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「食物繊維は腸内細菌の為」の計〜軍師、短鎖脂肪酸についての軍議〜

私です、腸活良孔明(ちょうかつりょうこうめい)です。

我が君よ、これまで食物繊維こそが腸内細菌にとって良いという話をしてきました。

すでに我が君は、食物繊維は体に良いというイメージをお持ちだと思いますが、なぜ食物繊維を摂ることが体に良いのかご存じでしょうか?

その理由をキチンと理解しておいででしょうか。

そうですね腸飛(ちょうひ)殿、まず便通が良くなるというのは有名ですね。今日も快便だったと。なるほど、・・・その話はあとで聞きましょう。

ともかく、食物繊維にはもう一つ重要な役割があるのです。

これは以前の繰り返しになりますが、食物繊維を摂るのは短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)を作るためです。

ではこの短鎖脂肪酸とは何でしょうか。

私たちが食事をし、食べ物が胃を通過して腸に入ると、腸内細菌が分解して作る物質です。

短鎖脂肪酸は他の栄養分と共に腸から吸収され、血液へと入り、全身へ運ばれます。

この全身へ運ばれた短鎖脂肪酸が、他の細胞などに働きかけて様々な効果をもたらします。

そうです、まるで戦場における軍師のように全身へと命令を出すのです。

それではこの軍師、短鎖脂肪酸がしてくれる3つ計略を説明します。


1.脂肪細胞への働き

脂肪細胞とは、その名の通り脂肪を蓄える細胞の事を指します。

この脂肪細胞には短鎖脂肪酸に対するセンサー(受容体)があります。

血液から全身へ運ばれた短鎖脂肪酸が脂肪細胞にたどり着き、それを感知すると栄養の取り込みをやめます。

つまり、過剰に脂肪がたまるのを防いでくれます。脂肪の吸収・蓄積を短鎖脂肪酸が抑制してくれるというワケですね。

言うなれば、脂肪細胞は、短鎖脂肪酸からの指示を聞く耳を持っているという事ですね。短鎖脂肪酸が、脂肪細胞を説き伏せられる。とも言います。

やはり、軍師の策がいかに優秀であっても、指示を受ける側がそれを聞く耳を持っていないと、策の完成は成らない。という事なのです。

そういった意味で、脂肪細胞への短鎖脂肪酸の指示をするという働きは、双方の理解があってこそと言えるでしょう。あの気難しやの脂肪細胞をうまく扱えるのは、さすがといったところでしょうか。

2.交感神経への働き

さて、次は交感神経についてです。

交感神経とは人間が活動をするときに働く神経です。なんと、この交感神経にも短鎖脂肪酸に対するセンサーがあります。

交感神経は短鎖脂肪酸を感知すると、心拍数の増加、体温上昇、あまった栄養分を燃やして消費するなど、代謝が活性化します。つまり、これは脂肪を燃焼するのにも関係します。

我が君よ、そもそも人体における交感神経の働きは、非常に大きいと考えます。生命の基本ともなるべき部分だからです。その交感神経とも対話し、理解させる力がある短鎖脂肪酸は、体内における軍師として非常に優秀です。命の根幹となる部分へも、働きかけるのですから。

一体、誰を師としたのでしょう、気になるところです。

3.糖尿病の改善

我が君よ、この糖尿病とはインスリンの働きが十分ではなく、高血糖値が続いてしまう状態になる病気を指します。

この病気は、依然は民を顧みず自分に富を集めて、飲めや歌えやの裕福な暮らしをしてきたゲスな者どもが良くかかる病気でしたが、現代では日本人の4人に1人がなっている、または、その疑いがある。という

もはや、恐ろしい軍隊となった。といっていいでしょう。

しかも年々数を増し、よく練兵(ここでは重病になるという意味)されています。さらには遺伝的な理由でなってしまう人も増えているようです。

この恐ろしくも、侮りがたい人類の敵である糖尿病。いかに立ち向かうべきか。ご安心なされよ、この糖尿病にも、軍師、短鎖脂肪酸は計略を持っているのです。

そもそも短鎖脂肪酸は腸の細胞を刺激し、インクレチンと呼ばれるホルモンを分泌させる働きがあります。

このインクレチンは膵臓に働きかけてインスリン分泌を促す作用があり、糖尿病の治療薬にも使用されています。

糖の代謝を促す力があるという事です。

つまりは、

短鎖脂肪酸 → インクレチン → 膵臓からインスリン

という三段階にわたる離れ業を、体内という戦場でやってのけるのです。

ウーム・・・素晴らしい。人間とは思えない。いや、もともと人間では無かったですね、これは失敬。


さて今日は、軍師、短鎖脂肪酸の3つ計略をご説明しました。

1.脂肪細胞への働き

2.交感神経への働き

3.糖尿病の改善

このように短鎖脂肪酸は重要な働きをしています。

さて我が君よ、ここでおさらいになりますが、短鎖脂肪酸を作るために必要な物は何でしょうか。

おぉ早い!さすが環羽(かんう)殿!

そうですそれが、食物繊維です。

短鎖脂肪酸を作り出す細菌は食物繊維をエサとしています。

そのため食物繊維の少ない食事をしていると、短鎖脂肪酸が作られなくなり、脂肪を過剰に取り込んで太りやすくなってしまうなど、体への影響が出てしまいます。

軍師、短鎖脂肪酸をわが軍に取り入れて、荒れ狂った腸内環境の世を平定するためには、食物繊維が必要なのです。

この関係を覚えておきましょう!

「食物繊維 → 腸内細菌 → 短鎖脂肪酸 → 健康」

そうです我が君、1にも2にも食物繊維なのです!

今日の軍議はここまで。


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