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お好み焼きだけじゃない。外国人イチオシグルメ 通訳ガイドに聞きました!
新型コロナウイルス感染拡大の第7波が押し寄せる一方、観光は本格化し始めています。入国手続きが緩和され、外国人観光客の増加が期待される広島。受け入れ準備を進める通訳ガイドに、外国人のお気に入りの味を聞いてみました。お好み焼きだけではない、イチオシの広島グルメは?(赤江裕紀)
広島の通訳ガイドにアンケート
アンケートは2022年6月、全国通訳案内士が加入する一般社団法人ひろしま通訳・ガイド協会(HIGA)と共同で協会員を対象に「外国人に人気の場所や食べ物」について実施。16人から回答を得た。
人気の場所は、厳島神社(廿日市市)やマツダスタジアム(広島市南区)、ばら公園(福山市)など定番が大半だった。一方、気に入った味はお好み焼きだけでなく、手打ちそばやかきフライなどさまざま。中でも記者が気になったエスプレッソ、ふりかけ、仕込み水の三つの味を訪ねてみた。
エスプレッソ 長旅の疲れ癒やす一杯
英語とイタリア語の通訳案内士、井瀧伸さん(72)=広島市安佐南区=がイタリア人の「折り紙付き」と推すのが、宮島(廿日市市)にある「伊都岐珈琲」の2店舗で飲めるエスプレッソだ。「オッティモ(最高)とかボーノ(おいしい)って喜んでくれる」と井瀧さん。島を訪れる時にはよく散策コースに組み込み、有名なサッカー選手も案内した。
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深いりで極細びきの豆を、高圧力で抽出するイタリア発祥の飲み方。同店はブラジルなど3カ国の豆を自家焙煎し、イタリア製の機械で入れる。本場の客も納得する味を生みだす畑中友里専務(32)は「同じ豆と機械を使っても豆の細かさにより味は変わる。入れる私たちも毎回緊張するほどです。褒められてうれしい」と喜ぶ。
イタリア人は10日から2週間かけて東京や京都から順に日本を巡ることが多く、「広島に到着する頃には少々、疲れ気味。そんな時、おいしいエスプレッソを口にするとくつろぐんでしょうね」と井瀧さん。自身もかつて商社に勤務し計9年間イタリアで暮らしていた。「厳島神社の回廊から見える魚を食べてみたいと冗談を言うこともあるが、自然豊かな島の雰囲気に皆さんとりこになる。山や海を見ながらの一杯にほっとしてもらいたい」と話す。
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ふりかけ 白米が苦手でもこれさえあれば
複数の会員が挙げたのが三島食品(広島市中区)のふりかけ。「白米が苦手という外国人は多い」とフランス語通訳の女性(62)=廿日市市=は話す。ガイドした西アフリカからのJICA(国際協力機構)研修員にふりかけを薦めたところ、こわごわご飯にかけていたが、一口食べておいしいと喜んでいたと振り返る。母国で白米を食べる文化はなく、日本でふりかけに出合う以前は、ご飯に塩やしょうゆをかけて食べていたという。
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三島食品によると、ふりかけ商品は既に海外で人気があるとする。一番の売れ筋は刻みのりと黒ごま、白ごまが入った「海苔香味」だ。米国のハワイやロサンゼルスで、ポップコーンやサラダにかける調味料として使われ評判になっている。同社の商品は40カ国以上で流通しているが、白米にかける「ふりかけ」としての知名度は世界ではもう一歩という。
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広報兼直販事業マネジャーの佐伯俊彦さん(55)は「外国人は白米が苦手と初めて聞いた。宿泊施設などに売り込み、多くの外国人に喜んでもらいたい」と話していた。
仕込み水 東広島市の酒蔵通りで「飲み歩き」
HIGAの畝崎雅子会長(64)=広島市中区=のお薦めは、東広島市西条地区の酒造りに使う地下水「仕込み水」だ。海外で日本酒は人気があり、「おいしいお酒が飲みたい」とのリクエストは多い。家族連れなどで酒が飲めない人や子どもも楽しめるのが「利き水」巡りだ。
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西条地区では、酒蔵通り一帯の5軒の酒蔵が仕込み水を無料提供している。日本では軟水が一般的だが、仕込み水は中硬水。海外の硬水とも異なり、興味を持つ外国人は多いという。畝崎さんは「白壁の街並みも風情がある。日本の伝統的な食の基本はおいしい水だと知ってほしい」と思いを込める。
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賀茂泉酒造は、喫茶「酒泉館」前に水の湧き場がある。炊飯やコーヒー用にくみに通う市民もいる。同社の前垣寿男会長(75)は「最近は、世界に日本酒の素晴らしさが広まっている。水の飲み歩きも楽しんでほしい」と話していた。