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小説「方舟」(著)夕木春央 感想

 すっごく面白かったです!
さすが本屋大賞7位
非力すぎる書店員のわたしも
おすすめしたい一冊です。


 『方舟』
著 夕木 春央
 講談社



 おすすめポイントをつにまとめますと、
 

① 冒頭シーンから死体が転がっている


 地下建築の倉庫に死体が転がっていて
みんなそれを見て立ちつくしています。
犯人はこの9人の中にいることは
間違いありません。
誰もが怪しくないようで、
誰もが怪しい。
そんなシーンからこの小説は
始まります。



② 地下建築という特別な密室


 『方舟』といわれる地下建築の中で
過ごすことになった10人
狭い入り口を通り、みんなで入ります。
狭所が嫌いなわたしには
抵抗感しかなく、
そこからもう恐怖を感じました。
何が起こるか分からない雰囲気に
読んでいるだけでも、
ドキドキしてしまいます。
中は船のような形をした広い空間。
ここには何があるのでしょうか?
なんのために作られた場所なのでしょうか?


 

③ 殺人の犯人に犠牲になってもらえばよい


 あることで、地下に閉じ込められて
死体と過ごすことになってしまった9人は、
ひとりが犠牲になれば、8人が助かることに
気づきます。
殺人の犯人=悪いやつ=死んでもいい
という図により、
いろんな理由によって、密室での犯人探しが始まります。



 登場人物のそれぞれのキャラクターが
想像しやすくて、
難しい設定ながら細部まで考えられている構成が
凄すぎました。
最初と重要部分、好きな部分はもう一度読み返し、
余韻にひたりました。
もう一度読んで、
ああこれこうだったのか!
と新たな発見が出来たりもしました。
夕木さんの脳内を見てみたいです。
かなり綿密な方なのではないでしょうか。



 読み終わった後、
いきなり頭をかち割られるような衝撃を
受け、びっくりさせられました。
いつか映画化もあるのではないでしょうか?



 『ザリガニの鳴くところ』
文章中の自然の様子があまりにも詳細で、
時間をかけて孤独感を感じたので、
映画はもしかしたらイメージと違うかも?と思って
まだ観れていないのですが、
この映画化は観てみたいです!



 気になった方は是非読んでみてください。
ミステリー好きな方におすすめです♪

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紅きゆこ
雨が降る日もあれば晴れの日もある 映画や本はあなたを普通でいることの幸せを教えてくれますよ 今日の出会いに感謝!

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