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君を消せない

スマホが手放せないことが、通信障害のたびに痛感させられる。
何かを調べたい、何かに繋がったり便利に暮らしたい人ほど、ちょっと手に取ってしまうクセがある。
イコール、私。

そんな人を困らせるのは、通信障害だけではない。

迷惑メール

あまりに来るときがあって調べたら、悪意が隠されたアプリや広告などから個人情報が吸い取られたりすると。
新たな巧妙なものがどんどん来るわけだ。
名簿やランダム配列から生きてるアドレスと認識されてしまうのが主だったのは、もう遠い昔なんだなぁ。と遠い目をしている間に間違えて押してしまいそうになるその広告が危ない!かもしれない。
もうスマホみながら、寝落ちしている時代ではない。


そんな私の、ドキッとした迷惑メール ベスト3
を勝手に発表しよう。

第3位 宅急便不在連絡

これは、思わず見そうになるだろう。
あれ?何か予約とかしてたのかなとか。
しかし、うまく実在の宅配会社語るよね。
でも大概文章の出来がおかしい。
謎の一文字空欄、そして先方のアドレスがまあ適当。
よってドキッとするけどほっておいて大丈夫。
たまに本物が混じる可能性も秘めているが、宅配ボックスもあるし。

第2位 クレジットカード会社を装ったもの

引き落とされませんでした系の文句は、目を引く。
それはなくない?なぜ?と。
でもこれも、第3位と同じく文面が明らかに下手くそ変換があったりする。
そして極め付けが、「私、そのカード持ってないんだけど」
ここで、ニヤリと勝ち確定となる。


と、ここまではそれぞれの会社からも引っかからないように注意喚起や、対策が発表されている。
私も開くことはほぼない。アドレス確認だけだ。
しかし、私の第1位は……

第1位 実在の芸能人からのメール⁉️

始めに来たのは、あちこちに引っ張りだこの有名な女性芸能人だった。
件名にもう、『○○○○です。』みたいに書いてある。
「へー!これは斬新な手口だね!」
当然知り合いであるはずがないその名前を見ることによって、効果はあるだろう。
面白半分に開いてしまう人、いるだろうな。
妙な感心をしながら、ゴミ箱にポイ。

次に来たのは、結構人気な男性芸能人で。
前と同じように件名で名乗っている。
しかし知り合いではない確率の方が高い迷惑メールには、もはや余裕すら生まれる。
「今度はあなたなの、ふーん」
そう思っていた私のもとへ、その人からメールは立て続けに来た。
『○○○○です。同窓会をやるので返事を…』
同窓会⁈ いやいや、それは事実じゃないしそこでアウト確定なのよ。しかも件名で話す⁈
「それはないわぁ。嘘が下手ね」
なぜか悪女を装って、ゴミ箱へポイ。

しばらく経って、また芸能人かららしきメールが来た。
「⁈⁈」
私は一瞬固まった。
かつての推しの名前が書いてある。
『○○○○です。』
いやいやいやいや、待って。
そんな最近検索とかしてないよ?
どうして出てきたの?
結構な動揺を引きずりながら、呆然とメールの件名を凝視する。
そしてそんな感情を読み取ったかのように、再びのメールが。
『○○○○です。連絡先無くしちゃって』
そもそもがだよ、連絡先を知るはずがないでしょ?
もう当たり前の事実と夢の狭間が、残念さまでかもしだしそうなツッコミにかわる。

そこに決定打が受信される。
『○○○○です。○○さんですよね?』

サァーっと熱がひくように、蛙化する。
これがリアル蛙化か。
「誰?その女……私、じゃないけど」
現実でも出くわさないような修羅場にいる気分で、口にしたこともない台詞が脳裏に浮かぶ。

さよなら、かつての思い出。
ゴミ箱に入れる気にはそれでもなれなかったメールは、もう受信箱の端から転げ落ちただろうか。
ちょっと切ない気持ちにさせる迷惑メールは、罪づくりでしかない。

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