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「機会があったら」のストックは時々吉〜dunhill BAR〜

昨日朝のうち偶然会った先輩に異動が決まったことを伝えたら、その日の家に飲みに連れていってくれた。めちゃありがてえ。

「この店どう?」って聞かれたところ、前に私が選んだことがあるお店だったのだけど…そういう時はほら、大人の対応だよ。業務中の忙しい先輩の時間を更に割くわけにもいかないしさ。とりあえず「既に行った自分」を抹消して「この店良さそう、今度行きたいな」と思った自分に巻き戻しておいた。

普通に超美味しいから良い。
これ最高に微妙なお店だった時だったら…どういう返事が正解だったかな…。

わりと飲んだので帰ってからはスピード就寝。3時頃に一度起きたけど「お酒まだ全然残ってるな」と思ってもう一度寝て、7時頃に健康的に起きた。

本を読んでアニメを見てお絵描きをしてお菓子を食べて家族と電話で話して今日はどこに出かけようかなと悩んで…めちゃ優雅な朝だったのに…気がついたら、昼過ぎだった。楽しくて時間を忘れていたわけではない。なんかよく分からんうちに寝落ちした。


>今日は諦めて引き篭る
>まだ全然間に合う!出掛ける。

とりあえず、出るか…。
目的地は全く決めていなかったけれど、なんとなく向かっているうちに決まるだろ。


…決まった。
あぁそういえば、銀座に行ってみたいお店あったんだ。有名ブランドdunhillのBARがあるらしい。パフェが美味しそうで、行きたいと思っていた。

メンズブランド、だよね?ぶっちゃけ女性一人で行くにはハードル高いのだけど…いいや行っちゃえ。


「今度機会があったら行きたい」のストックがあると、出だし失敗した日でもまあなんとなく幸せに生きられる確率が高い。

超〜〜〜かっこいい。
バー特有の高い座席で座るのに苦労して少し恥ずかしかったが、カッコイイから許す。

季節のカクテルとかも飲みたかったけどね。パフェとの相性を考えて大人しく珈琲系にしておいた。

「カフェラテ」と「カフェオレ」が両方あったことも決め手ではある。これ分けるお店って少ないんだよ〜。きっとそれなりの拘りはあるはずだ。

ところで目の前にあったお酒の台がべらぼうにカッコイイ。虫眼鏡的なのを持っていて、それを通すラベルがグッと大きく見えるのだ、なんだ最高かよ。

ロゴが印刷されたプレート、食べられるのか一瞬迷ったけれど、食べられたから多分食べられるやつ。

なんというか…味がする。
これは美味しいのか美味しくはないのか、判定基準がよく分からんというか…好みはちょっと分かれるかもしれない。
ただ、食べられるという判定を下したからには、食べ進めてみると意外と癖になるやつだ。

その入口から先は…和の宝石箱だった。 

滑らかひんやりなアイスは…ほうじ茶?いいや紅茶。
全ての和を受け止める和紙のような、それ自体もちゃんと美しく色付いているのに他を妨げず一層うつくしく生かす透明感を持っている。

このアイスだけでは、なかなか食べられない。
見た目以上に、中からなんか色々出てくる。

構成表が欲しい。
なんか本当に、色々分からないんだ。
ただ、感じる世界が、濃く深く、黒色にジワジワと染まっていくのが分かる。チョコのようなダーク感とは違う。和菓子の世界でしか表現できない繊細な深みがある。

粒感も残る柔らか滑らかな餡は、この世界観の中では少し明るい。固めの旨みがギュッと詰まった黒豆は、グラデーションのような混じり合う世界の中で単独の存在感をしっかり主張してくる。コリンとした寒天は涼やかに…えぇ!!?このモッチリやわやわな奴は…わらび餅…だろうか。こういうパフェに入るスポンジは固めのものが多いイメージがあるのだけれど、とろけるようにフワフワだ。スポンジ…ん、これカステラなのかな。抹茶系のなんかも入ってたな。
舌に感じられる感触が本当に様々で、それは普段から食べ慣れた味とはどれも少し違っていて、なんだか凄く楽しい。安定の味を追い求める派の方にとっては「は???」と感じられる部分も多いかもしれないけれど、スイーツに新しい出会いを求めるような人には凄く魅惑的だ。

そしてパフェの外側に…
右のは何者だろう。結構グッと力を入れないと通らないしっかり食感ながら、味わいは白餡?的な繊細な和。

そして左は分かりやすいね。
こんな図太いかりんとうを食べるのはいつぶりか。
罪深過ぎて、ずっと避けて生きてきた。それでも、食べたことが無いわけでは決してなくて、「懐かしい味」として魂に刻まれている。

さっくり。
甘い。香ばしく、甘い。

…最高だよ。

あぁ良かった。
ちゃんと良い祝日になった。これで明日も仕事を頑張れる。帰ったらもうひと頑張り、部屋の掃除でも頑張ろう。

時間があったらこれをやろう。
機会があったら行ってみよう。

そういうことは大抵やらないし、行かない。
でもそんな選択のストックを持っておくと、案外人生の吉に繋がったりする、かもしれない。

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