第12代弾左衛門集司から見えてくる信州の被差別部落の特殊性
弾左衛門という名前を聞いて多くの人が抱く印象は何であろうか。日本の皮革産業の歴史に詳しい方や、被差別民の歴史を学んでいる方ならその名を聞いたことがあるかもしれないが、そもそも存在すら知らない人もいるかもしれない。
弾左衛門とは、江戸時代の被差別民であった穢多・非人身分の頭領のことである。幕府から関八州をはじめとする東日本の広範囲における被差別民を統括する権限を与えられており、穢多頭弾左衛門と称された。また自らは長吏頭弾左衛門とも名乗った。浅草を本拠地にしていたため、浅草弾左