「天路の旅人」 沢木耕太郎
2023年2月24日(金)
読了。
久しぶりの沢木の旅もの長編も
やはり素晴らしかった!
旅が終わってしまうのが惜しくて
でも旅の行方が気になって
結局あっというまに読み終わってしまった
長い時間をかけ西川から話を聞き
まとめ上げるのに何十年もかけた文章には
密偵としての旅の足取りに加えて
西川の人間性と仏教的人生哲学が
そしてそこから透ける沢木自身のそれが
削ぎ落とされた文体で詰め込まれている
西川の口調を思わせるような朴訥さと
そこはかとないあたたかみ
この本が出るまでは
木村と比して西川は
埋もれていた存在だったのかもしれない
そこに光を当てるのは
沢木の真骨頂ではないだろうか
私はといえばまた近頃
瞑想や禅の本を読み漁っていたので
なんとなく繋がった気がして
この本を買ってきてくれたオットにも感謝