
『白珠』2024年6月号
①安田純生「橋本の渡し・男山」〈香川景樹は、『桂園遺稿』によれば、享和元年一月二十九日に京から難波に向かっていた。(…)手前の橋本で宿を取っている。そして次のような歌を詠んだ。
天の川水まさりなばかさヽぎの橋本にねて明日渡りなむ〉
香川景樹がいきいきと描かれている。橋本や枚方、男山などおなじみの地名が出て来て、江戸時代と今が繋がっていることが実感される。日記のような軽い歌も気分が表れている。
この連載、活字が小さくてページ数が多い。書きたいことが山のようにある感じだ。
②いちごサンドの冷えた切り口 美しいままで絶ちたい関係がある 山本夏子 冷えたまま包丁ですぱっと切ったから、苺の断面が美しいまま並んでいる。その断面のように終わりたい関係。意志としての選択が、苺サンドになぞらえて可視化されている。
2024.6.9. Twitterより編集再掲