角川『短歌』2024年2月号
①対談 川野里子×睦月都
睦月〈翻訳不可能だと思っていた感覚がはじめて短歌で形にできたという感じがしたのを覚えています。(…)散文では処理できない感覚はやっぱり短歌という詩型を見つけたことによってかなり救われたというか、短歌でしか処理できない、実現できない何かはあるんだと思います。〉
短歌をする人間には励みになる言葉だ。短歌でしか実現できない何か、追求したい。逆にこれはなぜ散文で言わないの、散文で言った方が話早くない?という歌にならないようにしたい。
②だんだんに無感覚になる報道はウクライナからガザに移れど 渡英子 詠うのに勇気が要るなと思うような率直な歌。悲しいけれどこれが人間の性なのかもしれない。憤っていてもだんだん報道に慣れてしまう。しかしそんな自分を見つめる視線もやはり必要なのだと思う。
③戦争を「みいくさ」と詠む精神が近代歌人を支へたるもの 渡英子 パフォーマンスの人もいただろうが、本気で「みいくさ」と思っていた人もやはりいたのだ。現代人には信じにくいことだけれども。ちょっと時代が変われば人の心は理解不能になるのだ。
2024.3.5. Twitterより編集再掲