いのでございます!」と、泣きそうな顔になり、溜飲が下がった。
1億人は女刑事に向かって同時に言った。
「女刑事さん、あなたは我が道を行っている! それは、実は簡単にはマネできない、あなたの稀有なスキルです! あなたは、かけがえのない人です!」
そして、1億人は息を合わせ、続けて女刑事に言った。
「そして、あなたはちょっと性格が悪い!」
女刑事は、彼女の別のスキルとも言える「被害者ぶってメソメソする素振り」をした後で、地球さんに向かって「地球さん、こんな意地悪な宇宙の言うことなんか、聞き流しなさいよ!」と言った。
地球さんは感激し、「女刑事さん、実はあなたはかなり美人だと思います」と調子のいいことを言った。
女刑事も「あなたも、住みやすいわよ」とツンデレな感じで言った。
女刑事と地球さんは、一緒にバック転をした!
女刑事と地球さんは、何だか相性が合うようである。
『女刑事、泣き虫冴子』の頬の涙が、少し乾いた。
(【Scene 55につづく】)
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