ハンドルネームの由来。「くらどに屋」は「Cladonia」
どうも。くらどに屋です。医薬品関連の研究開発職をやりながら、ウェブライターやら農業やらをやっています。本記事では、ハンドルネーム「くらどに屋」の由来をご紹介します。
「くらどに屋」は「Cladonia」
「くらどに屋」は、ウェブライターとして初の案件を獲得したとき、とっさに思いついたライター名です。数秒で考えて、もう2年くらい使っており、なんなら青色申告の屋号にも使っています。
「くらどに屋」は「Cladonia」からとりました。これだけでピンときた方とは、とても趣味が合うかもしれません。たぶん、ピンとこない方が普通です。
Cladonia は地衣類の「ハナゴケ属」
↑ハナゴケ属の一種、コアカミゴケ。赤いベレー帽がお洒落です。
Cladonia とは、地衣類という生物の中の「ハナゴケ」という属の学名です。地衣類ってなんだ、というのと、ハナゴケってなんだ、というのを説明しないといけないので、地味に話が長くなりやすいのが悩みどころ。
地衣類とは、一言で表せば「光合成をする菌類」。ウメノキゴケやマツゲゴケなどの種類が代表的で、石垣や街路樹によくついています。植物のコケ(蘚苔類)とは完全な別物なのですが、その辺の違いはまた今度。
↑代表的な地衣類、ウメノキゴケ(ハナゴケ属ではない)。見たことありますよね?
カビやキノコなどの菌類(正確には「真菌類」。細菌やウイルスはまた完全な別物です)は、葉緑体を持たないので光合成ができません。だから木材や食品を分解して吸収したり、樹木の根と共生したりして、外部から養分を取り入れないといけないわけです。
しかし地衣類は、菌類でありながら体内に藻類(葉緑素を持つ微生物。平たく言えば植物プランクトンのなかま)を住まわせることで、光合成による自活を可能にしています。藻類が光合成で作った養分を、「家賃」として徴収して生きているんです。
なかなか賢い生き方ですよね。
そしてハナゴケ属(Cladonia)は、都市部から高山まで広く分布する地衣類のなかま。枝分かれする構造が多彩で、ナウシカの腐海のように広がる姿が幻想的です。ジオラマの樹木やリース飾りに使われたり、トナカイの餌になったりします。
↑ハナゴケ属の一種、ハナゴケ。山地の霧がかかる場所を好みます。
私は学生時代に地衣類の生態や造形にハマり、今でも行く先々で地衣類の写真を撮っています。中でもハナゴケ属は姿形が多彩であり、植物とは違う異質な雰囲気を放つ姿と相まって、言いようのない魅力を感じます。
「蝶屋」「鳥屋」とかの流れで「くらどに屋」
さて、生き物が好きな人々の間では、互いを敬意を込めて「〇〇屋」と呼ぶ風習があります。
網を振って蝶を捕るのは「蝶屋」
雨上がりにキノコを探しに山へ入るのは「キノコ屋」
冬に河原で双眼鏡を覗いているのは「鳥屋」
生き物好きのコミュニティで「あなたは何屋ですか?」と訊かれたら、「どんな生き物が好きですか?」と脳内変換してくださいね。
その流れで行けば、地衣類が好きな私は「地衣類屋」となります。地衣類の中でも特にハナゴケ属(Cladonia)の造形が好きなので、
「Cladonia屋」→「クラドニア屋」→「くらどに屋」
こうして、くらどに屋が生まれました。
終わりに
↑ハナゴケ属の一種、ヒメレンゲゴケ。石垣や街路樹の根本によく生えてます。
名前の由来の記事が、地衣類の紹介の記事みたいになりました。街中から高山まで分布し、たくましく生き抜く生物・地衣類を、今後ともよろしくお願いいたします。