ドイツ通なら知っている?今もドイツで愛される旧東ドイツ生まれのVita Colaとそれを支えたOstalgieとは?
Hallo!
こんにちは!
段々と日本も夏の気温に近付いてきましたね。
暑い日にはキンキンに冷えたコーラが最高です!
さて、
早速ですが、
今回はドイツ通なら知っている、
旧東ドイツのご当地コーラを紹介します!
その名は、、、
Vita Cola! (ビタコーラ)
です!
1. Vita Cola! (ビタコーラ)とは?
これですこれ!(撮影:筆者)
Vita Colaとは、
強いレモン味と控えめな甘さが特徴のコーラで、
冷戦時ドイツの東西が分断していた頃、東側で誕生しました。
旧西側ではあまり流通していないので、もしかすると見たことがない人も多いかもしれません。
2.入手方法
観光地で言うとベルリンや、ドレスデンなどの旧東側で飲むことができます。
また旧西側でも大手スーパーであるEdekaでVita Colaを見かけたことがあるので、Edekaでは取り扱いがあるのかもしれません。
飲んでみたい方はベルリンや旧東ドイツ側、もしくはEdekaに行ってみて下さい!
3. Vita Colaはここが面白い!
因みにVita Colaは、ドイツ中央部に位置するテューリンゲン州(Thüringen州)で生産されているのですが、
「なんと!テューリンゲン州ではコカコーラ社のコーラよりもVita Colaの方がシェアが大きい!」
これは世界的にもレアで、世界中のほとんどの地域ではコカコーラ社のコーラの方がご当地コーラより人気があります。
地元民に深く愛されるご当地コーラなんですね!
4. Vita Colaに訪れた危機
そんなVita Colaですが、実は過去に大きな危機を迎えたことがあるんです。
それは、1990年のドイツ再統一でした。
東西統一したことで、西側のものが東側に流れてくるようになります。
すると、ソフトドリンクの市場も西側の有名ブランドに奪われてしまいます。
そうした危機的状況を救ったのが
Ostalgie(オスタルギー)
でした。
5. Vita Colaを救ったOstalgie(オスタルギー)とは?
これはOsten(東)とNostalgie(ノスタルジー)から成る言葉で、
「東ドイツ時代(DDR)のものへ懐かしく思う気持ち」のような意味です。
感覚的には「昭和を感じさせるレトロなものへの郷愁」に少し近いかもしれません。
1990年に再統一されたドイツですが、「統一」とは言うものの、実際のところは「東側が西側に吸収された」ような形でした。
西側に比べ、貧しかった東側の人々はOssi(オッシー)と呼ばれ、西側の人々を指すWessi(ヴェッシー)はオッシーよりも優れているという"Besserwessi"なんて言葉(ドイツ語の駄洒落)も生まれます。
ドイツ再統一には
「東側体制だけでなく、東側の良かった文化までも否定してしまう」
といった側面があり、それに反発するように生まれたのが
Ostalgie(オスタルギー)
でした。
6. Vita Colaの復活
そうした中、旧東側ではDDR(ドイツ民主共和国)時代を感じさせる商品やデザインが次第に人気になります。
日本にもファンが多いアンペルマン信号機(Ampelmännchen)もその一つでした。
「東ドイツ体制は良くなかったが、その時代のいいものはちゃんと残そう」
旧東ドイツの人にとってVita ColaはOstalgieを感じさせてくれる商品だったんですね。
OstalgieによってVita Colaは人気を取り戻し、現在ではDDRの産物の代表という地位を築き上げることができました!
これがVita ColaとOstalgieのストーリーです!
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因みに、写真はドイツ人女優Teresa Weißbachで、映画Sonnenalleeからワンシーンです。東ベルリンの若者が舞台の映画で、トレーラーの冒頭で男性が壁の向こう側にいる西側の女性から"Guck mal! Ossi!"(こっち見て!オッシー!)とからかわれているのが分かります。
英語字幕ですが、YouTubeに本編もあるので、気になる人は見てみて下さい。
7. 最後に
長くなりましたが、今回紹介したVita Colaはドイツの歴史を感じることができる飲み物の一つであります。
誤解しないで頂きたいのは、Ostalgieは決して「東側体勢への回帰」を望んでいるのではなく、「過去の良かったものはちゃんと残そう」という気持ちによるものです。
コロナ蔓延のため、海外旅行には行けませんが、旅行解禁になったら是非ドイツでVita Colaを探してみて下さい!
ベルリン、ドレスデン、ライプチヒ、エアフルトなどを旅行される方は特にオススメです!
ではでは
余談:ドイツにより詳しくなる豆知識
ここからは少し豆知識。
僕の住んでいたテューリンゲン州ですが、
Das Grüne Herz Deutschlands(ドイツの緑の心臓)
という別名があるくらい、緑が豊かな州です。
地上からでもかなり遠くまで見渡すことができる一面の緑は、山が多い日本ではなかなか見ることができない光景じゃないでしょうか?
テューリンゲン州といえば、ソーセージや歴史(ワイマールやアイゼナハなど)、バウハウス、そしてもちろんVita Colaが有名ですが、個人的にはドイツ屈指の緑の豊かさが一番の魅了だと思います!
こんな感じでの光景が広がっています。
それではまた!