武器は「凡事徹底」、葛藤の末に見出した支社最年長の戦い方|馬場 悠史
2020年2月、東京本社、関西、東海、九州、東北、北信越に次ぐ7つ目の拠点として、中四国支社(※現在の中国支社)が開設されました。
中国支社のメンバーは、高齢化・人口減少が加速している中、企業を成長させる新たな選択肢として、外部のプロ人材活用「プロシェアリング」の提案活動に励んでいます。
若手メンバーの多い中国支社を、最年長として支えているのが馬場 悠史さんです。
息をするように「当たり前」を徹底する馬場さんは、メンバーにも兄貴的存在として慕われており、2022年6月度、その責任ある仕事ぶりが実を結びMVP賞を受賞しました。
「入社当時は、基本行動のレベルが低く人に頼ることもできず、成果の出ない日々が続いていました」と語る馬場さん。
成果が出ない日々を乗り越え、MVP賞を受賞するまでの背景には、並々ならぬ努力と自己変革がありました。今回はそんな馬場さんに、入社してから今に至るまでの経験や今後の展望について、お話を伺います。
1. 個人事業主からサーキュレーションへ
ーー馬場さん、この度は6月度MVPの受賞おめでとうございます!
馬場:
ありがとうございます!
ーーまず馬場さんのファーストキャリアについて教えてください!
馬場:
ファーストキャリアではエネルギーの専門商社で法人営業を行っていました。
インフラの重要性に気付いたのは、就活中に東日本大震災を経験した時です。地元仙台に震災が直撃して、電気やガスが止まりました。その時インフラ系を支えるやりがいに気づき、必要不可欠な仕事であるというところから、幅広く電気・ガスなどに目を向けて就活していました。
入社後の配属は仙台支社になり、地場のガソリンスタンドや量販店に燃料の卸を行っていました。基本的にはルート営業がメインで、3年程勤務したのち、個人事業主になりました。
ーー震災のご経験がキャリアに影響しているんですね。エネルギー商社から個人事業主になられたきっかけは何かあったのでしょうか?
馬場:
あまり大手の看板に頼らずに、自分で色々やってみたいと思ったのがきっかけです。専門商社を辞めてから、東京に出て個人事業主として営業代行の仕事を3、4年くらいしていました。
ただ、今振り返ると私は前線に立って動くというよりは1.5列目、2列目でサポートする側の方が性に合っているので、個人事業主はあまり向いてなかったんじゃないかなとは、思っています(笑)
ーー「1.5列目、2列目でサポートする」というのは具体的にどのようなイメージでしょうか?
馬場:
小中高サッカーをやっていたのですが、その時から自分が点を取るよりも味方のサポートをすることに喜びを感じていて。自分からシュートを打ちにいくというよりは、ゴールを決めるためのアシストをするようなイメージですね。
一歩引いたところから全体を見て、最後自分がお膳立てしてゴールに繋げたり、チームメイトが喜んでるのを見て一緒に喜ぶみたいな。これが楽しいなと思っていて、今でもサポートする方が性に合っていると思っています。
ーー私もサポートすることが好きなので、その感覚はよくわかります。個人事業主からなぜサーキュレーションを次のステップに選ばれたのでしょうか?
馬場:
個人の仕事の面白さや難しさを感じながらも、インパクトのある仕事は一人では限界があるなと感じていたからです。
30歳を迎えるにあたって、自分のキャリアをどうしていくか、迷った時期がありました。そんな折、たまたまサーキュレーションと出会い、「新しい働く価値観を創る」というミッションややっている事業内容に共感して、入社しました。
ーーサーキュレーションのミッションのどんなところに惹かれたんですか?
馬場:
これから日本社会全体として働き方が変わり、個人事業主が増えてくると言われています。その中で、優秀な方々が、より活躍できる土壌づくりを支えられるのはすごく面白そうだし、社会的にもインパクトのある仕事なんじゃないかと思いました。
ーーサーキュレーションに入社してから、これまでどのようなミッションに取り組んできたのでしょうか?
馬場:
入社直後は、首都圏のIT企業のお客様に対して提案活動を行っていました。
2年目からは、中四国支社(※当時)設立のタイミングで異動し、中国エリアのお客様にプロシェアリングを活用していただくため、日々奔走しています。
エリアの特性で言うと、お客様のほぼ100%がアライアンスを締結している銀行様からのご紹介なので、銀行様の開拓やアライアンス先とのコミュニケーションをとりながら、地場の中小企業を中心に提案活動を行っています。
2. 「プライドを理由に頼らない」をやめた。
ーー個人事業主として働いた後、サーキュレーションに入社して、今度はプロ人材である個人事業主の活用を提案する立場になりましたが、ギャップを感じることなどはありましたか?
馬場:
個人事業主の時は、基本的には一人で仕事をしていました。
一転して、サーキュレーションのコンサルタントになると、例えばお客様に提案をする際、ご提案先の社長様はもちろん、プロ人材、アライアンス先など、多岐にわたるステークホルダーを巻き込みながら進めていく必要があり、今までの自分の仕事の進め方と比較して大きなギャップを感じました。
また、サーキュレーションの仕事は経営者を相手にするので、初回訪問でのニーズ喚起、経営課題の特定からの提案など、一つひとつ求められるレベルが高いです。
その中で、入社当時の自分は、経営テーマの知識不足、提案力不足、提案のスピードが遅いなど、基本行動のレベルが低い上に、自分で全てやりきろうという意識が強かったので、入社してから1年ほどは、なかなか成果が出ずかなり苦戦しました。
ーー1年間成果が出ないと挫けてしまいそうですが、どのように乗り越えられたのでしょう?
馬場:
2年目に全く環境の違う中四国支社(※当時)に来てからは、できない自分をしっかり認めて、成果を出しているリーダーやマネジャーなどのやり方を徹底的に真似しました。特に、サーキュレーションのサービスを如何に魅力的に伝えられるかという点には拘り、会社説明のロープレを実施しお客様への提案活動の基礎から見直していきました。
もう一つ変わったことは、「頼る」ということをうまくできるようになったという点です。
わからないことやお客様からのご要望に対しては、自分一人で解決するのではなく、周りの人にも相談しながら進めるようになりました。
ーー人に頼るのが私はとても苦手です。馬場さんはどのように頼れないところから克服されたのかが、気になります。
馬場:
難しいですよね。自分もプライドが高く、自分でやりたいと思ったり、人の時間を奪うのが申し訳ないと感じるタイプでした。
とはいえ、成果が出ていない時期に、自分が悩んでいるのは周りにはバレていたので、頼るという選択肢を後々取るなら、早いうちに上司に相談しておいた方がいいなと思いました。
何より今のやり方を変えなければ、いつまで経っても成果が出ないことへの危機感が大きかったです。実際に思い切って人に頼ってみると、そこから徐々に成果が出るようになり、教えてもらう機会も増えた分、自分の成長に繋がっているという実感もありました。「なんでこれをもっと前からやらなかったんだろう」と思いましたね。
また、今の中国支社のメンバーは若手が多く、僕が支社で最年長です。若手が頑張っている以上、当然最年長の自分ももっと頑張らなきゃいけないという思いもありました。
日々、スピード感を持って業務にあたるように行動を変えるなど、凡事徹底を意識した結果、MVPを取ることができたのかなと思っています。
3. 支社最年長として、凡事徹底で背中を見せる。
ーーMVPの表彰状の中でも「兄貴的存在で皆様から慕われている」というお話がありました。
馬場:
支社では最年長。まだまだ、支社のリーダーも新卒4年目で若いので、ビジネスマナーや社会人としての当たり前の基準は、最年長の僕が一番できてないとおかしいと自負しています。
それらをしっかりと伝えていくのがミッションであり、当たり前だと思っています。
ーー素晴らしい心構えですね!
馬場:
僕が当たり前のことを怠ってしまう事で、支社のメンバーが対外的なコミュニケーションで失礼なことをしてしまう等は避けたいと思っています。
会社の看板を背負ってる以上、当たり前のことは当たり前にできるようになってもらいたいので、自分自身の行動を徹底することはもちろん、多少「口うるさいおじさん」と思われても仕方ない、という覚悟で支社メンバーに指導するようにしています。
偉そうにならないようにあくまでフラットに伝えることは意識しています。
ーー当たり前のことを当たり前に行うという凡事徹底を習慣化するのは、ハードルが高いと思うのですが、なぜ馬場さんは継続できたのでしょうか?
馬場:
習慣化って難しいですよね。
僕の場合は、僕自身がめんどくさがりなので、後々皺寄せがくるのが嫌で(笑)。当たり前のことって、結局いつかやらないといけないですしね。
自分自身成果が出なかった時期は、周りの優秀なコンサルと比較して、顧客フォローや細かい報連相など「当たり前」とされていることに十分手が回らなかったからだと思っています。今は、当たり前のことはタスクが小さいうちに手をつけるよう自分に鞭打っています。
習慣化が難しいからこそ、自分が凡事徹底できれば、若手の支社メンバーの見本になるのではないかとも思っています。
ーーメンバーのためを思って自身の行動を徹底し、指導を行う馬場さんはまさしくみんなの兄貴ですね!
馬場:
支社のメンバーの業務フォローや指導はもちろんですが、たまに自家製のカレーをオフィスに持っていって昼食として振る舞ったりもしてますね。(笑)
ーーカレー…ですか?
馬場:
実は、スパイスからカレーを作るのハマっていまして、かれこれ2、3年美味しいカレー作りの研究をしています。
メンバーから「おいしい」と言ってもらうことを励みに、カレー作りも継続しています。(笑)
ーーカレーも継続ですか!繋げてきましたね(笑)
カレーまで作ってくれるかっこいい兄貴的存在、羨ましいです(笑)
4. プロ人材に地方の魅力を伝え、やりがいをもって働ける基盤創りがしたい。
ーー馬場さんが社会に与えたいものって何でしょうか?
馬場:
プロ人材がイキイキ働ける機会を創りたいです。
ーー「イキイキ働ける」というのは、具体的にどういうものをイメージされているのでしょう?
馬場:
プロ人材に面白さとやりがいを感じながら働ける基盤創りがしたいです。
僕自身、中国支社に来て実感したのですが、中国地方にはまだメジャーじゃないにしても、面白いサービスを持った中小企業や、熱い思いを持った社長様が本当に多いんです。ただ、彼らは大抵ヒト・モノ・カネのヒトの部分で困っています。そこで、私たちコンサルタントがそんな企業と、例えば東京在住のプロ人材を繋げることで、プロ人材の方に「こんなに面白い企業が中国地方にあるんだ」と興味を持ってもらい、やりがいを持って支援してもらえたら嬉しいなと思っています。
ーー確かに地方であるが故に、面白い企業に人材や注目がなかなか集まりにくいということはあるのかもしれませんね。サーキュレーションで今後どんな挑戦をしていきたいですか?
馬場:
経営課題解決に困ったら、プロシェアリングを真っ先に行員様や社長様に思い浮かべてもらえるようなサービスにしていけたらなと思っていますね。直近では、まず中国地方でしっかりとサーキュレーションの名前をもっともっと広めて、「サーキュレーションにヒトや経営の部分は相談しよう」と思ってもらえる状態を今のメンバーと一緒になって創っていきたいと思っています。
ーー「困ったらまずサーキュレーション」という状態が実現できたら、プロシェアリングの可能性が広がりそうですね。
馬場:
はい。中国地方でサーキュレーションの名前を轟かせるという意味で言うと、まだまだ始まったばかりだと思っています。
達成度としても10%にも満たないくらいの印象でやれることはたくさんあると思っています。これからが勝負ですね!
ーーものすごく大きな挑戦をされているんですね。最後に、サーキュレーションに入ろうか迷っている人や、これから一緒に働く人に向けてメッセージをお願いします!
馬場:
本当に年次関係なく誰でも活躍・成長できるチャンスがどのタイミングでもあるのがうちの会社のいいところです。これからスキルアップしたいという人には最高の環境が整っていると思うので、是非お越しください!
ーー責任感の強さを感じられる馬場さんの言葉がとても胸に響きました。
心構えや姿勢の一つひとつが、周囲から「当たり前の基準が高い」と評価される所以なのだと思いました。馬場さん、改めておめでとうございます!
この記事を読んでくださった皆さん、サーキュレーションに少しでも興味を持っていただけたら、ぜひこちらもチェックしてみてください!最後までお読みいただきありがとうございました!
執筆者: 小宮陽菜
編集協力: 蜂谷 隆史、山下 起暖