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2024年 散文詩

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2024年 自由に書いたここだけの話
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記事一覧

《詩》萎れた花

《詩》萎れた花

あなたの事を
嫌いになった訳じゃないわ
ただちょっと
疲れてしまったの

あなたの事を
嫌いになった訳じゃないわ
ただ少し
泣きすぎて悲しくなるの

あなたの事を
嫌いになった訳じゃないわ
もうあなたに期待できなくなったの

あなたと育ててた花は
私ばかりが水をあげすぎて
萎れたまんまなの

あなたが愛の肥料をあげないから
もうすぐ根っこまで枯れそうなの

どうしたら良かったの
どこで編み目を間違

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《詩》折句

《詩》折句


もうすこしだけ
このままこうして
だいじ だいじにしまいたい
いとおしいきみの
すきとおるそのひとみ
きすしそうなきょりかんで
だめだよそんなにみつめたら
よくばりがでてきちゃうから

《詩》わかっていても

《詩》わかっていても


わかっていても
二度寝はしてしまうし

わかっていても
ついお風呂は後回しだし

わかっていても
困ってる人がいれば戻ってでも助けてしまうし

わかっていても
毎日アイスは食べちゃうし

わかっていても
またお酒を飲みすぎてしまって

わかっていても
またこうして君に会いに行ってしまう

わかっているのに
君を拒否できなくて今日も愛を受け入れてしまう

わかっているから
気持ちを誤魔化すためにま

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《詩》言葉の優しさ

《詩》言葉の優しさ


君は
私と違って
きっと一呼吸一飲みして
私と愛情という言葉遊びをしてくれてるのね

私は思ったらそのまま
たまに考えるけど
基本的そのまま感情を言葉にするけれど

君は
きっと言いたいことやぶつけたい気持ちを
言葉を選んで話してくれてるね

語尾を気をつけたり
傷つかないような言葉で

そんなところから君の優しさを感じてしまう
そんなところに君からの愛されてるを感じてしまう

優しさが溢れ出て

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《詩》多分初恋だった人

《詩》多分初恋だった人


昔好きだった人が今日結婚した

昔好きだった
昔から好きだった人
ほぼ初恋みたいな人

もう気軽に電話かけられなくなっちゃったな

別に今もすごく好きなわけじゃない
付き合いたいと思ったことがあったわけじゃない
ただ少しまだ少し
想ってる隙間があっただけの人

彼が幸せになれるなら
おめでとうと言うべき事なのに

なんだか少し悲しくなる
どこにも行けないこの想いをどうしてくれようか

大人になっ

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《詩》秘密の宝箱

《詩》秘密の宝箱

このまま
君とサヨナラして
明日から
前の関係に戻ったら

お互いに普通の幸せになれるかな。

きっと私は
大人だからと意地張って
気持ちを隠すことに慣れてるから
ちょっと悲しいけど
何も無かったと
これでよかったと、
あの日々は幸せな夢だったと

頑張って思うから

君は
もっとわかりやすい
もっと一般的な
もっと皆が賛同するような
もっと最初から上手くいくような
もっと頑張りすぎない
もっと大

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《詩》贅沢病

《詩》贅沢病

人は沢山のそれぞれのないものねだりを抱える

私たちは基本的五体満足に産まれてきて
雨風凌げる家があり
父も母も存在して
暖かな食事と綺麗に洗濯された服と布団があり
清潔な水と体を温める程のお風呂もあり
遊び道具も暇つぶしさえ与えられて
職もあり友もいる。

それなのに満たされないと
それなのに死にたいと
それなのに不幸だと

嘆く私は贅沢病だと言われた。

そうだね。その通りさ
贅沢な人生だと思

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《詩》いちょう並木

《詩》いちょう並木

君の家に
続くこの
いちょう並木を
来年も歩けるのかな

黄色い絨毯が
君の部屋までのみちしるべ

全部の葉が落ちてしまった時に
私の中の気持ちも
埋もれてしまうのかな

乾いた音が
胸を少しドキドキさせるの

綺麗な黄色が
君の心の色に似ているから

《詩》夢心地

《詩》夢心地


夢心地でうつらうつら
ぼーっとする呼吸が少し苦しいくらいの
そんな微かな瞬間の中で
君に抱かれてる時だけ
現実から逃れられていられる。

麻の葉の香りの中に
2人の体温は焼け焦がれて
カーテンの奥の窓ガラスが結露する

外は寒いから
2人で体温を分け合おうよ
外は星たちが噂話をしてるから
2人でこのまま朝まで隠れていようよ

《詩》captivate

《詩》captivate


“好き”って単純な気持ちだけなのに
自分を 生活を 時間を 心まで
捧げられてしまう程 パワーや体力を使ってしまう

真っ直ぐで純粋とは
どんな言い訳もどんな縛りも
粉々にできてしまう 複雑で強くて美しい魔法だと思う

昔 私にもそんな時期があったような
昔そんな事を私もしたような

遠い遠い儚くてまだ穢れも泥の味も硝子の痛さも
何も知らない あの頃の私のよう。

人はいつか通る道なんだね。

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《詩》理由

《詩》理由

生きているから息をするのか
息を吸うから生きてるのか

キスをするからまた会いたくなるのか
また会いたいからキスをするのか

理由を知りなくなるのは確信がほしいから

《詩》悩み事

《詩》悩み事

僕ら人間は
欲と矛盾が交差してる

正当性のレールを引こうとすると
強欲は増してトロッコ問題

言い訳を募っては心を縛って痛めつける

大切なもの程指紋がつきやすくて

どうでもいいものほど固く壊れにくかったりする

太陽の反射板は今日も一日満ち欠けて

君の香りが消えないの

《詩》白馬の王子様

《詩》白馬の王子様

君は王子様みたい。
おとぎ話に出てくる強くて勇敢な愛の王子様

その手に引かれてしまえれば
どんなにいいだろうか

幸せが待ってるだなんて簡単に言うけど

私たちはまだかくれんぼ

綺麗な小川を飛び越えられない

鳥たちが囁く

王子様はあっちだと

私は泣いて背を向ける

まだ捕まえないで

次の満月の夜にお城を抜け出すから

《詩》家出

《詩》家出


私がいない部屋に
帰るあなたは
どんな気持ちで今日を過ごしたんだろう

私が毎日感じる気持ちを
あなたにも味わってほしかった
私がいつまでもあなたの傍から離れないなんて
自惚れないで欲しかった
きちんと掴んでおかないと離れてしまうような
存在だと感じて欲しかった

傷つけばいいと
上辺では思ったけど
傷つけるのはやはり性にあわなくて

あなたの待つ家に結局帰るしかなくて
私の精一杯の家出は
一日

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