ゲームクリエイターを目指した私が、ゲーム会社に就職しないことを決めた理由
こんにちは、ゆーりんちです。ゲームを作ったりしている人です。
いま、日本でゲームに関わる仕事や、ゲームを作る仕事をしたい方は、数多くいると思います。
私は、ふつーのサラリーマンをずっとやっていましたが、30手前になってから突如ゲームを作る仕事をしたいと思い立ち、ゲームを作り始めました。
そんな私が、自分のキャリアをどのように考えて、どのようにキャリア選択したかをまとめたいと思います。
ゲームを作る仕事をしてみたい方の一つの参考になれば幸いです。
それでは本題。
なぜゲームを作り始めたか?
私は、生まれてこの方、ゲーム業界のみならず、クリエイティブとはまったくの無関係の人間でした。親も普通のサラリーマン。
もともと絵を書いていたわけでも、音楽を習っていたわけでも、プログラミングが出来るわけでもなく、特別なスキルもない人。
(けど、多分こういう方が日本のマジョリティーだとは思います。)
ただ、ある時から突然ゲームを作りたいと思い立ち、23時まで会社の仕事をして、2時までゲームの作り方を勉強する、みたいな生活を続けていました。
けど、そんな生活もさすがに体が持たず、前にいた会社のやり方に違和感を感じていたので、いっそのことと思い、会社を辞めてしまいました!!
ただ、さすがに完全に無計画で会社を辞める訳にもいかないので、私は以下の戦略で、ゲームを作ることを仕事にする、という計画を最初立てました。
みんなが知っている任◯堂、CAPC◯M、S◯GAみたいな、大手のゲーム会社に就職出来たらいいなぁ~くらいに考えていました。(いま思うとメチャクチャ甘い考えだった…)
こんな甘い考えを持ちつつも、上記の戦略を実現するために、具体的に以下のような下積み的活動を約1年することにしました。
これらをいずれも実践は出来たのですが、そういった活動を1年続けた結果、結論としては「ゲーム会社へ就職する」という選択を、取らないことにしました。
なぜゲーム会社へ就職するという選択をやめたか?
大きい理由は2つありました。
1.ゲーム会社でゲームを作る場合のゲーム作り、に対する解像度が上がったから
2.「ゲーム会社に就職すること」以外にも「ゲーム作り」を仕事に出来ると気づいたから
どういうことか、順に書いていきます。
1.ゲーム会社でゲームを作る場合のゲーム作りに対する解像度が上がったから
ゲーム業界の中の人や、元ゲーム業界の人と何人か話を聞く中で、大手ゲーム会社でゲームを作るということへの理解が上がってきました。
いろんな方からお話を聞く中で、私なりの大手のゲーム会社に対する所感は以下のとおりでした。
(※注:ほんの一部のサンプルを元に書いている訳で、全部の会社がそうということを言っている訳では無いです。そういう傾向があると私が思ったというだけなので、鵜呑みにしないでくださいね)
良い悪いという話ではなく、大規模なゲームを作らないといけない大きい会社であれば、こういうやり方にならざるを得ない、ということなのかな、と。
大手のゲーム会社に入ることで、トップクリエイターの近くで一緒に仕事が出来るという、超超プラスの面もあります。
また、どんな環境であっても、成長出来るかどうかは、結局は自分のやる気や、向き合い方次第でもあるとは思います。
ただ、当然、大手ゲーム会社でゲームを作るということは、「俺がこのゲームを作った!」という仕事が出来るというものでは当然ないのかな、と。
会社としてゲームを作るということの理解度が上がってきた時に、
①自分に適している仕事
②ゲーム会社で働くとした時の仕事
が本当にマッチしているのか、を考えるようになりました。
そこで、「自分に適している仕事」が一体なにかを、深堀りしようと思いました。
2.自分に適している仕事は何なのか?
任天堂の元社長、故・岩田聡氏は、かつて天職というものについて、以下の持論を述べています。
この言葉の私なりの解釈としては、自分に一番適した仕事というのは、「やりたいこと」だけでもなく、「得意なこと」だけでもなく、「やりたいこと」と「得意なこと」が噛み合う仕事、だと思うわけです。
私は、「ゲームを作る」ことが好きです、やりたいことです。
このやりたいと思うモチベーションは、
「自分が『楽しい』と感じた体験を、他の人にも同じように『楽しい』と感じて欲しい」というものです。
そして得意なことは、システムを作る、ということです。
これは、プログラミングが得意ということではなく、全体を俯瞰して何が目的かを明確にし、目的に必要な組織やモノを構造化して分解し、個別の具体的な内容に落とし込む、ということが得意みたいです。
そうした時に、この「やりたいこと」と「得意なこと」が、ゲーム会社での仕事と、どれだけマッチしているか?を考えると、実はそこまでマッチしていないのではないか、と考えるようになりました。
先ほど書いた通り、ゲーム会社がメインで求めている人材は、誰かが作りたいゲームの一部分を、高いスペシャリティを持って作り上げることが出来る人間です(私の想定)。
それは、「自分が楽しいと思うことを誰かに伝えていく」という、私のやりたいこと少し外れているのでは、と思った訳です。
また、ゲーム会社での開発が専業化しているということは、よりミクロな世界でものを作るということでもあります。
もちろんミクロな世界でも、全体最適が必要なケースは多々ありますが、「自分の得意なこと」である、全体を俯瞰して「システムを作る」ということを活かせるのではないのかな、と。
そうなると、1年前に描いていた大手のゲーム会社に就職するという選択肢は、徐々に違うのではないかな、と考えるようになりました。
じゃあどうやってお金を稼ごう?
ただ、現実問題お金が無いと生きていけません。
生きるためには、どうやってお金を得るかを考えないといけません。
何かしらの仕事をしないといけません。
インディーゲーム制作会社に就職するとか、業務委託をしながら個人ゲーム開発としてやっていくという選択肢もあったのですが、私は別の選択肢を取ることにしました。
それは、大手のゲーム会社では出来ないような、新たなゲームを使った事業を作ることです。
大手のゲーム会社がやっていることを真似した事業で勝負しても、多少のおこぼれはあるかもしれませんが、それでは食いつぶされてしまうだけです。
勝ち目はありません。
なので、大手では出来ない・やらない領域で勝負をする形で事業を始めます。
具体的には、1人~3人で1週間~1ヶ月で制作出来る小さなゲームを提供する事業です。
そんなものに需要があるの?と思う人もいるかもしれませんが、実はそういった小さいゲームが必要とされている場面が、世の中には意外とあるのです(まだ具体的には書けないのですが)。
「ゲームを企画・制作をすることで、自分が楽しいと思うことを誰かに提供」し、「全体を俯瞰して事業を作り上げる」という仕事は、まさに自分の中の「やりたいこと」と「得意なこと」がマッチしたものだと思うわけです。
まだまだ走り始めの状態ではありますが、若干の手応えは生まれつつあります。
一緒に働きませんか?
ですが、現在、この事業が非常にピンチの状態です。
なぜかというと、人手が圧倒的に足りないのです。受けている仕事に対して圧倒的に人が足りていません。
アルバイト的に1-2ヶ月のような短期でも構いませんし、中長期的な業務委託契約でも構いません。
一緒に働いていただける方を募集しています。
条件は、「楽しいと思えるゲームアイディアを考え、それが実装出来る人」、それだけです。
一緒に働いていただける方には、できる限りの私が持ちうるノウハウを提供します。
具体的な条件やもっと詳しく知りたい方、話だけでも聞いてみたい方は、ぜひぜひ最後に記載しているTwitter(X)のDMからご連絡ください!
参考:法人情報
https://bufff.co.jp/
まとめ
以上が「ゲームクリエイター」を目指していた私が、ゲーム会社に就職しない、という選択をした理由でした。
まだまだ下っ端クリエイターの私が書くのもなんですが、クリエイターを目指す人には、「なぜ自分は創造という行為をしたいと思ったのか?」を掘り下げてみることをオススメします。
なぜなら、この「なぜ」を掘り下げると、方法に固執しなくて済むからです。
私の場合、「ゲームを作りたい」と思ったのは、あくまで自分のやりたいことを実現出来る1つの手段だったからでした。
なので、仮に今後「ゲームを作る」という手段が、自分にとって失敗だったと分かったとしても、方向転換をすることが出来ます。
「ゲーム作り」は失敗だった…と分かったら、次はまた別の方法で、「自分がやりたいこと」と「自分が得意なこと」との掛け合わせを探して生きていくと思います。
「なぜ」を突き詰め、根本がしっかりしていれば、1つの方法で仮に失敗しても決して絶望する必要はないのです。
色んな体験・経験をして、広い視野でこの世の中には、どんな方法があるのか、どんな世界があるのかを多く知っていくと、より最適なキャリア選択が出来るのではないかな、と私は思います。
偉そうに色々と失礼しました。
それでは、素敵なゲーム制作ライフを!
Twitter(X)
https://x.com/mitakamikata