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【マウント記事: 前編】出版社で女王ハチドリ🐦にいびられた日々

《珍しく、ヲ仕事記事でも~🐦🐦》

女王🐦「はぁ~、何だかんだで7月は手取りが減っちゃってToT🐦 ただでさえ、安月給なのに……全くピヲピヲったらないわToT🐦」
ハミング🐦「👀ピヲッ!🐦 女王ハチドリ🐦さん、ピヲピヲとため息ばかり吐いて、どうしたのですか? ピヲピヲ🐦」
女王🐦「あら? 誰かと思えば、ハミングちゃんかぁ~。全く、働けど働けど、税金取られてばっかりで、ピヲピヲも止まらないわToT🐦 あ~、税収の安いタックスヘブンにでも移住して、起業でもしようかしらToT🐦」
ハミング🐦「👀ピヲッ!🐦 タックスヘイブンへの移住ですかぁ~。それもいいかもしれませんね。ピヲピヲ🐦」
女王🐦「そう、いっそのことタックスヘブンにでも住みたいわToT🐦」
ハミング🐦「そうですね、タックスヘイブン……」
女王🐦「ちょっと! ハミングちゃん! さっきから何? 『ヘイブン、ヘイブン』って?」
ハミング🐦「👀ピヲッ!🐦 いえ、女王ハチドリ🐦さんが、タックスヘイブンに住みたいって」
女王🐦「ヘイブンじゃないわよ! ヘブン! わかる? ヘ・ブ・ン! タックス ヘ・ブ・ン!
ハミング🐦「へ……ヘブン? タックスヘブン?」
女王🐦「はぁ~……ハミングちゃん……編集者なのに、物事知らなさ過ぎ! いい? よ~く、覚えておくのよ! ヘブン(heaven)っていうのはね! 英語で『天国』っていう意味なの! だから『タックスヘブン』っていうのは、税金がもの凄く安くて、まるで天国みたいな場所っていう意味で使われている言葉なの! わかった?!」
ハミング🐦「ピ……ピヲ……わかりました……ピヲピヲ……🐦」

とか何とか、皆さん、こんな感じで周りの人にマウント取ってるんとちゃいますぅ~?


(※ タックスヘイブンとは、"Tax Haven"。即ち、租税回避地のことで、一定の課税が免除されたり、著しく減税される国または地域のことである。"haven"は英語で、回避地や避難所などの意味であり、『天国』を意味する"heaven"とはスペルも違う)


 noteでこれまで全く非公表であったが、私は昔、約1年ほどの短い間、非常に小さな出版社編集の仕事をしていたことがある。
これは何度か書いていることであるが、私はかれこれ法律畑の仕事ばかり20年以上続けている。
 従って、出版社で仕事していたのは遥か大昔のことである。
 私は元々、リーガルキャリアを歩みたいと早くから思っていたのだが、スムーズなキャリアスタートができず、まあ要するに「寄り道」したかたちとなる。
 あまり身バレしたくもないので、当時の勤務先のことは細かく書かないが、本当に、吹けば飛ぶような零細出版社であった。
 ほんの1年の経験なので、あまりエラそうなことは書けないが、今になって思い返すと、メディア(出版社)というのが何を考えており、社内がどのようになっているか、基本的なことを覗き見た貴重な時期であったように思う。
「(昔の)出版社はこんな場所!」という話は、少なからず「1年在籍分」くらいは語れるかもしれないが、大手だと全く事情が違うのかもしれない……ので、やっぱり語らない……。

※※※※※

 当時は「編集者」という肩書きであったが、何せ零細企業なので、自分で担当の誌面を埋め、同時に企画を考え、必要に応じて取材担当者にアポを取り、自分で取材をし、ときにはカメラを首からぶら下げて下手な写真をパシャパシャ撮り(🐦)、オフィスに戻って来て記憶の冷めない内に記事原稿を書き上げ、先輩編集社員たちにダメ出しを受け……と、記者やカメラマンや雑用諸々も兼ねているような状態であった(質の高い写真を掲載すべき記事の場合、外部のプロのフォトグラファーにアポとり(🐦)し、取材に同行してもらうのだが、零細出版社にとっては安くないコストがかかるので、都度、上にお伺いを立てなければならず、小さい記事の場合は結構自分で写真を撮っていた)。
 曜日によって、次号の締め切りページというのがあり、毎週締め切りに追われ続けるわけだが、次号の誌面を埋めながら、同時進行でその次の号を先取りして企画を考え、体の空いたところで取材に繰り出す。
 本当に週末もなく、激務であった。

 元々、強く希望して入った業界でもないため、実を言うと、1年も経たない内に、私はその零細出版社をやめたくなった。
 その理由は、週末もなく、平日も毎日夜遅くに帰宅するという激務のせいだけではなかった。
 まずは収入面に大きな不安があった。
 私は若造のペーペーだったわけだが、私より1回り年上の先輩編集社員たちも、(零細企業であるからか)私と大して変わらぬ給料であることが分かったのだ(当時ということもあるし、小さな会社だったからというのもあるかもしれないが)。
 本当に記者やライターで生きてゆく覚悟をしている人であれば、そこで経験を積んでキャリアアップという道もあるのかもしれないが、私にはその道で長く続けてゆきたいという強いモチベーションもなかった。
 当時、社内の広告営業担当の同僚と仲良くなり、彼の給料も大体いくらくらいか教えてもらったのだが(オイ^^;)、歩合も込みで、編集職よりもなかなか高めで羨ましかったのを覚えている。

 もう1つ、その会社で働き続けることに大きな期待が持てなかった理由……非常に生意気な話であるが、先輩社員のレベルが何ともムラがあるというか……中にはプロっぽい人もさすがに居られるのだが、零細企業で安月給なので、ろくに学歴も無いような人たちが記事を書いていたりした。
 私は決して学歴至上主義でも何でもないのだが、雑誌や情報誌というのは、それこそ読者に情報やノウハウを提供する立場なので、ハッタリだけでも「何か頭良さそうで物知りな人たちが書いている」と思わせる必要があると思っている。
 ましてや、ラクガキnoterもウェルカム!みたいな緩い世界であれば、アホみたいな面でピヲピヲ🐦🐦なんてやっていればいいが(誰がアホ面やねん!)、お金を取って情報を売っているわけなので、(少なくとも中堅にもなれば)地頭の良さだけではなく、基本的なインテリジェンスみたいなものが備わっていた方がよいように思う。
 まあ……仮に備わってなくてもいいじゃん!という話であれ、学の無さが誌面から滲み出るほどの阿呆だと、やはり問題があるのではないかと思うのである。
 そういう意味で、若造だった私は非常に生意気にも、当時勤めていた零細出版社の編集デスクを内心コッソリと「学校の新聞クラブの延長みたいだなぁ~」と感じることがあったのも事実である(←実に生意気でいけすかない新人ではあるが!)。
 くどいようだが、あくまでも「その零細出版社」の話をしているので、大手出版社は真逆で優秀な方が多いと推察する。
 で、その人たちに「書き方」の指導を受けたりするのだが、正直、若造の私にとっても「え~?!」みたいな内容が結構あった。

その先輩社員の1人が、冒頭に挙げた「女王ハチドリ🐦」である。


 申し訳ないが、冒頭の「税金天国」の話は、私が作ったフィクションである^^;
 しかし、指導の中には大差ないものもあった。
 この「女王ハチドリ🐦」、私より年齢がひと回りほど上で、私のことを「ハミングちゃん」と「ちゃん付け」で呼んでくることが多かった。
 天然でなかなかのド阿呆であり、上司ではなかったのだが、零細企業なので、私の記事原稿の添削係を担当されることがあった。
 しかし……難しい記事なんかを「これ……じゃないの?」と控え目に指摘してくるのならまだしも、間違った知識を自身満々でマウント気味に指導してくることがたびたびあった(リアルでも習い事でもnoteでも、教えたがる人がいかに多いことか!)。
 しかも、自分の無知は棚に上げ、私に対してよく(冒頭のように)「ハミング🐦ちゃん、編集者なのに物知らなさ過ぎ! もっと勉強しなくちゃ!」みたいなことをマウント気味に何回か言われた記憶がある。
 そんなわけで、冒頭の「税金天国」のフィクションとは異なり、以下は私と女王ハチドリ🐦の実際のやりとり(🐦)の一例である。

※※※※※

[女王ハチドリ🐦の指導- その1]
(私の原稿に対する「校正お願い」にて)
女王🐦「(赤ペンで矢印の隣にコメント付記)イミフメイ! 何コレ? もしかして、○スキモ―のこと?」

< クリンチ!いったんブレイク > 

 はい……私が書いた原案は「イヌイット」であったのだが 当時「○スキモ―」は侮蔑的な意味合いがあるとされ、使用が問題視されたことがあった。
(メディアで後進の指導にあたり、無知呼ばわりする人間が差別用語に鈍感というか「知らない」で済ませるのはいかがなものか。調べた上で、差別用語にあたるのかあたらないのか判断した方がよいのでは?)

[女王ハチドリ🐦の指導- その2]
(口頭による指導)
「え? ハミングちゃん、ピアニストの○○って知らないの? クラシック界じゃ有名じゃん! もう……相変わらず、編集者のクセに物知らなさ過ぎ! もっと勉強しなくちゃ!」
(後日)
「ハミングちゃん、ちょっと来て。何この記事? 分かり辛い! そもそもが、このジェームス・ブラウンって誰?!」
「え? あの……ソウルの大御所のジェームス・ブラウン……」
「はぁー……あのねぇ、ハミングちゃん、自分が知っていることを周りの誰もが知っていると思っちゃダメ! 分かった?」

< クリンチ!いったんブレイク > 

 おうおうおう、ちょっと待て!
 少なくとも、クラシックの○○より、ジェームス・ブラウンの方が100倍知名度があるぞ!
(※ ピアニストの○○さんの名前、伏せておきます。日本人ではありません。確かに、クラシックに詳しい方は、よくご存知かもしれません……が、クラシックに興味のない日本人は、およそ知らねーよって名前です^^;)
 この件については、さすがに「え? JBって知られてないの?私がブルース・ブラザースファンだから知ってるだけ?」と疑問に思い、別の先輩編集者にチクった^^;
 そしたら、その先輩は「マジか? JB知らんのか? 女王ハチドリ🐦は編集者のクセに物知らなさ過ぎだろ!」と言っていた^^;
(※ 断っておくが、「イヌイット」とか「ジェームス・ブラウン」知らないことが問題なのではない。私も未だに知らんことだらけである。「編集者のクセにハミング🐦は物知らなさ過ぎだ」と言って指導しておきながら、お前もそのレベルかよ!というマウント度合の話がしたいのである)

[女王ハチドリ🐦の指導- その3]
口頭による指導)
「ハミングちゃん、ちょっと来て。何この記事? ハイジャックって書いてるじゃん! 何やってるの?」
「え? 間違ってますか?」
「はぁー……あのねぇ、ハミングちゃん、ハイジャックの語源って知ってる? ハイジャックの『ハイ』っていうのは、『高い』っていう意味なの!」
「え? ハイジャックの『ハイ』って、高いなんですか? ……でも、英語のスペルが"high"じゃなくて……」
「ハミングちゃん、編集者なのに言葉知らなさ過ぎ! ハイジャックの『ハイ』は『高い』なの! だから飛行機とかヘリコプターにしか使えない言葉なの! 船だったら『シージャック』! 車だったら『カージャック』!……」

< クリンチ!いったんブレイク > 

 ちょちょちょちょちょちょう(鳥🐦)、だったら低いジャックで"Low Jack"があるんかいな?


 まあ、出版社時代も女王ハチドリ🐦のマウント加減も、今となっては思い出である。
 編集者の仕事、面白いことや役立つことも色々とあった。
 最終稿をチェックする編集者のプロレベルは、今でも目に焼き付いている。
 たとえば、私が「チャップリン」と表記した原稿を見て、「ん?」と首を傾げ、時事通信の統一用語辞典みたいなのをサッと引いて、「チャプリン」としたり、1つの改行のズレ、括弧の表記のブレまで修正するきめ細かいレベルの仕事をされていた。
 タイポが1つでもある状態で情報誌が世の中に出てしまうと「負け」であると、そのご本人が仰っていたわけではないが、明らかに自分のプロ意識とも闘っていたであろう、その背中からプロの仕事に対する責任感を学ばせていただいた。
 その姿勢やマインドは、リーガルキャリアにおいて、訴訟書類(←今はドラフトしないが)や契約書ドラフトや修正作業(←これは今の主な仕事である)を遂行する上で、今も私の中で生き続けている。
 また当時、軽く映画や音楽を紹介するページを担当させてもらえたわけだが、それらのエンタメコラムを書くのが本当に楽しく、メディア枠で試写会のタダチケなんかも、たくさんもらうことができた(激務で行けないことが多かったが)。
 また人の話を「聴く」、そして「書く」ことの難しさや面白さを仕事として実感できたことの報酬は大きかったと思うし、その後のリーガルキャリアでも活かすことができていると思う。
 名前は伏せるが、短期間勤務だったにもかかわらず、若造の分際で著名人に取材する機会もいただいた(今思うと、会社もよくやらせたもんだ)。
 あと超大物ハリウッドスターのプレスカンフェレンスに1度だけ参加させていただいたが、司会者もプロっぽい感じで場を盛り上げていて、それはそれはもう、メディア関係者向けの1つのエンタメイベントみたいだった。

※※※※※

 さて、編集者志望の方々のために、良いことも少し書いたところで、前からやりたいと思って温めていた「訳の分からないマウント企画」というのがある。
 そのために、わざわざ愉快とは言えない過去の女王ハチドリ🐦とのエピソードを持って来たのである。
 題して……

「マウント取らせて! 女王ハチドリ🐦による『54字の物語』」


 ……さて、こりゃ何じゃい!という話であるが、皆様の周りにも、このような「思い込みによりマウントを取ってくる人物」というのが、1人くらいいないだろうか?
 次回の [マウント記事:後編] は、女王ハチドリ🐦による「思い込み54字の物語」なのだが、何せ思い込みだから「嘘」ばかりである。
 そんな「嘘」ばかり書けばいいのなら、無限に54字作れるのでは?と思われるかもしれない。
 さあ、面白いと思ってもらえるか、「何のこっちゃい!」と白けられるか、なかなか実験的な企画であるが、ご都合付けば、ぜひ遊びに飛んで(パタパタ~🐦🐦)来ていただけるとありがたい。

(「【マウント記事:後編】マウント取らせて! 女王ハチドリ🐦による『54字の物語』」につづく……)

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