アメリカの読み書き障害の子への支援法にみる、小学校の英語の教科化へのヒント
息子と私がアメリカに来た時、息子は全く英語が話せず、私も日常会話がやっとの状態でした。
息子の日本語での会話も、アスペルガーの子特有のオウム返しや紋切型の会話がメインだった状態。
そんな息子がみるみるうちに英語を話し、書けるようになったんだよね。
それは、息子の支援級の担任の先生が、Orton-Gillinghamというディスレクシアなどの学習障害(LD)がある子供向けの多感覚教授法の有資格者でその支援方法で英語の基礎を習えたから。
Orton-Gillingham多感覚アプローチっていうのは、
・聴覚
・視覚
・身体性感覚(筋肉などの体の動きのフィードバック)
を使って文字の読み書き等を教える方法で、息子はLDがあったわけじゃなかったんだけど、担任の先生の判断で使ってみたら大はまり!!!
そのOrton-Gillingham多感覚アプローチのキーとなるのがフォニックス。
英語って日本語の読みと違って、アルファベットそのものの発音と、それが単語を構成した時の発音が違うから難しいんだよね(それが、英語圏でディスレクシアの人が多い要因とも言われてる…)。
例えば、アルファベットのAは「エー」だけど、フォニックスは「ェア」。C(シー)はフォニックスでは「クッ」、T(ティー)はフォニックスでは「トゥッ」。
だからCATは、スペルは「シーエーティー」だけど、フォニックスだと「クッ」+「ェア」+「トゥッ」でキャット(実際の発音はちょっとキャットじゃないけど、日本語での表現はこれが限界…)。
これを徹底的にアメリカの子供達は繰り返し練習します。
そこに、LDの子達は聴覚・視覚と身体性感覚の手掛かりを取り入れます。
例えば、CATの文字と猫の絵が描かれたカードを見ながら、「シー、クッ、クッ、クッ、キャット」と声にだして言いながら、さらにCの字を腕を使って体の前に大きく描く感じ。
この多感覚アプローチがアスペルガーの息子にも有効だったのは、より多くの感覚を使う事によって脳の中でより多くのネットワークが形成されて、自閉症の子に多く見られる聴覚優位や視覚優位っていう優位差がある子の苦手を補えるからじゃないかな…と考えた私は、支援の中に出来るだけ沢山の感覚の要素を取り入れるようになったんだよね。そしてそれは狙い通り、多くの子に有効!
2020年度から日本の小学校で英語が教科化されるらしいけど、英語の発音を学ぶにも、スペルを学ぶにもフォニックスは最適だと思う。
それに一斉授業の中で多感覚アプローチを使う事でクラスの中にいる多様な得意・不得意がある子達にもれなく学びが行き届くんじゃないかなぁ~。
英語の発音&スペル習得にはフォニックス、発達障害のある子には更に多感覚アプローチ。他の支援にもぜひ応用してみてくださ~い!