『未来』2023年10月号
嶋稟太郎「時評」
〈過去を回想する歌に過去への執着がない。過去が美化されることもなく、思考がそのまま差し出される。それがあまりに生々しく、新しかった。〉
長谷川麟『延長戦』について。歌の読みも、文体に対する考察もとても明晰だった。
自分はここまで『延長戦』を読み解けなかったので、ちょっと悔しいと言うか。またもう一冊、塚田千束『アスパラと潮騒』の読みも、長谷川との対比の立て方も良かった。どちらも、こんな歌あったんだ、といういい歌が引かれている。
やはり、歌集は一度読んだだけではダメだなーと自戒。嶋の視点を手掛かりにして、もう一度この2冊を読み直してみたいと思った。
2023.11.23. Twitterより編集再掲