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イスタンブールの商人に学ぶ心理術
トルコのイスタンブールで高額なお土産品を買わされた話を書こうと思う。
サングラスの男
2023年夏、初めてイスタンブールに訪れた。到着二日目のこと、私はホテル近くのスルタンアフメット広場を散歩していた。広場には多くの観光客で賑わい治安の良さを感じた。気候は穏やかで快晴だった。
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その日の予定はイスタンブール市内にある地下宮殿に行く予定だった。宮殿は広場近くにあるはずなのだが入り口が見当たらず、しばらくウロウロしていた。するとサングラスをかけた30代くらいの男が近づいてきて話しかけてきた。
「Where are you from ?」
私は警戒しながら「Japan」と答えた。
「こんにちは、日本人ですか!」
男は急に流暢な日本語を使い始めた。どうやら日本に住んでいたことがあるらしい。仕事のことや家族のことなど日本に住んでいた頃の話を教えてくれた。話をしてるうちに私の警戒心は次第に緩くなっていた。
数分話し込んだ後、私が今から地下宮殿に行こうとしていると言うと彼は親切にすぐ近くにある入り口まで案内してくれた。我々はそこで別れ、私は地下へと進んだ。
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30分ほど地下宮殿を見て回った後、地上に戻るとサングラスの男が待ち伏せしていた。ニコニコと笑顔で再び私に近づき、僕のお店によかったら寄っていかないかと言うのだ。男は宝石店を経営しているとのことだ。宝石に興味があったわけではないが、入り口まで案内してくれたお礼に店に少しだけ寄ることにした。
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