what am i ? ②完全型アンドロゲン不応症の私の身体で起きていること
→ what am i ? ①染色体XYでも女性として生まれた私の続きです。
前回のまとめ
・完全型アンドロゲン不応症当事者の女性である私
・アンドロゲンは男性ホルモンの総称
・アンドロゲンが作用しないと胎内での発達は女性型のまま生まれてくる
アンドロゲン不応症の中でも、さらに細かく分類されます。
アンドロゲン不応症(AIS)には、完全型(CAIS)と部分型(PAIS)があります。
男性ホルモンがほぼ完全に作用することのない完全型(CAIS)と、
男性ホルモンが一部反応する部分型(PAIS)があります。
私は、完全型アンドロゲン不応症(CAIS)当事者です。
そのため、基本的に完全型アンドロゲン不応症の一当事者としての経験や知識であるとご理解をお願いいたします。
女性だけど、子宮卵巣はありません。
アンドロゲン不応症の場合、胎内で男性になる材料集めだけは頑張ってしていました。
そのため、身体の発達は女性形で止まってしまいますが、体内のホルモンを作り出す性器(内性器)は男性の多くと同じく精巣なんです。
女性の多くと同じような卵巣や子宮はもともと持っていません。
え?精巣があるなら、男性なんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。
ただ、私が持っているのは、正常に発達し機能的にも問題のない精巣ではなく、
精巣という器官に発達しきれなかった内性器の名残という方が近い気がしています。
昔使われていた疾患名「精巣性女性化症候群」にあるように、精巣が女性化していく疾患では決してないことがわかりますよね。
当事者やその家族に大きな誤解を与え、周囲の偏見を助長する疾患名のため、今では一般的に「アンドロゲン不応症」という正確に事実が伝わる名称が使われます。
アンドロゲン不応症への意見やイメージを見ていると、この辺りを大きく誤解している人は多そうです。(あくまで所感ですが…)
身体の成長はどのように起きるのか?
思春期に起きる身体の発育を考えてみます。
定型の身体をもつ男性だったら…
精巣という性腺から作られる男性ホルモンが作用して、体毛が濃くなったり、声変わりが起きたりなどの変化が見られます。
定型の身体もつ女性だったら…
卵巣という性腺から作られる女性ホルモンが作用することで、乳房が発達したり、月経がはじまったりなどの変化が見られます。
完全型アンドロゲン不応症の場合は…
未発達の精巣の名残である性腺から作られるのは男性ホルモン(テストステロン)です。
ただ、どれだけ沢山テストステロンが作られても、男性と同じように作用することはありません。
では、どうなるのか…?
体内の脂肪細胞内のアロマターゼ酵素によって、男性ホルモン(テストステロン)が女性ホルモン(エストロゲン)に変化して作用します。
その結果、女性と同じような外見的変化(乳房の発達など)が起きるんです。
しかし、子宮・卵巣はないので月経は起きず、脇や陰部への発毛などもほとんど発生しません。
ちょっと難しい話ですよね^^;
ただ、男性ホルモンが作用しない=女性のままで生まれた、ということを証明するように身体は男性ホルモンを女性ホルモンに変化させて成長していくんです。
人体って不思議ですよね。
実際に、学生の頃〜30代に突入した今まで、対外的に女性以外として扱われたことはありません。(染色体は目に見えないので、見た目で性別確認されたことないです)
※会社の健康診断の時に、医者にちゃんと疾患を伝えたのにも関わらず生理の有無を聞かれるなんてこともありましたが…苦笑
→もう少しだけ、続く!
なんか、難しい話が多かったように思います。
正直、部分型アンドロゲン不応症については、当事者でも無くなかなか情報を知る機会にも恵まれていません。当事者の知り合いもCAISが多いんです。
また、あくまで当事者である私自身の所感や経験からの内容であるため、医学的には〜や生物学的には〜と見解が異なることもあるかもしれません。
そこは、当事者女性がどのように人権を守って欲しいのか、世間の偏見から決裂したいのかなどの視点でも見ていただけるとありがたいです!
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