人の顔が見えるもの
今年は野菜や果物、水産畜産を撮り続けて、この年齢まで知らなかった知識を得られることの特典に恵まれていると言っても過言ではありません。
例えば人参。人参に適しているのは肥沃な土壌であるというのは大いに頷けますが、実は土の質こそすべてで、成長過程で回転して円錐形を作っていくために固くなりすぎない等の土の質に左右されると云います。あの三角錐は土中回転に依る、野菜として生きている証であったという点に軽い衝撃を覚えました。回転的は大根も同様と伺いました。
また人参には不適でも、ゴボウは逆に固くなりやすい土の質の方が成育にはベターだと、日本における場所場所で特産となる野菜が異なるのは地形地理的状況と天候次第だと、改めてその成り立ちと先人の生きる知恵に人間力を垣間見れる瞬間を都度都度、感じる機会に遭遇できたのは発見でした。
一般論からなる農業人口や在り様への少子高齢化からの影響は確かに少なくないとは推察されますが、触れて感じる生産者さんの熱量は強力だとひしひし伝わります。
よく会話から「ま、私の代で」という本音なのか冗談めかした表現で場を和ませられる時、当たり前に日々口の中に入れている野菜諸々が勿論経済原理の行程で営まれているとしても、作られてる人の顔や関係方々の思いはもっと消費者に届けられてもいいのではと思わずにおれなくなるのです。
昨今、四季が安定せず寒暖差の準備が間に合わないと云われる中、収穫状況から野菜価格に直結したレポートが必ずニュースに取り上げられ一様に「価格が高い、高い」とそればかりが印象的な報道タイプだとやや閉口するにしても、売場で野菜を手にした時に、作り手の顔が私には最近思い浮かぶようになりました。
流通プロセスも勿論あっての売場だとは理解するのですが、やはり栽培から収穫して選果して梱包してと、このルーティンが機械的ではなく限りなく時間を要す手間の集積からの今なんだと、感動しながら売場で時折足を止めて買い物をすることも、余裕がある時にはオススメしたいと思います。
山口県では県農林水産部ぶちうまやまぐち推進課(画期的大胆な部署名!)の施策によるデジタルサイネージの縦185センチの電子看板が山口県下のスーパー、JA直売所、道の駅の協力120店舗にて設置されて各種映像コンテンツを観て遊べる仕組みとなっています。
上部にローテーションで流れている農水畜産のPVを担当いたしました。
まだまだ認知度は県内低いかもしれません。
これを機会に新しい野菜への視点を共有したいですね。
こちら本文登場の山口県内スーパー等売場にあるデジタルサイネージの立看板。
ぜひ目にしてもらえると嬉しいです🍀